シンクロ・フードは6月5日、飲食店ドットコムが実施した「Z世代」と呼ばれる若い世代(1996年〜2012年生まれ)の従業員との関わり方についてのアンケート調査の結果を発表した。調査は4月27日〜5月9日、飲食店経営者・運営者360人を対象に行われたもの。
まず、Z世代の従業員の在籍状況を尋ねたところ、「在籍している」が53.3%、「現在は在籍していないが、過去に在籍していた」が22.8%となり、合わせて76.1%の店舗でZ世代が働いていたという結果となった。
続いて、Z世代の従業員の在籍歴があると回答した人に、シフト制の勤務形態をとるZ世代の従業員においてどのような働き方を望んでいる人が多いか尋ねてみた。すると、「学業やプライベートを優先させた働き方がいい」が50.7%で最多となり、次いで「週1〜2日程度の勤務」が37.2%、「週3〜4日程度の勤務」が25.9%で続いた。
また、Z世代の従業員がいることをきっかけに、自店舗の既存の慣習やシステムを変えた経験の有無については、「ある」の回答は24.1%にとどまった。
具体的に何を変えたのか聞いてみると、主に「従業員との連絡や情報共有にチャットツールを導入」「従業員の希望に沿ったシフト組みを実施」「成果に対する評価や昇給の判断基準を明確化」といった内容が挙がった。
Z世代の従業員との間に世代間ギャップを感じた経験があるか尋ねたところ、81.1%が「ある」と回答した。具体的には、「仕事よりプライベートを優先する」「缶切りや栓抜きなどの使い方を知らない」「電話での受け答えが苦手」「仕事に対する責任感が弱い」といった声が寄せられている。
Z世代の従業員とコミュニケーションを取る際に気を付けていることについては、「フラットな立場でフレンドリーに接する」が40.5%で最多となった。次いで「仕事へのモチベーションを下げないように配慮する」が35.8%、「仕事へのモチベーションを上げるように働きかける」が34.3%で続いた。
Z世代の従業員にこそ任せたいと思う(もしくは任せている)タスクについて尋ねると、最多は「特別、任せたいタスクはない」で49.7%となった。一方で、Z世代の活躍に期待を寄せている店舗も多く、「任せたいタスクがあり、すでに任せている」は21.9%、「任せたいタスクがあるが、まだ任せられていない」は28.3%となっており、約半数が任せたいタスクがあると考えている事も分かった。
どのようなタスクを任せたいのかについては、「SNS運用によるプロモーションや集客」(60.8%)、「接客・配膳・会計・片づけなどのホール業務」(40.3%)、「店頭店内のメニューボード・POP作成」(38.7%)、「新メニューのアイデア出し・開発」(32.0%)の順に多数となっている。
そのタスクをZ世代に任せたい理由を聞いてみると、ほとんどのタスクにおいて「Z世代ならではの新鮮な発想、価値観を活かしてほしいから」の回答が目立った。「調理」や「予約受付・問い合わせ対応」「人材採用・育成」については、「今の文化や流行に関する知識を生かしてほしいから」の理由が多い傾向となっている。
最後に、自店舗における現状の課題や悩みについて尋ねたところ、「若い世代の人材不足が深刻」「Z世代の従業員を含む定着率の低下」「Z世代の育成に苦慮している」といった内容が挙げられた。