マイナビはキャリア教育や就活の講師などを務める羽田啓一郎さんをゲストにお招きし、「どうなる25年卒?! 就活準備スタート講座 ~インターンシップが変わる! 就活スケジュール・情報収集のコツを徹底解説~」と題したオンライン講座を実施しました。

そもそもインターンシップとは何か、インターン応募者だけが受けられる早期選考とは何かなど、意外に知られていない就活の基礎について羽田さんにご説明いただきました。今回は講座の前編の模様をお届けします!

講師プロフィール:羽田啓一郎
マイナビで大手企業の新卒採用営業で色々やった後新規事業を色々立ち上げました。2020年3月起業し、Strobolightsを設立。学生のキャリア支援と企業の支援の両方やってます。立命館大学産業社会学部客員教授※Twitterプロフィールより

就活解禁は"建前"! インターンシップの応募者のみが受けられる「早期選考」とは

意外と皆さんご存知ないようですが、実は2025年卒は就活の仕組みがいろいろと変わります。まずは、"本当の"就活スケジュールと変わるインターンについてお話しましょう。

今、みなさんは「インターンシップというものがあるらしいな」「インターンシップに参加しないといけないのだろうか」と考えていると思いますが、結論としては、インターンシップには参加したほうがいいと言えます。

大学3年生の最後の3月に就活が解禁され、企業にプレエントリーし、説明会、選考、内々定に進んでいくのが一般的な就活スケジュールの流れですが、実はこれ、あくまで“建前”に過ぎません。

就活解禁と同時に就活がスタートすると思っている学生が多いと思いますが、実際は、就活解禁前に、インターンシップに参加した学生を対象とした、「早期選考」と呼ばれる選考があって、そこから内々定が出ているんです。しかも、早期選考から内々定が出る部分のボリュームは年々膨らんでいます。

もちろん、すべての会社が早期選考をするわけではありませんが、かなり多くの会社が行っている印象ですね。早期選考に関する案内は参加しないと届きません。インターンシップに応募することで、みなさんの情報が企業に渡るからです。

夏のインターンシップ募集が今年から2ケ月も早まる!

先ほど、2025年卒はいろいろと就活の仕組みが変わるとお伝えしましたが、就活解禁の時期については変わりません。ただし、夏のインターンシップの募集が今年から2ヶ月早まります。

これまで、夏のインターンシップの募集は6月から始まる企業が多かったのですが、今年は4月からスタートする企業が増えました。マイナビでも4月7日からインターンの応募ができるようになっています。これに伴い、例年であれば11~12月に行われている早期選考も早まるような気がしています。

ちなみに、インターンシップの選考に落ちた場合も早期選考には参加できます。選考はあくまでインターンシップに参加できるかどうかのものであって、社員として採用するかどうかはまた別の話。

インターンシップの選考には落ちたけど、早期選考に受かったというのはよく聞くケースです。中には、インターンシップに落ちることを恐れて応募すらしない学生もいますが、積極的に応募したほうがいいと思います。

なぜインターンシップの募集が早まっているかというと、企業も"学生の取り合い"という競争をしているからです。優秀な人材獲得は、会社の行く末を担う非常に重要な経営課題です。いい学生を採用しなければ、会社が潰れてしまいます。早期選考による内々定の割合が年々増えているので、実施を早めないといい学生が採用できないという現状が企業側にもあるんですね。

2025卒からはインターンシップの定義も変わる

そもそも、インターンシップとは何でしょう。

もともと欧米の制度で、長期休暇中の学生が企業に一時的に入社して働くことを指していました。実際に会社に入ることで、「自分の学んできたことが会社に活かせそうだな」「この会社はいい人が多いな」といったことを体感して、そのうえで本格的に入社するかどうかを決める。こういった「お試し入社期間」を欧米ではインターンシップと呼んでいるんです。

ところが日本は事実上、就活解禁前に企業が学生と接点を持つためのイベントになってしまっています。ただ単にセミナーを開くだけで「これはインターンシップです」と謳っている会社もありますし、もはや“言ったもん勝ち”の状態になっています。

しかし、これに関する議論も各所で行われていて、2025卒からインターンシップの定義も変わることになりました。

具体的には(1)オープンカンパニー、(2)キャリア教育、(3)汎用能力・専門活用型インターンシップ、(4)高度専門型インターンシップの4タイプに分かれます。正確に理解する必要はありませんが、セミナーをインターンと呼ぶような企業も多かったので、そこは分けようということになったんです。

タイプによっていろいろな違いがありますが、例えば(3)と(4)の「何やるの?」の部分。「仕事体験」は本当に体験するだけで、例えば「うちではこうやって営業するんだよ。じゃあ、今から私相手にうちの商品を営業してみてください」といった具合ですね。「働く」のほうは、「今週中に100万円の商品を売ってきて」と言われて、実際に営業へ行くことを指します。

どこまでの企業が本当に①〜④までしっかり対応できるかは未知数なので、まずはこういう裏側の事情があるんだということだけわかっていればいいでしょう。

就活のためにアルバイトやサークルを犠牲にするのはNG!

どんなことをやっていて、どんなプログラムに参加すればいいか。

ざっくり分けると、業界や企業が理解できるもの、もしくは業界や企業を理解するため参加するという考え方があります。

あとは職種の体験ですね。営業やマーケティングなど、職種を体験できるインターンシップというものがあります。

最後にワークショップと呼ばれるインターンシップがあります。「うちの会社の新規事業を検討してください」といったようなグループワークをコンテンツとして各企業が用意しているということです。

マイナビで検索したりエントリーすることができるので、ぜひ検索していただいて、興味ありそうな企業にエントリーしてほしいと思います。

活動の目安としては、ざっくり言うと4月から7月は就活サイトに登録したり、インターンシップイベントがたくさんあるので参加したりするといいと思います。夏休みは遊んでください。就活だけに集中するのはやめましょう。

もちろん、インターンシップに参加することも大事です。目安としては10〜15社くらいを体験している学生が多い印象です。

やりたいことがなかなかわからないという学生も多いと思います。むしろ、すでにやりたいことが見つかっている人はかなりのレアケース。だからこそ、いろんな会社や社会人とたくさん会話した方がいいでしょう。

一度就職すれば、会社に合わないからと言って1日で辞めることはできません。なるべくいろんな会社の話を聞きに行って、合う・合わないの基準を判断できるようにしましょう。

繰り返しますが、就活マシーンになってはいけません。就活する必要はありますが、就活のために他を犠牲にしては、結果的に就活もあまりうまくいきません。就活のためにアルバイトやサークルを辞めたりはしないようにしましょう。例えば1日のうち3時間をゴロゴロして過ごしているなら、そのうち1時間を就活に充てるくらいの感覚で大丈夫です。

インターンシップの選考と社員の選考はまったくの別物

続いて、インターンシップの探し方ですね。先程から「参加したほうがいいよ」、という話をしていますが、参加するために選考を通らなければならないインターンシップもあります。

選考があると落ちるのが怖いと思うかもしれません。でも、大半の学生は落ちます。だから、「落ちたらどうしよう」なんて思わなくていいし、落ちることに恐怖心を持たないでください。

「インターンシップの選考に落ちると採用も不利になるんじゃないか」と考える学生もいますが、インターンシップの選考と社員選考はまったくの別物です。インターンシップの選考には落ちたけど、本選考には受かったというケースはまったく珍しくありません。

(後編に続く)

本記事は就職サイト『マイナビ就職』で公開された映像コンテンツ、『マイナビTV編集部 就活準備講座』を転載しています