ダイキン工業は5月30日、全国20歳~59歳の男女528名を対象に実施した「電気代値上げとエアコンの節電に関する意識調査」の結果を発表するとともに、「エアコンでできる上手な節電方法」も紹介した。
大手電力7社の電気代高騰を受けて「エアコンを使用することにためらいを感じている」人は75.2%、「エアコンの使用自体を控えようと思っている」人が61.7%もいることが明らかになった。
家計への負担に関し「6月からの電気代値上げにより、家計への負担が高まると感じていますか」と尋ねると、8割以上が「強く感じている」「やや感じている」と回答。電気代値上げが与える家計への影響は非常に大きいことがうかがえる。
「今回の電気代の値上げを踏まえ、ご家庭で『節電』に取り組みたいと思いますか?」と聞いたところ、「積極的に取り組みたい」が40.2%、「どちらかというと取り組みたい」が50.4%と、全体の約9割が節電への取り組み意欲を持っていた。
一方で、「あなたはこの夏、節電が上手にできると思いますか?」という節電に対する意識を尋ねると、半分以上の62.1%が「あまり上手にできないと思う」「上手にできないと思う」と回答した。
「節電をする上で、課題となるものは何ですか」という質問の1位は「節電よりも便利さや快適さを優先したい」。また、「節電の上手なやり方が分からない」や「節電の効果が分からない」という声も多く挙がった。
「あなたのご自宅にある家電製品のうち、この夏節電したいと思う家電は何ですか」と尋ねると「エアコン」が68.8%で最多となり、次いで「照明」(47.2%)、「テレビ」(29.9%)。「夏場にエアコンを使う際に、省エネ・節電のために、今年実施したい工夫は何ですか」という問いには、「設定温度を少し上げる(控えめにする)」や「定期的にエアコンのフィルターを掃除する」などを中心に、9割以上の人が省エネ・節電のための工夫をしたいと考えていることがわかった。
2番目に声の多かった「定期的にエアコンのフィルターを掃除する」について、フィルター掃除の実施の有無や頻度を尋ねると、「夏、冬等の季節ごとに一度、実施している」が最多であった。後述するが、ダイキンの推奨するフィルター掃除の頻度は2週間に1度。
エアコンを快適に使いつつ節電する方法を公開
ダイキンでは、電気代を節約しながらも快適に過ごせるよう、エアコンの電気代節約に関する情報をまとめたWEBコンテンツ「エアコンの電気代を節約する方法」を、5月30日に公開した。
同社は「節電しながら快適に過ごす上手なエアコンの使い方」として、エアコンの省エネ・節電のためにはフィルター掃除が非常に効果的な方法だとし、2週間に1回のフィルター掃除を推奨している。なお、フィルターを一年間掃除しないと、約25%の無駄な電気代の上昇につながる場合もあるとのこと。
室外機の吸込口や吹出口がふさがれるとエアコンの運転効率が下がり、消費電力が上がり電気代も上がるという。室外機にカバーをかけたり周辺に荷物を置いたりせず、室外機周辺の空気の流れを確保することを推奨している。
室外機周辺が高温になるとエアコンの運転効率が下がることがあるため、直射日光で室外機の周辺が高温になる場合は、日影が作れて風通しも良い「よしず」などを、室外機から1メートルほど離れたところに立て掛けることも効果的としている。
さらに、帰宅したらすぐにエアコンのスイッチを入れるのではなく、まず窓を開けて空気の入れ替えを行い、熱を外に逃がしてからエアコンをかけると無駄な電気を使わず、効率的に部屋を冷やすことができるという。
また、暖かい空気は上昇する性質があり、夏場の室内では天井付近と床付近の空気の温度に差が出る「温度ムラ」が起こりやすく、必要以上に運転してしまうことがあるため、エアコンの風向を水平にしたり扇風機やサーキュレーターなどを使って室内の空気を撹拌したりするなど、温度ムラを抑える工夫を勧めている。
電気代節約のためには、エアコンの風量は「自動」にしておくと効率的。風量が弱いと、室内が設定温度に到達するまでに時間がかかってしまう。さらに、30分程度の外出や定期的な窓開け換気時は、エアコンは「つけっぱなし」を推奨している。エアコンのスイッチをこまめにオンオフすると室温を大きく変化させ、その分エアコンに負荷がかかり消費電力も増加するためだ。