東京商工リサーチは6月5日、2022年結婚式場の売上業績調査の結果を発表した。本調査は、同社の企業データベース(約400万社)から、日本産業分類(小分類)の「結婚式場業」を対象に、2022年の業績(2022年1月期〜12月期決算)を最新期とし、4期連続で売上⾼が判明した158社(利益は75社)を抽出し、分析したもの。
コロナ禍の三密回避を背景に、婚礼自粛などが広がり、結婚式場の業績は2020年、2021年と⼤幅に悪化した結婚式業界。だが、2022年はワクチン接種や感染防⽌対策の広がりなどで婚礼数が徐々に回復傾向に。売上⾼はほぼ2020年の⽔準に戻し、最終利益も2019年以来、大手を中心に3年ぶりに⿊字転換した。ただ、令和婚ブームとなった2019年に比べると、売上⾼は7割強(76.0%)、利益は5割強(54.3%)にとどまった。
売上高別では、売上帯の最多は1~5億円未満の51社(構成比32.2%)で、1億円未満が46社(同29.1%)と続く。5億円未満が全体の6割(61.3%)で、 大半を中小・零細事業者が占めている。全国に事業展開する大手とエリア限定で事業展開する中小との二極化が特徴となっている。
また、売上高の増減をみると、2022年の増収企業は92社(構成比58.2%)で、減収企業は35社(同22.1%)、横ばいが31社(同19.6%)だった。2021年の増収企業は28社(同17.7%)だったのに対し、2022年は3倍増と急回復した。
さらに2022年の売上高伸長率は、10~100%未満が66社(同42.3%)で、以下、0~5%未満が39社(同25.0%)と続き、100%以上は9社(同5.7%)だった。2021年に比べ、大手上場企業を中心に売上高の回復が鮮明になった。
厚生労働省の「人口動態統計速報(2022年12月)」によると、2022年の婚姻件数は51万9,823組で、2021年を上回り、3年ぶりに増加に転じた。それに伴い、婚礼取扱件数が最低だった2020年と比較すると2022年は7万3,237件まで約2倍に回復。コロナ禍前に訪れた"令和婚ブーム"となった2019年にはおよばないが、コロナ禍の落ち着きとともに取扱件数は回復の兆しをみせているという。