人生を左右するイベントのときには、できるだけ縁起の良い日を選びたいものです。縁起が良いとされる吉日の一つに「天恩日(てんおんにち)」があります。
本記事では天恩日の詳しい意味や由来、やるといいこと/やってはいけないことを紹介。2023年度の天恩日カレンダーや、天赦日などその他の吉日、六曜の仏滅や赤口が重なる際はどうすればいいかもまとめました。
天恩日の意味とは
天恩日(てんおんにち)とは、暦注(れきちゅう)において吉日とされている日の一つです。
天恩日は字の通り「天の恩恵を全ての民が享受できる日」と伝えられています。そのため、万事に対して縁起が良いといわれる吉日です。反面、凶事は避けた方がいい日といわれています。
天恩日は干支(えと)が基準になっていつかが決まり、その日付は毎年異なります。
天恩日は5日間続くことが特徴で、他の吉日と重複しやすい吉日です。天恩日の中でも、他の吉日が重複する日は、慶事の日取りとして特に人気です。
天恩日の由来
天恩日は暦注に記された吉日です。
暦注とは、月や日、曜日などが記された「暦」に記載される、昔から受け継がれてきた注記のことです。暦注の中には、「大安」「仏滅」などの六曜をはじめとして、現代のカレンダーにも記載されているものもあります。
天恩日は「暦注下段(れきちゅうげだん)」、つまり暦の下段に記載された暦注の中にある吉日であり、これは「六曜」とは別の暦占いです。
天恩日におすすめなこと
天恩日は特に慶事に好まれる吉日です。慶事の代表例として、結婚式や入籍が挙げられます。その他にも、人生の転機になるような大きなイベントを行う日として適した吉日だと言えるでしょう。
以下に、天恩日に行うといいとされるイベントを紹介します。
お祝い事(結婚式、入籍など)
天恩日に行うといいことの代表例が慶事、つまりお祝い事です。
例えば結婚式や入籍をするには最適の日と言えるでしょう。結婚は二人だけでなく、お互いの家族にとっても新しいスタートとなるイベントです。縁起が良いとされる天恩日を選べば、周囲の人にもより祝福してもらえるでしょう。
そのほか天恩日に行うといいとされるお祝い事としては、「出産祝い」「お宮参り」「七五三」などが挙げられます。
人生における大切な節目の祝い事の際は、天恩日を意識するといいでしょう。
不動産購入や引っ越し
天恩日は不動産の購入にも吉とされています。大きな金額の買い物なので、日数は限られますが天恩日に合わせることで、気持ち良く契約できるでしょう。
引っ越しも天恩日に行うといいとされるイベントの一つです。大規模な引っ越しの場合は数日掛かる場合もありますが、天恩日は5日間連続する吉日なので、その点でも安心です。
また天恩日は任官に向いた吉日でもあります。そのため、転勤や転職が理由の引っ越しならば、さらに相性が良いと言えるでしょう。
事業の立ち上げ・開業
天恩日は何かを新しく始めたり、心機一転したりする際にも良い吉日です。そのため、新しく事業を立ち上げるときや、起業、開業するときには天恩日を意識するといいでしょう。
事業立ち上げや起業は、期待や希望に満ちていることであると同時に、これからに対する不安を伴うことでもあります。「天の恩恵を全ての民が享受できる日」である天恩日を選べば、不安な気持ちも減るでしょう。
財布を買ったり使い始めたりするのは?
天恩日はあらゆることに吉であるため、財布を新調するにもうってつけな日と言えるでしょう。天恩日に金運にまつわる神社を参拝すると金運がアップするともいわれているので、新しい財布を持ってお参りするのもおすすめです。
ただし金運の観点においては、天恩日よりも寅の日(とらのひ)や巳の日(みのひ)の方がさらに吉とされています。そのため天恩日に財布を新しくしたい場合は、寅の日や巳の日が重なる日を意識するといいでしょう。天恩日は5日間連続するため、他の吉日と重複したタイミングを狙いやすいと言えます。
天恩日にやってはいけないこと
天恩日は凶事を避けなくてはならない日です。凶事とは縁起の悪い出来事を指し、具体的には葬儀や病気、けがなどを指します。
ただし、これらは突発的に起こることのため、天恩日を意識して回避することは不可能です。
また天恩日は一日限りの吉日ではないため、葬儀や入院などを、翌日に日程変更するのも困難でしょう。もしも天恩日と重なってしまっても、「単なる占いだから」と割り切ることも大切です。
2023年度(2023年4月~2024年3月)の天恩日カレンダー
ここでは、2023年度の天恩日がいつかを紹介します。
天恩日は一度やって来ると5日間連続します。また毎月1回以上あるため、重要なイベントのときは欠かさずチェックしましょう。
・4月…21、22、23、24、25日
・5月…6、7、8、9、10、21、22、23、24、25日
・6月…20、21、22、23、24日
・7月…5、6、7、8、9、20、21、22、23、24日
・8月…19、20、21、22、23日
・9月…3、4、5、6、7、18、19、20、21、22日
・10月…18、19、20、21、22日
・11月…2、3、4、5、6、17、18、19、20、21日
・12月…17、18、19、20、21日
・1月…1、2、3、4、5、16、17、18、19、20日
・2月…15、16、17、18、19日
・3月…1、2、3、4、5、16、17、18、19、20日
七箇の善日(ななこのぜんにち)とは
暦注下段の中には、7つの吉日が定められています。これらの吉日を総じて「七箇の善日(ななこのぜんにち)」といいます。天恩日はこのうちの一つです。
七箇の善日には、天恩日のほかに「天赦日」「大明日」「母倉日」「神吉日」「月徳日」「鬼宿日」があります。
以下では天恩日以外の七箇の善日について、それぞれどのような吉日なのか、読み方と併せて解説します。
天赦日
天赦日(てんしゃにち、てんしゃび)は暦注下段における最上の吉日とされています。
天赦日には、天が万物の罪をお赦し(おゆるし)になる日という意味があります。あらゆることに良い日とされ、天恩日と並んで、特に結婚式や入籍の日取りに好まれる吉日です。
年に5~6日程度しかないため、非常に貴重な日と言えます。したがって、天赦日に慶事を行いたい場合は、早い段階からの準備が望ましいでしょう。
大明日
大明日(だいみょうにち)は、天地の隅々まで日が照るという吉日です。
この日は天地が開通し、全てに太陽の恵みが与えられるとされています。あらゆる吉事、善事に向いている日ですが、特に建築や移転、旅行など、移動を伴うイベントに好ましい日といわれています。
母倉日
母倉日(ぼそうにち)は、母が子を育てるように、天が人を慈しむことを意味します。あらゆることに吉とされる日ですが、特に婚姻関係は大吉です。入籍や結婚式には母倉日を選んでもいいでしょう。
母倉日は月に4~5日程度巡ってくるため、他の吉日と重なる日を見つけやすい日です。
神吉日
神吉日(かみよしにち、かみよしび)は、神事に関わることに好ましいとされる吉日です。神社の参拝や祭礼など、神事に関連したイベントは神吉日に合わせるといいでしょう。
また神事のほかにも、祖先を祀ることにも向いているとされています。したがって、お墓参りなどにも適した日です。
月徳日
月徳日(つきとくにち/がっとくにち)は、特に造作、土に関する行いにいいとされる吉日です。
建築や家の増改築などは、月徳日に合わせてみるといいでしょう。リフォーム工事も好ましいとされています。
なお月徳日は、造作や土に関する行為が特に吉ではありますが、何事においても吉とされる日です。建築関連でないイベントを行う場合も、縁起が良いと言えるでしょう。
鬼宿日
鬼宿日(きしゅくび)は、鬼が宿にこもって出てこないとされる日です。鬼に悪さをされず邪魔が入らないため、吉日といわれています。
鬼宿日は何をするにも良いとされる日ですが、例外があり、結婚に関することは凶とされています。これは「嫁入り」が「鬼のいる宿(家)に入る」と解釈されるためです。したがって、結婚式や入籍などの結婚に関するイベントは鬼宿日を避け、他の日を選ぶようにするといいでしょう。
天恩日と仏滅や赤口が重なるときはどうする?
仏滅と赤口は六曜における凶日であり、特に赤口は祝い事を行うには大凶とされています。
それでは、天恩日がこの仏滅や赤口に重なる場合には、どうすればいいのでしょうか。これには複数の考え方があります。
まず、凶の力で吉の力が相殺されたり弱まったりするとの考えから、お祝い事を避けるべきという考え方です。
一方、吉の力で凶を打ち消すという考えにより、この日にお祝い事を行う場合もあります。
どちらを信じるかはその人次第ですが、結婚式などの日程については自分だけで勝手に決めるのではなく、相手や家族と相談し、みんなが納得できる日を選ぶことが大切です。
天恩日という吉日を生活にうまく取り入れよう
天恩日は慶事に好まれる吉日ですが、それだけではなく万事において吉とされる日です。「天に私の行いを応援してもらえる」と意識することは、一日を前向きに始める助けとなることでしょう。
日々の生活に天恩日の考えを取り入れて、より実りのあるものにしたいですね。