サムスン電子ジャパンがいよいよハイエンドスマートフォンのメーカー版「Galaxy S23 Ultra」を発表しました。これまでほぼ携帯キャリアからの販売に限定していたサムスンとしては、直接メーカーとして販売する初めてのハイエンドスマートフォンとなります。
同時に、ミッドレンジのAndroidタブレット「Galaxy Tab S6 Lite」も投入。いずれもSamsungオンラインショップでの販売となり、サムスンブランドをさらに強化する試みと言えそうです。
なお、一般的にメーカーの販売する端末を“SIMフリー版”と呼ぶこともありますが、すでにキャリアから発売されている「Galaxy S23 Ultra」もSIMフリーになっているので、ここではキャリアが取り扱う端末をキャリア版、サムスン自身が販売するモデルをメーカー版としています。
Galaxyのフラッグシップ機がいよいよメーカー版として登場
「Galaxy S23 Ultra」のメーカー版は、ストレージ容量が1TBとなるモデルで、基本的なスペックはキャリア版と同等です。機能としての差はなく、外観でキャリアのロゴなどがないこと、キャリアのプリインストールアプリがないことが違いです。カラーはクリーム色1色です。
メーカー版とはいえ、おサイフケータイも標準で搭載。マイナンバーカードにも同様に対応し、スマホ用電子証明書にも対応するそうです。防水防塵、Sペンなどの主要機能ももちろんそのまま搭載されています。
サムスンは2022年に、ミドルハイのモデルである「Galaxy M23 5G」をメーカー版として発売していました。これは、キャリアに採用されていないモデルで利用者の反応を確認することを考えていたそうです。同機はグローバルのスケールメリットを生かして40,975円というコストパフォーマンスに優れた価格を実現。スピーディな提供をするためにおサイフケータイや防水防塵は非対応だったものの、一定の評価は得られたそうです。
ただ、やはり防水防塵/おサイフケータイ/フラッグシップというニーズは根強く、それに応えるため、今回「Galaxy S23 Ultra」という最上位モデルを投入することになりました。
個人的には、キャリア版にはないようなシャッター音の消音機能があればと思ったのですが、今回の製品ではシャッター音を消すことはできないそうです。サムスンでは、「日本国内で“Samsung”として独り立ちするためにいろいろと検討していきたい」との立場を表明しています。
Galaxy専用の保証プランである「Galaxy Care」も用意。2年間の補償で、画面割れや水没も保証してくれます。4世代のOSアップデートや5年間のセキュリティアップデート保証と、Google並みのスタンスで、安心感も提供したい考えです。
販売はSamsungオンラインショップ限定で、価格は243,440円。発売は7月6日10時からで、6月20日10時より事前購入が開始されています。購入者には17,000円分のオンラインショップクーポンを提供するキャンペーンも実施しています。
Androidタブレットのラインナップ拡充
「Galaxy S23 Ultra」のメーカー版と同時に発表されたのがタブレットの「Galaxy Tab S6 Lite」です。Galaxyシリーズのタブレットは、2010年の「Galaxy Tab」が国内で登場し、2014年まではコンスタントにGalaxy Tab製品が登場していました。
しかし、それ以降は「Galaxy Tab」の新製品は国内で登場せず、Androidタブレット市場は低価格路線がすっかり浸透していたのですが、2022年に久しぶりに「Galaxy Tab S8+」「Galaxy Tab S8 Ultra」という2つのハイエンドタブレット製品がリリースされました。
「S8」シリーズは「Galaxy Tab」としても久しぶりのハイエンドでしたが、Androidタブレット製品としても久しぶりのハイエンド機。一定の人気を博したものの、やはり10万円を超える価格帯で手を出しにくいという声もあったようです。
そこで「Galaxy Tab S6 Lite」というミドルクラスの製品を投入。Androidタブレット市場をさらに拡大していきたい考えです。ちょうどGoogleも純正タブレットとして「Pixel Tablet」を投入しており、期せずしてAndroidタブレット市場が活気づいています。
サムスンとしては、今後「S8」シリーズの後継モデルや5G対応モデルなど、さらに幅広いラインナップを検討しているとも言います。今後の同社の戦略にも期待したいところです。
「Galaxy Tab S6 Lite」は、SoCにSnapdragon 720G、メモリ4GB、ストレージ64GBを搭載し、10.4型(2,000×1,200)のTFT液晶ディスプレイを採用したタブレットです。Android 13を搭載し、Sペンにも対応して手書き入力も可能。
なおこのモ「Galaxy Tab S6 Lite」は、2020年にも同名の製品がありました。それに対して、SoCがExynos9611からSnapdragon 720Gにアップグレード。OSもAndroid 10から13に、OneUIもバージョン2.0からバージョン5.1になっています。
それ以外のハードウェアは踏襲しているので、基本的にはコストパフォーマンスを追求したモデルではあります。とはいえ、Sペンにも対応した大画面タブレットとしては比較的求めやすい価格になっています。
その価格は56,799円。SamsungオンラインショップとAmazonでの発売となり、6月23日10時から販売されます。6月30日までの発売記念キャンペーンとして、純正ケース「Galaxy Tab S6 Lite Book Cover」を3色のうちから1色をプレゼントします。Sペンも同梱されるため、便利なセットとなりそうです。