ビジョンメガネは6月から、子どもの弱視の早期発見につなげるための啓蒙活動を実施している。6月7日には、同社ホームページにて、「こどもの目の日」についてと、「3歳児健診の屈折検査」の重要性に関するコンテンツを公開した。
「こどもの目の日」(6月10日)は、今年から新たに制定された記念日。同日を迎えることを機に、同社ホームページや店頭にて、子どもの弱視の早期発見につなげるための啓蒙活動を行う。
同社によると、3歳児健診の屈折検査(目のピントが合うために必要な度数(屈折)を調べる検査)は、眼鏡をかけても視力が上がらない弱視や眼疾患の早期発見に有効とされており、従来の視覚検査に加えて導入する自治体が増えている。サイト上では、検査の重要性や流れ、また弱視と診断された場合の治療用眼鏡の作成方法、保険適用について、詳しく解説している。
また、「ものを見るとき頭を傾けたり、横目で見たりする」「ひどくまぶしがる」など、目の病気や異常に気付くための"子どものサイン"についても、店頭のポップやサイトでも紹介。CMで知られる同社キャラクター「ビジョンくん」を起用し、9つのイラストで解説している。
店頭で販売スタッフが、保護者から目の異常に関する相談を受けた場合は、まずは眼科受診を促し、より早い発見と治療へとつなげていくという。
子どもの「視力検査・眼鏡作り」のポイント
昨年3月に新設された眼鏡に関する国内唯一の国家検定資格(国家資格)「眼鏡作製技能士」1級を取得している同社社員の営業本部・教育担当 課長の小倉正道さんによると、子どもは自分から「見えづらい」と言うことはめったにないため、本やテレビを観ている時の距離や目の動きなどを、大人が注意して見てあげることが大切だという。一般に3歳以上になると「自覚的視力検査」が可能になると言われており、厚生労働省が義務付けている3歳児健診で視力検査が受けることができる。
子どもの目の屈折異常や視力矯正を放っておくと、今後の生活に悪影響が及ぶこともあるという。例えば、発達段階で何らかの原因により視力の成長が止まってしまうと、眼鏡を掛けても視力が上がらない「弱視」や、右の目と左の目が違う方向を向いてしまう「斜視」になる可能性が高い。自然に治ることはないため、発達過程のできるだけ早い段階で、眼科医の指導による適切な治療が必要とのこと。
近視も矯正せず放っておくと、目が疲れやすい、視力機能が低下するといったことや、強度近視や病的近視に進行することもある。眼鏡は、子どもも一般的に近視で視力が「0.3以上0.7未満」であれば必要な時だけ使い、「0.3未満」であれば、常に使ったほうがいいと言われている。「眼鏡をかけるとさらに視力が落ちる」「眼鏡を頻繁に掛け外しすると視力が落ちる」という話も聞かれるが、実際はそのようなことはないという。
初めての視力矯正は、コンタクトレンズの場合、自己管理ができる中学生や高校生になってから使うと安心とのこと。眼鏡を初めて作る時は、初めに眼科を受診することをすすめている。眼科で発行された処方箋を持って、眼鏡店へ出向き、店頭でフィッティングを行って眼鏡を選ぶ。
子どもは大人に比べて視力が変わりやすいため、定期的(小学校高学年までは1カ月に1回程度、高学年以上は3カ月に1回程度)に視力測定をすることをすすめている。特に9歳未満の子どもは、眼鏡の取り扱いに不慣れなため、フレームに歪みが発生しやすくなる。視力変化の有無に関わらず、眼科や眼鏡店で見え方や掛かり具合をチェックすることも大事だという。
眼鏡を購入する店舗選びのポイントとしては、「保証内容やアフターサービスが充実している」「通いやすい場所にある」の2つを挙げている。フレームの素材としては、柔らかさと軽さが特長の特殊な樹脂「TR90」や、「ベータチタン」「形状記憶合金」がおすすめとのこと。毎日使うものなので、「ずれにくい」「掛け心地が良い」などの機能面から選ぶとよいという。