今回は「お構いなく」の意味やビジネスでの使い方、敬語表現などを紹介します。何気なく使用する「お構いなく」ですが、ビジネスシーンで上司など目上の人に使用しても問題ないのでしょうか。
類語や言い換え表現も紹介しているので、シーンに合わせて使い分けましょう。
「お構いなく」の意味とは
「お構いなく」は相手に意思を表示する言葉です。「気にしなくて大丈夫です」のように、「私に構わなくて結構ですよ」と自分の気持ちを遠回しに示す際に使用します。
ビジネスシーンで「お構いなく」は失礼?
「お構いなく」は、「構いなく」に尊敬を表す接頭語の「お」がついているので敬語表現ではありますが、目上の人に使うにはカジュアルすぎる印象もあるので、ビジネスシーンでは「お気遣いなく」に言い換えた方が無難です。
相手が親しい方のときは、「お構いなく」を使用しても問題ありませんが、ビジネスシーンでは「失礼だ」と感じる人もいるので避けましょう。
「お構いなく」よりも丁寧な敬語表現
前の項で紹介したように、「お構いなく」は相手に失礼な印象を与える可能性があるので、ビジネスシーンや目上の人には「お気遣いなく」の使用がより丁寧です。
さらに丁寧な表現にしたい場合は、「お気遣いなさらぬよう、お願いいたします」と言い換えると良いでしょう。
「お構いなく」の使い方・例文
前述したように、「お構いなく」は親しい人と口語での使用をおすすめします。ビジネスシーンのようなあらたまった場面では、使用を避けることが無難です。
ここからは、どのように使用するのかを、例文と共に詳しく解説します。
こちらでお待ちしておりますので、どうぞお構いなく
自宅を訪問し、自宅内へ招かれた際に「お構いなく」を使用した例文です。
- 「どうぞ中へお入りください」
「こちらでお待ちしておりますので、どうぞお構いなく」
相手の気遣いを受け入れつつ自宅内には入らない、と自分の意思表示をした使用例です。
申し訳ないのですが次の予定がありますので、どうぞもうお構いなく
取引先を訪問すると、飲み物などを出してもらう機会がありますよね。これはそのような気遣いを断る際の例文です。
- 「お茶とコーヒーどちらになさいますか」
「申し訳ないのですが次の予定がありますので、どうぞもうお構いなく」
相手の親切心をただ否定したいわけではない、という気持ちが伝わります。また次の予定があるという理由も、相手の心遣いをやんわりと断る材料です。
私にお構いなく、先にお召し上がりください
人と外で食事をするとき、料理が席に届く順番が注文したメニューによって異なるときがあります。そのようなときに、相手を気遣わせないための一言です。
「お構いなく」の類語・言い換え表現
ここでは、「お気遣いなく」以外の「お構いなく」の類語や言い換え表現を紹介します。
使いたい場面に合わせた表現を選んで、お使いください。
お気になさらず
「お気になさらず」は「心配しなくて結構です」の意味を持ちます。
「気にする」行動の主体を相手にして、敬意を表す言葉です。例えば、取引先や自宅を訪問して茶菓子を用意された際などに使えます。
結構です
「結構です」は「お構いなく」や他の類語に比べると、強い否定の意味を持ちます。
「結構」の持つ意味は、「それ以上必要としない」です。つまり相手に「結構です」と伝えると、気遣いがこれ以上必要ではないと意思表示をしています。
使用する場面の例は、買い物の会計時です。レジで「レジ袋はいりますか? 」と聞かれた際、不要の意を伝えるために「結構です」といえます。
お気持ちだけいただきます
相手の気遣う気持ちを否定せずに受け入れながら、やんわり断る表現です。
相手の気遣う気持ちを否定しないためのやわらかい言葉です。角を立たせたくないときや、トラブルを避けたい場面で活用できます。
大丈夫です
「大丈夫」は日常的に使う言葉です。本来は「丈夫」や「まちがいがない」のような意味を持ちます。一方で、近年は不要の意を答える際にも使用されています。
相手の気遣いに「不要です」と自分の気持ちを示すときに、「大丈夫です」を使用すると良いでしょう。
よく使う言葉の一方で、本来「大丈夫」が持つ意味と異なる使用例です。誤用だと捉える人がいる可能性もあるので、ビジネスシーンでの使用は控えることが無難です。
「お構いなく」の意味・使い方を覚えておこう
「お構いなく」の意味と一緒に、使用例も紹介しました。敬語として正しい表現の一方で、相手やシーンによって他の表現がより適切なときもあります。
より丁寧な表現や類語もご紹介したため、状況に合わせて最も適切な表現を選んで、円滑なコミュニケーションを図りましょう。