市場調査会社・MM総研が、日米企業を対象に米人工知能研究所・Open AIが開発したAIチャットボット「ChatGPT」のビジネス利用率についての調査結果を6月12日に発表した。日本での利用率は、わずか7%にとどまる一方、米国では51%と半数以上が利用しており、両国で大きな差が見られたという。これがネットでは「業務での使い方が分からない」「結局プロンプト考えるの大変」などと話題となっている。

  • ChatGPTのビジネス利用、日本は7%だが米国は51%と大きな差 - ネット「結局プロンプト考えるの大変」

    日米企業におけるChatGPTのビジネス利用を調査した結果を発表

本調査は、日本と米国の企業・団体に所属する従業員13,814人(日本 13,412人、米国 402人)を対象として、今年5月24日から5月31日の期間に、Webアンケート調査を実施し、日本とOpenAIが本社を置く米国とで利用率や用途、今後の意向、課題などの比較をおこなっている。

日本ではChatGPTを「利用している」が7%、「利用を検討中」が5%、「利用していない」が42%、「知らない」が46%だった。一方、米国では「利用している」が51%、「利用を検討中」が18%、「利用していない」が23%、「知らない」が9%という結果だった。日米の利用率には大きな差があり、また米国では「知らない」が9%にとどまるなど、認知度の段階で大きな差があることがわかる。こうした日米の差は、生成AI全般に共通する特徴であり、Stable DiffusionやDALL・Eをはじめとする画像系などでも同じ傾向の大きな差がみられたそうだ。

  • 日本の利用率は7%、米国では51%と44ポイントの差(MM総研調べ)

  • 画像生成AIなど、AI全般で日米間の大きな差が見られるという(MM総研調べ)

日米のChatGPT利用率の差は、経営層の関心度合いや、利用環境が影響を与えているようだ。米国では、6割以上の経営層がChatGPTに強い関心を持っているのに対し、日本は米国の半分以下。また、有料のアカウントやAPIを整備している割合に日米で大きな差があったという。

日米の企業でChatGPTの利用目的は、「既存業務の効率化」が大半を占めているという。日本では、「メールなどの定型文を作成する」「議事メモを要約する」「膨大な情報を整理する」などの事務作業を効率化する用途が多く見られた。対する米国では、さまざまな用途でChatGPTが活用されており、「アイディア生成」や「コーディング」などのクリエイティブな作業での利用率も高いそうだ。

  • 米国では「アイディア生成」や「コーディング」で利用される機会も多い(MM総研調べ)

ChatGPTの利用に関する企業の満足度は、9割以上の利用者が「今後も利用継続したい」と回答しているが、日米共に5割弱の企業が「回答の精度」を課題として挙げている。

ちなみに日本で利用率が高いのは、従業員数の多い大手企業や、経営層・管理職などの高い職階の者で、業種ではエネルギーや水道などのインフラ系、学術研究、情報通信だったそう。一方で、卸・小売、自治体や中央官庁などの行政、不動産業種では利用率が低い。

  • 同社によると、日本で「利用している」と回答した7%は「新しいテクノロジーなどを積極採用する初期採用層が利用している状態」としている。(MM総研調べ)

ネット上では「アンケート総数が日米で違いすぎて草」「大学の課題のときにバリバリ使ってる👍」「母数が違いすぎて参考にならない」「AIが何でも解決!って思ってたけど結局プロンプト考えるの大変だから使わなくなっちゃった」「会社がデータ抜かれるからつかうな!!!!って言うてる」「業務での使い方が分からない・」などの声が寄せられた。