東京国立博物館 平成館(東京都台東区)で6月16日~9月3日、特別展「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」が開催される。開幕前に報道向けの内覧会を訪れた。
東京国立博物館で古代メキシコ文明に関する展覧会が開催されるのは1955年以来約70年ぶり。「マヤ」「アステカ」「テオティワカン」という代表的な3つの文明に焦点をあて、メキシコ国内の主要博物館から厳選した約140件が近年の発掘調査の成果を交えて紹介される。
内覧会には、音声ガイドのナビゲーターを務め、メキシコで3年ほど暮らした経験があるという俳優の上白石萌音さんが登場。現地でピラミッドなど遺跡を訪れた思い出を交えながら、展示の感想を語った。
「ワクワクしたり、恐れのような気持ちを抱いたりと思うと、ふっと頬が緩むような瞬間があったり、精密な技術に驚いたり。すごく充実した楽しい時間でした。大昔の文明の品々なのに、その向こうに暮らしや作った人の存在、現代との繋がりをとても感じる瞬間もあり不思議な気持ちになりました」(上白石さん)
代表的な3つの文明に焦点
展示は4章構成。「古代メキシコへのいざない」に始まり、「テオティワカン 神々の都」「マヤ 都市国家の興亡」「アステカ テノチティトランの大神殿」と続く。
暦や文字など高度な知識を有する王や貴族が中心となって、巧みに交易と戦争を繰り広げた「マヤ文明」。展覧会の中でも上白石さんが最も圧倒されたというのが「赤の女王(レイナ・ロハ)」のの墓の出土品だ。メキシコ国内とアメリカ以外で初めて公開されるもの。
首都テノチティトラン(現メキシコシティ)を築き、軍事力と貢納制を背景に強国に発展した「アステカ文明」。
「太陽」「月」「羽毛の蛇」の三大ピラミッドを擁する巨大な計画都市を築いた「テオティワカン文明」。
「どれも表情がとっても愛らしいです。出土品に描かれている生き物や人の、表情や体勢がすごく絶妙で、 なんだかシュールだったりして、そういうところにメキシコの愛嬌をとても感じる瞬間がたくさんありました。小さい装飾品から大きい像までとても丁寧に装飾が施されていて、神や自然への恐れ、祈りの切実さがどれほどのものだったのかがにじみ出ているような気もしました」(上白石さん)
ミュージアムショップのオリジナルグッズも必見。「ペンケース&シュシュ」(3,700円)、「ショルダーバッグ」(3,700円)などユニークなものが並ぶ。
上白石さんは「本当に貴重な品がたくさんあって、お子さんから大人までみなさん楽しんでいただけると思います。夏休みも来ますし、ぜひ壮大な歴史に触れてワクワクしていただきたいです」と来場を呼びかけた。
観覧料は、一般2,200円、大学生1,400円、高校生1,000円(当日券)。福岡会場(九州国立博物館/10月3日~12月10日)、大阪会場(国立国際美術館/2024年2月6日~5月6日)にも巡回する。