フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)では、自分に関するすべての記憶失った男性を追った『私は何者なのか… ~すべての記憶を失った男~』を、4日に放送する。

  • 横浜駅を歩く西六男さん=フジテレビ提供

2019年12月、横浜市西区役所に1人の男性が保護された。「自分に関する、すべての記憶がない」と言う男性。もちろん、自らの名前も分からない。

彼は冬の夜、横浜駅前の冷たい石畳の上で目を覚ました。持ち物は、ポケットの底から出てきた31円と、小さなカバン、汚れたタオルのみ。なぜここにいるのか、自分の年齢や名前に至るまで、すべての記憶がなくなっていた。鏡に映った自分の姿を見ても、そこには、見覚えのない男がいる……混乱のまま、当てもなく横浜を歩き回り12日目、食事もろくに取れずに衰弱していたところを、見回りのボランティアに発見された。

名前が分からないままでは生活支援も受けられず、仮の名前が付けられた。保護された場所、横浜市西区から、名字は「西」。同姓同名の住民がいないことを順番に確認し、付けられた名前は「六男」。この日から彼は「西六男」としての人生を始めることになった。

医師による診断は、「解離性健忘症」。心に受けた大きなショックから自らを守るため、それにまつわる記憶を全て忘れてしまうという症状だ。過去の自分をすべて消したくなるほどのショックとは何だったのか。自分に家族はいるのか。探してくれている人はいるのか。そして自分は一体、何者なのか…。“本当の自分”取り戻すための日々が始まった。

すべての記憶を失ってしまった男性の“自分探しの旅”の行方は…。女優・松本穂香のナレーションで追っていく。

  • 目覚めた場所に座る西さん=同

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