KDDIは5月31日、法人向け通信サービスのCO2排出量を可視化する取り組み「グリーンモバイル」を発表した。4月利用分からすでに運用を開始している。
グリーンモバイルは特定の料金プランなどの名称ではなく、法人のスマートフォン向け料金プランすべてが対象。国内の通信事業者としては初めて、通信サービスを提供するまでにかかったCO2排出量を実測値で開示する。申込や追加料金は不要。
企業のCO2排出量の考え方として、自社だけではなく事業活動に関連する流れ全体での排出量を評価する「サプライチェーン排出量」というものがある。サプライチェーン排出量は、自社設備の稼働などによる直接的な排出量を指す「Scope1」、電気などのエネルギー供給を他社から受けることによる間接排出を指す「Scope2」、そして物流・販売・廃棄なども含めたエネルギー以外のあらゆる間接排出を指す「Scope3」の3つに分けられる。多くの企業ではScope3の占める割合が大きい一方、それは他社の活動による排出量であるため実態を把握することが難しく、サプライチェーン全体を通したCO2排出量削減の取り組みをアピールする上でネックになっているという。
KDDIが提供する通信サービスも顧客企業の視点ではScope3に含まれることになる。グリーンモバイルの開始により、削減目標の設定や削減状況の把握、情報開示に貢献したいとしている。