今回不動産メディア「幸せおうち計画」を運営するAZWAYは、「実家が空き家になった場合の対応」についてアンケートを実施した。
高齢化が進んでいる現在、それと並行するように空き家問題も注目を集めている。中には「実家の将来が心配」と考えている人もいるのではないだろうか?
今回の調査は2023年4月7日〜18日の期間、10代から60代以上までの男女を対象にインターネットによる任意回答にて実施。有効回答数は、500人(女性 296人/男性 204人)。回答者の年齢は、10代0.8%、20代13.8%、30代32.2%、40代33%、50代17%、60代以上3.2%だった。
10代から60代以上までの男女500人に「両親が亡くなった際、実家をどうするか決めるのは誰か」と聞いたところ、1位が「兄弟(姉妹)(263人)」、2位が「自分(193人)」、3位が「親戚や身内(19人)」という結果となり、両親が亡くなった場合、子どもたちで実家のことを決めようと考えている人が大多数であることが判明した。
一方実家について決める人として「両親の兄弟(姉妹)」や「親戚や身内」を挙げた人もいたが、全体の約6%という結果に。テレビドラマで観るような親族まで登場する遺産相続は、あまり見られないことがわかる。
続いて「空き家問題を身近に感じているか」について聞いたところ、「はい」と答えた人は500人中232人、「いいえ」と答えた人は268人という結果に。半数近くの人が、空き家問題を身近に感じていることがわかった。
また年齢が上がるほど、空き家問題を身近に感じている人の割合は多くなっており、40代以上になると半数以上の人が「空き家問題」を現実的な問題として考えていることが明らかとなった。
<実家の今後についての不安>
・築年数はまだ15年位で、親が他界した後に誰が住むのか住まないのか揉め事が起きそうで心配です。(60代以上男性)
・相続税がいくらかかるかと、売却できるかが不安です。(50代女性)
・古い家屋なので、空き家になったら倒壊する可能性があるのが不安です。(30代女性)
実家の今後について不安を持っている人からは「相続の際に揉め事が起きるのではないか」や「土地を処分できるか心配」「古い建物のため、倒壊の恐れがある」などの意見が挙がっている。
また地域の中で細かい取り決めのある土地に実家がある例もあるなど、空き家問題は思っているよりも単純ではなく、さまざまな問題を孕んでいると言える。
最後に「両親が亡くなって実家が空き家になった場合の対応」について尋ねたところ、1位は「わからない(141人)」、2位「売却(139人)」、3位「兄弟(姉妹)や親戚が住む(137人)」という結果になった。
1位から3位までは僅差となっており、何も考えていない人や自分で管理するつもりはない人が多いことがわかる。
また政府や自治体に「空き家対策」を考えてほしいという意見も多く、今後高齢化が進み空き家が増えた場合、個人では手に負えない状況が生まれることも予想される。
<政府や自治体にしてほしい対策>
・私の近所にも空き家がありますが、ごみの不法投棄や雑草が酷いです。このような棄空き家問題に対して、政府や自治体が今以上に厳しくするようにして保安上危険な状態にならないようにしてほしいですね。(50代男性)
・きちんと補助金を出して空き家を放置させないようにする。自治体の判断で壊せるようにする。(40代男性)
・空き家の固定資産税を上げる様なイジメ的政策より、空き家になった場合の支援策を考えて欲しい。例えばシルバー人材を使った格安な掃除や草取りの人材派遣や、定期的な見回りの強化など。(50代男性)
政府や自治体に対策をして欲しいという意見の中には「より厳しい措置をとってほしい」という意見がある一方で、「厳しい政策よりもサポートを充実させてほしい」という意見もあった。他にも「助成金」や「現行の税制に対する改善要請」など様々な意見が出されており、より空き家を処分・管理しやすいようなサポートを求めている人が多いことが明らかとなった。
■まとめ
調査の結果、両親が亡くなった際、実家をどうするか決めるのは「兄弟(姉妹)」が最多で、自分を含めた子どもたちで対応するという意見が9割以上を占めていた。相続問題は、子どもの間で決められることが多いことがわかる。
また空き家問題を身近に感じている人は「46%」で、半数近くが実家に対して将来的な不安を抱えていることも明らかに。年齢が上がるにつれ、切実な問題として感じている人が増えてくるのも特徴だ。
さらに両親が亡くなった後、実家を「どうしたら良いかわからない」人は約3割おり、政府や自治体によるサポートが欲しいという意見が多く見られた。空き家問題に絡んだ現行の税制に対する不満の声も聞かれており、今後どのように政府や自治体が対応していくのかにも注目したい。