JR東日本は6日、上野駅、秋葉原駅、新宿駅に大規模なサイネージと一体となった駅型ショールーミングスペースを設置し、駅を「イマーシブなメディア空間」として活用すると発表した。2023年冬から順次開業する。
「イマーシブなメディア空間」では、大規模なサイネージが提供する映像と連動したさまざまなコンテンツを体験でき、駅ならではの没入できる空間を提供。リアルな空間において、デジタルと融合した新たな発見・体験・交流の場を創出し、多様なコミュニケーションを促進することで駅の価値を増幅させていく。ビーコンなどのセンサーも設置し、情報発信やコンテンツの効果測定を行うことにより、さらなる魅力向上につなげるという。
上野駅広小路口駅前広場のショールーミングスペースは2023年冬に開業予定。1932年に落成した2代目上野駅舎のファサードはそのままに、立体感のある映像放映も可能な大型曲面サイネージ(約50平方メートル)とイベントスペースを整備する。さまざまな映像技術など活用し、体験型メディアを楽しむ一体的な駅前広場に生まれ変わる。大型曲面サイネージで放映される立体的(3D)コンテンツと連動し、イベントスペースで参加型のイベント・催事を展開し、オブジェを設置するなど、各種技術と企画の連動が展開される。
同じく上野駅の13番線「PLATFORM 13」は2024年春に開業予定。列車が発着する上野駅特有のホーム形状はそのままに、高架下の重厚で細長い空間を生かし、プロジェクター等による映像表現のできる約100mの壁面を整備。JR東日本が推進する「Yamanote Line Museum」の一環で、鉄道駅を発信拠点とするアートプラットフォームとして活用していく。
長さのある壁面を利用して映像等を表示でき、地域の祭りや巻物のような動きのあるコンテンツをはじめ、数多くの作品をコレクション形式で網羅的に掲出するなどの催しが可能になる。
秋葉原駅では、中央改札外に駅型ショールーミングスペースを2024年春に開業予定。大型サイネージと商業空間が一体となり、改札正面上部の大型サイネージと連動した商品の購入・新しいサービスの体験が可能なスペースを整備する。商品の世界観をより深く体験でき、新たな発見につながるショールーミングスペースになるという。
新宿駅の南コンコースでも、3つの特徴的なサイネージ整備と駅空間の改装を2024年春に実施予定。イマーシブなメディア空間へと再構築し、地域・沿線の旬な魅力発信にも取り組み、駅での新たな体験価値の創出とともに観光などの移動需要を喚起する。
3つの特徴あるサイネージによる躍動感のあるコンテンツ放映、それぞれのサイネージと各種イベント・キャンペーン等が連動した展開を行うことにより、空間全体でダイナミックな情報発信が可能になるとのこと。