オシャレなキッチン紹介に登場することが多いオーブンレンジのひとつが「BALMUDA The Range」。名前からわかるように、トースターで人気のバルミューダが手がける製品です。
BALMUDA The Rangeは2017年発売の製品ですが、2023年6月1日から2代目となる新モデルが発売となります。新名称も従来と変わらずも、さまざまな点が改良されています。新オーブンレンジはどこが進化したのか、バルミューダを訪れて実機をチェックしてきました。
「楽しい」オーブンレンジというコンセプトはそのまま
BALMUDA The Rangeのコンセプトは「楽しい」(そのままですね)。スタイリッシュな本体をライトアップするLEDを搭載するほか、操作音に軽快なギター音を採用したり、液晶画面にはゲームのような文字フォントを表示したりと、初代の発売当初から注目を集めました。この「楽しい」は、新モデルもしっかり継承しています。
新モデルの本体サイズは幅456×奥行き435×高さ331mm。旧モデルと比べて奥行きが2.5cm増えたものの、旧モデルとほぼ同じです。にもかかわらず、庫内容量は従来の18Lから20Lに大きく増えています。
さらに、従来は本体右面にあった通気口を本体上部へと変更。旧モデルは排熱のために、設置時は本体右面に10cm以上の距離が必要でした。新モデルは通気口の位置が変わったことによって、壁から離さずに設置できるようになっています。キッチンスペースを少しでも有効に使えるのはうれしい変更点です。
レンジもオーブンも、熱ムラが少なく
電子レンジの出力は100W、500W、600W、800W(800Wのみ最大3分)、オーブン温度は100~250℃です(220~250℃での運転時間は約3分間、その後は自動的に210℃に変更)。オーブンは発酵40℃モードも搭載するなど、基本的な機能は従来と同じ。
ただし内部構造は一新されています。たとえば、オーブン用のヒーター管×1本が庫内の天井にむき出しで配置されていました。新モデルではヒーターが2本に増えたうえ、天井部に内蔵。天井部に大きな凹凸がなくなり、格段に掃除しやすくなっています。しかも、ヒーター管を内蔵することで熱が効率的に拡散し、オーブン使用時の熱ムラも減ったそうです。
オーブンだけでなく、レンジ機能の熱ムラも減らしています。旧モデルは加熱の中心部が少し片寄っていたため、食材の一部をうまく温められないことがありました。そこで、新モデルは加熱の精度を高めて、庫内中心部を正確に加熱できるようになっています。
付属品も変更されました。旧モデルには、汚れがこびり付かないフッ素加工した角皿を同梱していましたが、新モデルは高級感のあるホーロー製角皿に。フッ素加工はていねいに使っても時間とともに剥(は)げることがありますが、ホーローなら長く使える点がメリットです。ただ、落としたり、調理後すぐの熱い状態で水洗いしたりすると、表面が割れて使えなくなる危険性があるので注意。角皿のサイズも、幅365×奥行き264×高さ42mmから幅362×奥行き286×高さ32.6mmと、少し浅めになりました。
5万円前後のオーブンレンジは「プレミアム」ではないものの、オーブンレンジとしては特に安くもないという価格帯です。この価格帯のオーブンレンジはオート機能や独自機能付きの製品が多く、複数のボタンやダイヤルを配置した複雑に見えるデザインという印象があります。
BALMUDA The Rangeは高級感あるデザインと、あえてシンプルな機能にまとめています。機能を絞ることで操作ボタンとダイヤルを減らし、見た目と迷いにくい操作性を両立しています。新モデルもこの基本コンセプトを受け継ぎつつ、設置性や掃除のしやすさを向上。さらに、かねて要望が多かったという熱ムラの軽減を図り、普段使いのオーブンレンジとして使い勝手を底上げしています。多機能なオーブンレンジは求めず、キッチンのトータルデザインに重きを置く人は注目してみてください。