ABEMAとテレビ朝日がタッグを組んだ「FIFA ワールドカップ カタール 2022」生中継が、第60回ギャラクシー賞(主催:放送批評懇談会)のフロンティア賞を受賞し31日、都内ホテルで行われた贈賞式に、ABEMAマーケティング本部長の野村智寿氏とテレビ朝日スポーツ局スポーツ2部プロデューサーの河本祐典氏が登壇した。
野村氏は「このような栄誉ある賞をいただき非常にうれしく思っています」と喜び、「全64試合無料生中継することが決まってから、前回大会のロシア大会の視聴率のデータを元にどのような状況になるかシミュレーションした結果、日本のインターネットの限界に行く可能性があるとわかっていて、64試合を落ちることなく高品質でお届けできるかというところが勝負ポイントでした」と回顧。「日本代表の大躍進があり、日に日に盛り上がりを見せることでABEMAの視聴者数も右肩上がりに増え、1秒単位で視聴者の状況をリアルタイムに見ながら安定した配信をお届けするというところで、その局面が一番しびれました」と振り返った。
解説を務めた本田圭佑やゲストの日向坂46・影山優佳らの出演も話題となったが、野村氏は「狙い通り以上の反響がありまして、ご出演いただいた皆様の魅力とパワーにあずかる形でこのような結果になったのかなと感謝しております」と語った。
河本氏は「過去のW杯は1試合で8試合しか中継制作したことがなかったので、今回ABEMAさんで64試合、テレビ朝日として地上波10試合、計74試合を制作するという、かつてない規模でした」とし、「番組に関わった皆さんの努力があって乗り越えることができたと思っています。加えて、長年にわたって先輩方が築いていただいたサッカー中継のノウハウを、今回私たちがバトンを引き継いで魂を込めて作らせていただいたので、20年の集大成をテレビ×インターネットの力を通して視聴者の皆様にお伝えできたと思っています」と手応えを口にした。
ギャラクシー賞は、日本の放送文化の質的な向上を願い、優秀番組・個人・団体を顕彰するために1963年に創設。フロンティア賞は、放送界の未来を切り拓く挑戦を果たした番組・仕組み等を顕彰する。