「デッドライン」という言葉を耳にすることはあっても、意味や使い方を知らない人も多いのではないでしょうか。 ビジネスシーンで使える「デッドライン」は、使い方によっては意味が異なって伝わるケースがあります。

本記事では、「デッドライン」の意味や例文、類義語・言い換え表現や英語表現について解説します。

「デッドライン」とは? 意味と語源

  • 「デッドライン」の意味とは

    デッドラインの意味についてご紹介します。

「deadline(デッドライン)」とは、「超えてはいけない最後の限界線」を指す言葉ですが、主に以下の3つの意味で使われます。

  • 締め切り
  • 限界線
  • 死線

それぞれ詳しく解説していきます。

デッドラインの意味1|締め切り

「デッドライン」の実用的な意味は、「期日の最終締め切り」です。原稿や提出書類など、納期の最終締め切りを表現する際に使います。

ただし、「デッドライン」はただの締め切りではなく「決して超えてはいけない締め切り」を意味する言葉です。「本当にギリギリの納期」である旨を伝える際に使うため、「余裕をもって伝えられている納期」とは意味合いが異なります。

主に出版業界や新聞社で使われる表現であり、締め切り日より締め切り時刻を指すケースが多く見られます。

デッドラインの意味2|限界線

「デッドライン」は、物理的に「超えてはいけないもの」を表現する際に使うケースがあります。

たとえば、貯水タンクにある「それ以上下回ってはいけない限界線」を伝えるラインです。水の貯蔵量が足りず、補給が必要になるラインのことを指します。

締め切りを表現する際と同様、限界ギリギリである状態で緊急性が高いと強調する場合に使用されます。

デッドラインの意味3|死線

生死の境を表現する際に、「デッドライン」を使用するケースがあります。 もともとデッドラインは、南北戦争中を機に生死の境である「死線」の意味で使われるようになった言葉であり、命に係わる危機的状況にも相応しい重みがあります。

とはいえ日常会話においてこの意味で使用することは稀であり、曲や小説のタイトルに使用されるに留まるでしょう。

デッドラインの語源

「デッドライン」の語源は、南北戦争中にあります。 戦争中、「線で囲んだ捕虜収容所の範囲を超えた捕虜は銃殺する」という制度が設けられたため、「死線(デッドライン)=囲った線を越えることは死を意味する」と呼ばれていたことが始まりです。

ビジネスシーンでの「デッドライン」の意味は?

ビジネスシーンで使用する「デッドライン」は、「絶対に超えてはいけない境界線」の意味から、締め切りを意味する言葉として使われています。

「デッドライン」の使い方・例文

  • 「デッドライン」の使い方・例文

    「デッドライン」の使い方・例文をご紹介します。

「デッドライン」を使った例文を、納期を伝える場合と物理的な限界線を伝える場合に分けてご紹介します。 言葉の意味合いをきちんと理解した上で使用しましょう。

締め切りを伝える場合

「デッドライン」は、通常の納期予定を超えそうな場面や、最終納期を確認する場面で使用します。

  • 「デッドラインっていつでしたっけ?」
    「デッドラインは明後日の正午までです」

締め切り日を意味することもあれば、具体的な締め切り時間を意味することもあります。 いずれも、決して守ってほしい期日だと伝えたいケースで使用する言葉です。

限界線を伝える場合

物理的な限界線を伝える場合の例文は以下の通りです。

  • 「貯水タンクがデッドラインを下回ってしまった」

貯水タンクの蓄えている量が、最低限保持しなければならないラインを下回っている際に使用します。余裕のある状態とは異なり、すぐに対処すべき危険な状態であると伝える表現です。

「デッドライン」の類語・言い換え表現

  • 「デッドライン」の類語

    「デッドライン」の類語についてご紹介します。

「デッドライン」の類語についてご紹介します。同様のニュアンスで伝えられる類語もあれば、シーンに応じて言葉を補足して使用する類語もあります。

締め切り

「デッドライン」の言い換えとして、最も一般的な表現に該当する言葉が「締め切り」です。受付時間や提出書類の提出日など、決められた範囲の終了期日を表す言葉です。

ただし、「締め切り」だけでは「デッドライン」の意味を伝えきれない可能性があります。「デッドライン」は、余裕のない「最終締め切り」を伝える際に使う言葉です。

【「デッドライン」を「締め切り」で言い換える例】

  • 新入社員に依頼した書類がまだ提出されていないが、最終締め切りは3日後だと知っているのだろうか

「デッドライン」を「締め切り」と表記するためには、最終の期日であることを付け加えると、正しいニュアンスで相手に伝えられます。

限界

「限界」とは、「それ以上は超えられない境目」を意味する言葉です。「デッドライン」の「超えてはならない線」と同様、限界値であるニュアンスを表現できます。

【「デッドライン」を「限度」で言い換える例】

  • 原稿を待てるのは明日までが限界だとお伝えしましたよね

「限界」の他にも、「期限」や「限度」でも通用します。

デッドエンド

「デッドエンド」とは、「行き詰まり」を意味する言葉です。「デッドライン」と同様、納期や締め切りの意味で使用されるケースがあります。

本当にここを超えてはならないという意味合いが強くなるため、シーンに応じて使い分けるようにしましょう。

その他にも、行き詰まっている状態を「デッドエンド」ということもあります。

【「デッドエンド」の使用例】

  • この原稿は来週金曜日の正午がデッドエンドだ

「デッドライン」の英語表現

  • 「デッドライン」の英語表現

    「デッドライン」の英語表現についてご紹介します。

「デッドライン」は、もともと英単語をカタカナ読みした言葉です。英語ではそのまま”deadline”と表記します。

【「deadline」の使用例】

  • Don't miss the deadline!
    (締め切りに遅れないで! )

「デッドライン」はただの締め切りと意味合いが異なる

  • 「デッドライン」はただの締め切りと意味合いが異なる

    「デッドライン」は最終締め切りであることを理解しましょう

「デッドライン」は、決して超えてはいけない限界線を意味します。もともとは、南北戦争中に「deadline(死線)」を意味する英語で使用された言葉です。

ビジネスシーンでは、最終締め切りの日時を表現する言葉として使われています。ただし、期日に余裕のある締め切りとは意味合いが異なるため、区別して使い分けるようにしましょう。