米Appleは6月5日(米国時間)、開発者カンファレンス「WWDC23」でmacOSの次期メジャーバージョン「macOS Sonoma」を発表した。情報へのアクセスや生産性を高めるようにウイジェット、ビデオ会議機能、Safariなどを強化。Macをゲームに最適化させる「ゲームモード」が用意される。
Sonomaでは、iPhoneのウイジェット環境をMacでも利用できるようになり、通知センターだけではなく、デスクトップにもウイジェットを配置して天気やToDoといった情報を素早く確認できる。またウイジェットがインタラクティブになり、リマインダーにチェックを入れたり、メディアの再生、スマートホームデバイスのコントロールなど様々なタスクをウイジェットで行える。
デスクトップに配置したウイジェットがアプリケーションを使った作業の邪魔にならないように、ユーザーがアプリケーションを使用してる時にはウイジェットが半透明でデスクトップに溶け込む表示になる。
ビデオ会議において、プレゼンターを切り抜いてプレゼンテーションの前に配置して存在感を高める「プレゼンターオーバーレイ」や、風船や紙吹雪、ハートといったリアクションを伝えるエフェクトを自然に追加できるようになる。これらのビデオエフェクトはFaceTimeだけではなく、ZoomやMicrosoft Teams、Webexなど様々なアプリで利用できる。
Safariは、プロフィールを作成し、クッキー、履歴、拡張機能、タブグループ、お気に入りなどをプロフィールごとに管理できるようになる。例えば、仕事用プロフィールと個人用プロフィールを作成し、同じサイトに別々のアカウントでサインインしてプロフィールですばやくアカウントを切り替えられる。
またWebアプリをDockに登録できる。登録したWebアプリには、Safariを開くことなくDockから直接アクセスでき、SpotlightやMission Control、ステージマネージャーなどでネイティブ・アプリと同じように利用することが可能。
また、Macを使用していない時にプライベートブラウズウインドウをロックしたり、URLトラッカーの削除など、プライベートブラウズがさらに強化される。
ゲームモードは、なめらかで一貫したフレームレートでゲームが表示されるようにCPUとGPUを最適化。Bluetoothのサンプリングレートを2倍にすることで、AirPodsやワイヤレスゲームコントローラの遅延を低減させ、対応するMacのゲームをより没入感のあるものにする。
また、画面共有アプリに新しいプロ向けのハイパフォーマンスモードが導入される。Apple Siliconのメディアエンジンを活用し、スタジオ内とリモートが混在するワークフローにおいて、遅延が少なくフレームレートの高い安定したリモートアクセスを可能にする。リファレンスカラーに対応し、従来は専用のハードウェアと特殊なソフトウェアが必要だったカラーワークフローのリモート作業を可能にする。
macOS Sonomaは5日に、デベロッパ向けベータ版の提供が始まった。7月にパブリックベータ・プログラムを開始し、秋の正式版リリースを予定している。対応するMacは以下の通り。
- MacBook Air(2018以降)
- MacBook Pro(2018以降)
- iMac(2019以降)
- iMac Pro(2017)
- Mac mini(2018以降)
- Mac Studio(2022以降)
- Mac Pro(2019以降)