プロゴスは6月19日、「日本人の英語スピーキング力に関する調査」の結果を発表した。調査は、AIビジネススピーキングテスト「PROGOS®」の3年分の受験データ(2023年5月末月時点でのべ42万人)を分析した。
対象となるデータから日本人受験者(34万人)の結果を抽出・分析した結果、国際的な言語力指標「CEFR(セファール)」レベルの中の初級段階「A2 High」が最も多く30.6%。仕事で英語を使用するのに最低限必要なレベルはその上の「B1」だが、「B1ならびにそれ以上」のスピーキングレベルを持つ日本人受験者は49.1%という結果に。
グローバルビジネスで通用する英語レベルは「B2」以上だが、「B2以上」のスピーキングレベルを持つ日本人受験者は約6%と、ごく少数であることがわかった。
次に、「PROGOS®」の受験者かつTOEIC®L&Rのスコアも保有する約5万人のデータをCEFRレベルに換算して比較した。
分析結果によると、TOEIC®L&Rのスコアからリスニング・リーディング力で「B1」レベル相当があるとされる対象者のうち、実際に同等レベルのスピーキング力を持っているのは4割、「B2」レベルにおいても1割強にとどまることが明らかに。
このことから、TOEIC®L&Rのスコアを換算するだけでは、スピーキングの実力を正確に把握することはできず、スピーキングテストで測定する必要があると言える結果に。また、ビジネスで重視されるスピーキング力が、リスニング・リーディング力と比べて大きく劣っており、リスニング・リーディング力とバランスがとれたスピーキング力を持っている人は非常に少ないことがわかった。
次に、企業のグローバル化進展の一指標としての海外売上高の伸びと、英語スピーキング力の関連性を調査した。
海外売上高を開示している約1,200社のデータをベースに、2019~ 2021年度の海外売上高の年平均伸び率と、その中の2020年6月リリース~2023年5月末までの「PROGOS®」利用企業を比較したところ、企業数では海外売上高の年平均伸び率は5~10%が最多であったが、海外売上高が0~20%で伸びている企業では「PROGOS®」を導入している企業の割合が多いことが明らかに。
また、450名以上の「PROGOS®」受験者がいる国・地域別のスピーキング力比較を行ったところ、アジアのなかでは、「日本」と「タイ」は最多レベルが「A2 High」で最も低いグループだったのに対し、「カンボジア」「フィリピン」「インド」の最多レベルは「B1 High」と、一定数の受験者の比較では国の間でのレベル差が明らかになった。