タイププロジェクトは6月5日、同社としては初のゴシック体フォント「TPゴシック」を発表し、同日よりサブスクサービス「TPコネクト」にて提供開始した。TPコネクトは年額30,000円。
TPゴシックは、縦組みでも横組みでも使用できるゴシック体のOpenTypeフォント。TP明朝の仮名に近い線質をもちながらもモダンに寄りすぎず、はつらつとした明るい表情をもつとする。
簡素なアウトラインで筆画を表現し、さまざまな解像度で安定した表示結果を得られ「デジタル環境に最適な書体ファミリー」というテーマをゴシック体のカテゴリーで実現したとする。
ニュートラルな印象だが、起筆部のセリフやストロークの抑揚、ハライのえぐり効果で力強さも備え、フトコロを絞り気味に設計した漢字は端正で落ち着いた印象。仮名は全体的に小ぶりで、縦で組んだときの文字の流れを重視するとともに、横組みでの筆勢と安定した字並びを両立させるための検証を行ったという。
「TPゴシック」の文字セットは9,499字(StdN)で、ウエイトファミリーは、UL(ウルトラライト)、EL(エクストラライト)、L(ライト)、R(レギュラー)、M(ミディアム)、B(ボールド)の6ウエイトを用意。動作環境はmacOS、Windows 10(日本語版)。
タイププロジェクトの代表取締役 鈴木功氏は、次のように述べている。
「ゴシック体はサンセリフ体と同類のカテゴリーで扱われる場合もありますが、区別したほうが正確といえると思っています。TPゴシックは、以前から新しさと品質をかねそなえた和文ゴシックがほしいという声を耳にしていたこともあり、ゴシック体カテゴリーのまんなかを射ぬくデザインでその要望に応えようと考えました。オーソドックスな書体設計を採用し、高い品質をめざしたわけですが、その結果、当初われわれが想定していた以上に使い勝手のよい書体ができあがりました」
なお、サブスクサービスの「TPコネクト」では、AXIS Fontファミリー、TP明朝、TPゴシック、TPスカイファミリー、SST JP、TP国立公園明朝、都市フォントおよび四季フォントシリーズのすべての書体ファミリーを年間定額で利用できる。