日本で人気のコードレススティッククリーナーのひとつに、シャークニンジャ(以下、シャーク)の「Shark EVOPOWER SYSTEM」シリーズがあります。そんなシャークが6月16日から新シリーズの「Shark CleanSense iQ(シャーク クリーンセンス アイキュー)」を発売します。

新シリーズの特徴は掃除性能の高さと、センサー機能による使い勝手。自動ゴミ収集ドックを付属する「Shark CleanSense iQ+」と、標準的な充電ドッグ付属の「Shark CleanSense iQ」の2モデルがあります。価格はオープンですが、推定市場価格は自動ゴミ収集ドッグ付属タイプが89,650円、標準タイプが74,800円前後です。気になる新シリーズの使い勝手をメディア向けの体験会で試してきました。

  • 新シリーズのラインナップは全4モデル。左から、自動ゴミ収集ドッグ付属「Shark CleanSense iQ+」のライトチタニウム(IW3241JSL)、メタルブラック(IW3241JBK)。標準充電ドッグが付属する「Shark CleanSense iQ」のホワイトアルミニウム(IW2241JWH)、ミッドナイトグレー(IW2241JGY)

  • ゴミ収集ドックを付属する「Shark CleanSense iQ+」。白い壁紙が多い日本にあわせて、ドックはすべて白色で統一されています

「掃除力」を高めたパワフルなシリーズ

シャークを代表するコードレス掃除機「Shark EVOPOWER SYSTEM」シリーズは、床用の掃除機とは思えないスリムでストレートな本体デザインでした。一方、新製品のShark CleanSense iQ(以下、CleanSense)は、本体部が少し大きく、ハンドルが飛び出ています。一般的なコードレス掃除機に近い形状になったという印象です。

重さはスティック時で約2.2kg。現在は2kg以下のコードレス掃除機が多いため、軽量タイプとはいえません。ですが、実際に手にすると本体のバランスが良いためか意外なほど軽く感じます。

  • CleanSenseを手にするマイナビニュース +Digitalの林編集長。スティック時の本体サイズは全モデル共通で幅260×奥行き316×高さ1,068mm

CleanSenseの大きな特徴は、複数のセンサーを駆使した高い掃除力です。本体には「iQセンサー」「フロアセンサー」「エッジセンサー」「ライトセンサー」という4つのセンサーを搭載し、掃除する場所にあわせたパワーでしっかりと掃除しつつ、ムダなバッテリー消費を抑えます。

(1)まずiQセンサーは、「EVOPOWER SYSTEM iQ」シリーズから搭載しいるゴミ検知センサーです。ゴミの量は手元とヘッドのインジケーターの色で表示。ゴミが少ない場合は緑、一定以上のゴミを検知すると黄色、ゴミの量が多い場合は赤い表示となって、ゴミの量が多いと判断すると吸引力をパワーアップします。

  • 掃除するときに目に入りやすい位置にあるインジケーター。同じ面に電源ボタンとモード切り替えボタンを配置しています

【動画】Shark CleanSense iQのゴミ検知センサー。ゴミを検知するとゴミの量にあわせてLEDの色が変化します。緑色になったらキレイに掃除ができた印です
(大きな音が流れます。ご注意ください)

(2)フロアセンサーは、ヘッド内のブラシ抵抗を見て床材を判断するセンサーです。カーペットやラグを掃除するときは、自動的にブラシ回転数をアップ。毛足の長い床材でも、毛の間のゴミまでしっかりと掃除するとしています。

体験会では、実際にカーペットでの掃除力もチェック。カーペットに綿(パンヤ)をこすりつけ、さらに足で何度も踏みつけたものが、CleanSenseのヘッドが一度通過しただけでキレイに掃除できていました。一般的に、ブラシ内蔵ヘッドタイプの掃除機はヘッドを「引く」ときのほうがゴミを吸いやすい傾向にありますが、CleanSenseはヘッドを押して掃除してもゴミをしっかり吸っていることがわかります。

【動画】Shark CleanSense iQのフロアセンサー。フローリングからカーペットに移動すると音が甲高くなり、ブラシ回転数が上がります(フローリングに戻ると音が低く戻ります)(大きな声が流れます。ご注意ください)

  • カーペットの繊維汚れが(写真上)、ヘッド1回の往復でここまでキレイになりました(写真下)

(3)エッジセンサーは、ヘッド左右に配置されたセンサーのこと。ヘッドが一定以上壁に近寄ると吸引力を最大パワーにして、壁ぎわのゴミをしっかり吸引します。CleanSenseはヘッド前面にライトを一列配置していますが、エッジセンサーで壁を検知すると、壁側のライト半分のみを点灯して壁の検知を知らせてくれます。

  • ヘッド両脇に配置されたエッジセンサー。壁を検知すると吸引力を高めて、壁のすき間に入り込んだゴミまでしっかり掃除します

【動画】Shark CleanSense iQのエッジセンサー。壁を検知するとライトの壁側(左半分)のみ点灯し、吸引力が最大に。壁ギリギリのゴミまでしっかり掃除できました(大きな音が流れます。ご注意ください)

(4)最後のライトセンサーは明るさ検知機能。CleanSenseの動作時は常にヘッド前面のライトが点灯しますが、暗い場所を検知するとライトがより明るくなります。

【動画】Shark CleanSense iQのライトセンサー。ソファの下を掃除してみると、暗い場所を検知してヘッド前方のライトが明るくなりました(大きな音が流れます。ご注意ください)

自動ゴミ収集ドッグも使いやすく進化!

CleanSense iQ+は自動ゴミ収集ドックを付属しています。自動ゴミ収集ドックは、現行モデルのEVOPOWER SYSTEM iQから存在しますが、CleanSenseでは使いやすく進化しています。

まず、ドック形状が縦長になって、設置面積が小さくなりました。ドック上部にはハンドルを配置し、壁ギリギリに設置してもドックからダストカップを外しやすく、ゴミ捨てがしやすい仕様になっています。ダストカップは紙パック式ではなく、底面が開いてゴミを捨てる操作です。

  • 幅26cmとスリムになったCleanSenseの自動ゴミ収集ドック

  • ダストカップ上部にハンドルがあるので、壁ぎわに設置しても取り外しやすく

  • ダストカップ横のボタンを押すと、底部のフタがオープン。手を汚さずにゴミを捨てられます

このほか、ゴミ捨て時期の目安を知らせてくれる「ゴミ捨てインジケーター」も搭載しました。1カ月ごとに、定期的にドックのランプが点灯するシンプルな機能です。自動ゴミ収集ドックのダストカップには約1カ月分のゴミを溜められますが、「1カ月」という期間はついついゴミ捨てを忘れてしまいがちな長さ。筆者のようなズボラな人間にとっては、とくにありがたい機能になりそうです。

  • ドック上部にあるコップのようなアイコンが「ゴミ捨てインジケーター」。1カ月たつとオレンジ色に点灯するそうです。横の三日月マークはお休みボタン。このボタンを有効にしている間は、自動ゴミ収集を一時停止。たとえば、夜に大きな音を出したくない場合など便利です

  • ドック横には、付属アクセサリーをまとめて置いておくことも。アクセサリーはブラシ付き隙間用ノズルのほか、ペットマルチノズル、布団ノズル、ミニモーターヘッドの4種

ヘッド内のブラシはEVOPOWER SYSTEMシリーズと同じ柔らかなソフトローラーと、シリコンブレードのパワーフィンを組み合わせた構成。ただし、従来モデルと比べて毛の密度が高くなり、ブレードの形状も改良しているそうです。

  • ブラシは手で簡単に取り外し可能。取り外したバーツは水で丸洗いもできます

スティック時のバッテリー駆動時間は、iQモードで約7~32分、エコモードで約32分、ブーストモードで約7分。付属するバッテリーは1個のみですが、簡単に着脱可能なので今後は別売りでバッテリーのみ購入できるようになるかもしれません。

  • 簡単に着脱できるバッテリー。従来モデルよりもサイズが大きくなりました

今回は体験会での短い時間でしたが、印象的だったのはCleanSenseの賢さ。複数のセンサーがうまく働き、電源を入れたらあとはおまかせ。ユーザーは汚れが気になる場所へとヘッドを持っていくだけで、適切な吸引力とブラシ回転でゴミを吸い取ってくれます。

なお、現行のEVOPOWER SYSTEMシリーズは、今後もCleanSenseと並行して販売する予定です。両者を実際に使ってみたところ「ハンディクリーナーとしても利用したい」「ほかにはないスリムなデザイン」を求めるならEVOPOWER SYSTEMシリーズ、掃除性能を最重視するならCleanSenseがオススメです。

  • 会場には、シャークが日本でリリースしてきた歴代コードレス掃除機(一部)も展示。一番右のEVOPOWER SYSTEM iQシリーズは今後も継続販売の予定となっています