JR西日本は16日、東海道・山陽新幹線の車両N700Sを追加投入すると発表した。2023年8月頃に1編成、2024年2月頃に1編成、計2編成を投入予定としている。現在運行しているN700Aタイプ40編成に対し、N700Sに採用する機能の一部を反映する改造を実施することも発表した。
N700Sは、ATCとブレーキシステムの改良により、地震時のブレーキ距離を従来のN700Aタイプから5%短縮し、安全性が向上。大容量のデータ通信を実現することにより、これまで以上に詳細な機器データの取得・分析が可能となり、車両の状態監視機能が強化される。
バッテリ自走システムを搭載し、長時間停電時も避難の容易な場所まで自力走行が可能となり、異常時対応力を強化。異常時に乗客と乗務員が通話する装置を客室内のわかりやすい場所に設置し、異常時の即応体制を強化するほか、指令所の係員とも通話できるようにする。
快適性向上のため、グリーン車・先頭車・パンタグラフ搭載号車にフルアクティブ制振制御装置を搭載。全席にモバイル用コンセントを設置し、車いすスペースを6席に拡充する。N700Aタイプとの比較で消費電力量を7%削減するなど、環境性能の向上も図る。
N700Aタイプ40編成の機能向上に向けた改造は、2024~2026年度に博多総合車両所で実施予定。ATCとブレーキシステムを改良し、地震時のブレーキ距離を5%短縮する。大容量のデータ通信も実現し、詳細な機器データの取得・分析を可能として車両の状態監視機能を強化する。パンタグラフやブレーキ装置といった摩耗部品の長寿命化を図り、メンテナンスコストを削減する。