俳優の小野花梨と風間俊介が、テレビ東京の新ドラマ24枠『初恋、ざらり』(7月7日スタート 毎週金曜24:12〜)でW主演を務めることが2日、明らかになった。
同作はざくざくろ氏による同名コミックの実写化作。軽度知的障害と自閉症を持つ上戸有紗は、 「必要とされると、拒めない...」 と、求めてきた男性につい体を許してしまう。自分に自信が持てない有紗は、新たなバイト先で出会った先輩の岡村さんが気になり始め、不安定な2人の行き先から目を離せなくなる、恋の物語を描く。
地上波の連ドラ初主演となる小野が演じる主人公の上戸有紗は、軽度知的障害と自閉症を持ち、身の回りのことをうまくこなせない、立体的に物を見ることができず体をぶつけてしまう、暗黙の了解が分からないなどのハンディを抱えている。障害を隠して働くが、人間関係が上手くいかず、仕事でのミスも多いためすぐクビになってしまう日々。そんな自分に強い劣等感を抱える有紗は、知り合った男性たちから体の関係を求められるたびに応じることで、なんとか自分の価値を確かめようとしていた。“普通”に憧れ、“普通”になれない苦しさに自分自身の価値を見失いかけていた有紗だったが、新しいアルバイト先の先輩である岡村龍二との出会いをきっかけに、恋に落ち、彼の優しさに触れることで少しずつ心境が変化していく。
そして風間が演じる、有紗のアルバイト先の先輩である岡村は、有紗との出会いをきっかけに、軽度知的障害である恋人を受け入れていく中で生じる葛藤や、むしろ“普通であること”を求められ、それに応じてきた自身の劣等感に向き合っていくことになる。当たり前のようで当たり前ではない世間の“普通”の基準、劣等感や優越感といった複雑に絡み合う人間の感情を丁寧にすくい上げ、役に立ちたいのに世間から隔絶されてしまう苦しみと葛藤する主人公の恋愛模様を綺麗ごとではないリアルな視点から描いていく。
小野花梨 コメント
・本作の出演オファーを受けた時の感想と原作または台本を読んでみての感想をお聞かせください。
原作を読んでこれはただ不器用な女の子が必死に生き、恋をする物語なんだと思い、有紗という一生懸命で愛らしい女の子を演じることのできる喜びを感じました。
・連続ドラマ初主演となりますが、撮影にあたっての意気込みをお聞かせください。
初主演ではありますが、信頼できるプロデューサーと監督、スタッフ陣、そして風間俊介さんという心強い味方がいてくれる最高の環境を与えていただき、気負うことなく臨むことが出来ています。やろうやろうと力をいれるのではなく、有紗として生き抜くという覚悟だけを持って最後まで走り抜きます!
・最後に放送を楽しみにしています視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。
生きている中でなぜだかずっと劣等感があって、誰かに恋をしても良いことばかりじゃなくて、勝手に傷ついたり傷つけてしまったり、相手を愛してるのか結局自分が可愛いだけなのか自問自答したり。それでも毎日を必死に生きている。軽度の知的障害がある有紗だからの感情ではなく、みんなが抱えてるざらっとしたモヤモヤをそっと肯定してくれるような作品です。 是非ご覧ください。
風間俊介 コメント
・本作の出演オファーを受けた時の感想と原作または台本を読んでみての感想をお聞かせください。
初めてお話をいただいた時、まず『初恋、ざらり』というタイトルに惹かれました。 原作を読んだ時に、初恋の初々しさと温かみ、そして触れ合うたびにヤスリで削り合うようなゆっくりと、でも確実に存在する痛みが作品にありました。
この魅力的な『初恋、ざらり』が台本にもしっかりと息づいており、後は、11年前に映画『鈴木先生』で共演してから尊敬している、小野花梨さんと共に、有紗と龍二として物語に飛び込むだけだと感じています。
・撮影にあたっての意気込みをお聞かせください。
原作を愛している方々にも、ドラマで作品に初めて触れる方にも、愛してもらえる有紗と龍二にしたいと思っています。
・最後に放送を楽しみにしています視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。
『普通』とは何か、『幸せ』とは何か、沢山の想いが詰まった作品になると思います。 有紗が龍二を思い、龍二が有紗を思うように、皆様に思って頂ける作品にしたい。 そして、そんな作品にしようと決意していますので、どうか愛していただけたら幸いです。
ざくざくろ コメント
Twitterで連載したものが、単行本になり、そしてドラマになり。
凄すぎて現実味がいまだに湧いてないです。今も本当にドラマになるのか疑っているので、主演のお二人が演じているのを早くみたいです!
北川俊樹プロデューサー(テレビ東京 制作局ドラマ室) コメント
ざくざくろ先生の『初恋、ざらり』を読んで最初に抱いたのは、何とも言えない切なさでした。 知的障害を抱えた有紗が抱く感情も、彼女と向き合うことで内面を抉られる岡村も、二人の特別感がありながら、そこここで覚える共感が、懐かしさや愛おしさを伴って胸に刺さりました。でも、それこそ恋だなと。初恋だよなと、思いました。決して簡単なテーマではない、でも胸に迫るラブストーリーを、坪田さんの脚本を道標に、小野さん、風間さん、そして池田監督たちと共に、真摯に向き合い、丁寧に紡いでいきたいと思います。ご期待くださいませ。
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