Web構築・ホスティングサービスを提供する米Squarespaceは6月15日(現地時間)、ドメイン登録サービス「Google Domains」の資産買収で米Googleと合意したことを発表した。合意内容には、Google Domainsでホストされている約1,000万のドメインと数百万のユーザーを含む。
Googleは2014年にGoogle Domainsのベータ提供を開始し、約7年間のベータ期間を経て昨年3月に正式サービスとして提供し始めたばかりだった。日本を含む29の国・地域で、ドメインの検索、購入、移管、管理などを提供しており、利用者はShopify、Squarespace、Weebly、WixといったWebサイト構築ツールと直接連携させられる。
買収完了には規制当局の承認などが必要であり、2023年第3四半期の手続き完了を目指す。資産の移行期間を経て、ドメインとユーザーがSquarespaceに移るのは2024年になる見通し。スムーズな移行のサポートを最優先事項に挙げており、Google Domainsの利用者が何か対策する必要は「現時点ではない」としている。Squarespaceは買収完了から少なくとも12カ月間は、Google Domains加入者の既存の価格での更新を保証している。
Googleは事業売却の理由を明らかにしていない。SquarespaceはGoogle Domainsの技術と顧客基盤を取り込むことで、Web構築とホスティングサービスを一層強化し、更なる市場拡大を目指す。Google Domainsにはドメインを保持するために利用しているユーザーも多いが、Google Domainsの利用者がWeb構築サービスなどSquarespaceの他の製品の利用を促進するために追加の特典を提供するという。
Google Domainsでドメインを管理しているGoogle Workspace加入者のドメインに対する課金やサポートはSquarespaceが引き継ぐことになる。また、Google Workspaceを通じてドメインを購入するGoogleの顧客に対し、契約完了から少なくとも3年間はSquarespaceが独占的にドメイン登録・管理サービスを提供する。Workspace加入者がSquarespace以外のドメイン登録サービスで購入したドメインをWorkspaceに持ち込むことは可能であり、GoogleはSquarespace以外のWorkspace再販業者も引き続きサポートする。