歌手やファッションブランドのプロデュースなど、ジャンルを超えて活躍しているお笑いコンビ・EXITのりんたろー。と兼近大樹。今年1月には、2023年中にYouTubeチャンネル「EXIT Charannel」の登録者数が100万人に到達しなければ同チャンネルを終了すると発表し、注目を集めている。2人を直撃し、最近の活動やYouTubeへの思いなど話を聞いた。
3月4日に開催されたファッションフェスタ「第36回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2023 SPRING/SUMMER」(TGC)では5度目のMCを務めた2人。ここ数年はコロナ禍だったが、今回久しぶりに声出しOKでの通常開催となった。りんたろー。はこの日「やっと奪われたものが返ってきたと実感させてくれました。イベントとしてとても楽しいです」としみじみ語っていた。
様々な番組でMCを務めてきた2人だが、TGCでのMCについて兼近は「でしゃばりすぎないこと」を心がけているそうだ。りんたろー。も「そうですね。いろんな方がいて、いろんな方を推している方がいらっしゃるので」とうなずく。
兼近によると「お笑いライブのお客さんは面白いものを見に来ている人たちなので、でしゃばっていいんですが、TGCの場合、お笑いにまったく興味がなく、『ふざけないでください』と思う方もめちゃくちゃいる可能性がありますから。それに、きっときれいなものを見たいだろうから、なるべく僕たちもこぎれいにしつつ、でしゃばりすぎないようにしてます」とその心得を語った。
5回目のMCということで、すっかり板についている印象も受ける。兼近は「慣れたもんです」としながら「僕たちはいるのかいないのかわかんないぐらいに気配を消しています。このチャラさで、お笑いで、こんなに気配を消せる人ってあんまいないんじゃないですか?」とおちゃめにジョークを飛ばす。
りんたろー。によると「会場にはいっぱいファンサービスをやってほしいという方がいらっしゃいます。でも、(ゲストにアピールしても)自分の推しに気づいてもらえない方もいると思うので、僕たちが勝手にそのファンサに応えています。何も返してもらえないよりは僕たちが返したほうが良いかなと思うので」と言うと、兼近も「ゼロよりはね(笑)。ファンの方が(ステージ側に)ハートを作っても、気づかれないことが多いので、僕たちがその姿を見てリアクションします。『お前じゃねえよ』『ええ!? 違う違う!』と思われても、平気でやっちゃいます。みんなで楽しもうよって感じで」とサービス精神たっぷりにMCを務めている。
2人はYouTubeにも力を入れているが、新年の挨拶で「2023年に100万人いかなかったらEXIT Charannel終了」と宣言していた。りんたろー。はこの発表について改めて「本気です。今、登録者数が約75万人なので、あと25万人いかないと辞めると言いました」と述べ、兼近も「できれば続けたいんですけど、今年中に100万人は届かないんじゃないかなと。もちろん頑張りたいし、全力で最後までやり切りますが」と、やはり決意は固いようだ。
登録者数を伸ばすための秘策について尋ねると、兼近は「このままだと100万人は突破することは無理なので、やはり海外から引っ張ってこなきゃと。海外向けに音を使わない笑いなどをやっていったほうがいいかなとも思っています」と答え、りんたろー。は「ウエスPさんを呼ぶか!」と、吉本興業のピン芸人・ウエスPの名前を挙げる。
奇をてらった芸風で知られるウエスPは、「体に装着したスッポンによって、1分間に最もたくさん点火されたマッチの数」「体を使ってカップのタワーから最もたくさん引かれた紙切れの枚数」などのギネス世界記録を樹立し、世界的にブレイク。現在YouTubeのチャンネル登録者数は220万人を誇り、自身のSNS総フォロワー数は1000万人を超えている。
兼近によると「吉本の芸人さんですが、世界でバズっているのに日本では知らない人が多いと思います。吉本の会長さんも『ウエスPについては想像がつかない』と言われているみたいです」と感心する。
また、YouTubeならではの面白さについて聞くと、兼近は「YouTuberの方とコラボすることがあるんですが、彼らは僕たちが知らないことを教えてくれるんです。やっぱり僕たちは狭い世界で生きてきたので、若い子の間で流行っていることなどは全く知らないので、そういうものがいっぱい知れるという意味でも面白いです」と彼らとコラボする魅力についても触れる。
りんたろー。が「最近、彼らから学んだワードとかは?」と振ると、兼近は「もーりーしゅーと。イケメン2人組で可愛らしいYouTuberです」と、TikTokフォロワー数150万人を誇る兄弟ユニットの名を挙げ、さらに「水曜日のカンパネラの『エジソン』とかもそうです。YouTuberの方々からいろいろ教わっています」と感謝。りんたろー。も「YouTubeを見て、テレビ局がオファーをくれたりもしたので、僕たちはテレビとYouTubeとの中間のことができているのかもしれない」と自分たちの立ち位置について述懐した。
近年、様々なことにトライしてきた2人だが、敢えて「相方の直してほしいところ」について聞くと、りんたろー。は「現場に明太子をもち込むことです。具が入ったおにぎりに、さらに明太子をのせて、その中にごま油をかけていたんです。ちょっと気持ち悪いので、そこは直してほしい」とリクエスト。兼近が「めちゃくちゃウマいよ」と悪びれることなく言うと、りんたろー。は「家でやってください」とツッコんだ。
一方、兼近は「今日限定ですが、足で大根おろしをするのはやめて」と、りんたろー。が着用していたパンツのデザインをスライサーにたとえていじり、2人で大爆笑していた。
続けて2023年の目標について聞くと、りんたろー。は「47都道府県をツアーで回るので、いろんな人と会いながら、楽しめたらいいなと思っています」と回答。兼近も「普段会えない全国の人に会いに行くので、ぜひ皆さんに笑ってほしいです」と全国ツアーへの思いを語った。
さらに兼近は「TGCで漫才をやりたいです」とリクエストし、りんたろー。も「それは僕もやってみたい」と意欲。ぜひ今後のTGCで実現してほしい。
りんたろー。と兼近大樹によるお笑いコンビ。2017年12月22日結成。吉本興業所属。テレビやYouTubeなどで活動するほか、アーティスト、コメンテーターなど幅広く活躍。アパレルブランド「EXIEEE(イグジー)」のプロデュースも手掛ける。「GQ Men of the Year2020」ベスト・コメディ・デュオ・オブ・ザ・イヤー賞、「スニーカーベストドレッサー賞2022」(芸人部門)などを受賞している。