「今しばらくお待ちくださいませ」というフレーズはビジネスシーンでよく使用される言葉。しかし、何日を指すのか、シーンによって変わるのをご存知でしょうか。
今回は、「今しばらく」の意味やビジネスでの使い方、言い換え表現などを紹介します。
「今しばらく」の意味とは
「今しばらく」は、「もう少しの間」という意味があります。相手を待たせてしまうときに使用する丁寧な表現となるため、ビジネスシーンや接客などにおいて使用されます。
「今しばらく」は何日? ビジネスではどれくらいの期間を指す?
「今しばらくお待ちください」と言われたら、あなたはどの程度待つことを予想するでしょうか。「今しばらく」が意味する期間は、状況によって異なります。
ビジネスシーンにて使用する場合、メールであれば数日から1週間ほど、電話や対面の場合は数分ほどを指すことが一般的です。
これ以上待たせる可能性がある場合は「しばらくお時間いただいてしまいますが、よろしいでしょうか」と他の表現に言い換えたり、「〇日間(〇分間)ほどお時間をいただきます」と具体的な時間を伝えたりするとよいでしょう。
「今しばらく」の正しい使い方・例文
「今しばらく」は、ビジネスや接客のような改まった場面で、取引先や上司、お客様などの目上の人に使用することが一般的です。
ここからは、具体的な場面で使える例文をいくつかご紹介します。
担当の者がお席までご案内いたしますので、今しばらくお待ちください
イベントやライブなどで受付は始まっているものの、入場時間にはまだなっていない状況で使用できる例文です。結婚式の披露宴でも使えます。
この場合の「今しばらく」は、最大でも30分ほどを想定しています。開場時間がそれ以上先である場合は、時間を伝えて「もうしばらくお待ちください」と言葉を変えた方がよいでしょう。
商品が届き次第ご連絡いたしますので、今しばらくお待ちください
お客様が希望した商品が店頭になく、バックヤードや商品倉庫にもないため取り寄せるしかない状況で使用できる例文です。「今しばらく」と言うことで、「商品の到着時期は明確にできないが、それほど先ではない」ニュアンスを伝えることができます。
この場合の「今しばらく」は、数日から1週間を想定しています。それ以上かかる場合は、「〇週間ほどをお時間いただくかもしれません」などの言い方にしましょう。
「今しばらく」の類語・言い換え表現
ここからは、「今しばらく」の類語や言い換え表現をご紹介します。それぞれ微妙にニュアンスが異なるため、違いをしっかり理解して、適切な場面で使用できるようにしましょう。
もうしばらく
「もうしばらく」は「今しばらく」と使用するシーンはほぼ同じですが、すでにこちらから「待ってください」の意図を伝えた相手に、さらに待ってほしい状況で使用します。
一度「今しばらくお待ちください」と伝えた相手が待ちきれなくなった、あるいは想定していた時間が過ぎたにもかかわらず、相手の要望に応えられないなどの場合に「もうしばらくお待ちください」と使用します。
「申し訳ありませんが」などの言葉を添えて使用しましょう。
少々
「少々お待ちください」と「今しばらくお待ちください」では、一般的に「少々」の方が短い時間を意味すると捉えられます。
例えば、店内にて店員に「少々お待ちください」と言われると、長くても2~3分の間、その場で待機するシーンを想像するのではないでしょうか。
一方「今しばらくお待ちください」と言われるシーンでは、「こちらにおかけになって」や「店内をご覧になって」のような言葉が前につく傾向があります。これは「今しばらく」と口にした人が、その場でそのまま待たせるには時間がかかると感じているためです。
5分以上待たせてしまう場合は、「少々」は使用しないようにしましょう。
しばし
「しばし」は、現在行っている何かを中断して、一時的に他のことをする際に使用されます。「しばしの辛抱」「しばしのお別れ」といった使い方をします。
少しの間
「少しの間」は、「短い時間が経過するまでの期間」を指します。「少しの間お待ちください」と言われた際に想像する待ち時間は、「今しばらくお待ちください」より短く「少々お待ちください」と同等程度に捉える人が多いでしょう。
「今しばらく」の意味・使い方を覚えておこう
「今しばらく」について、理解は深まったでしょうか。時間の感覚は個人で大きく差が出る部分です。相手を待たせすぎてしまうことがないよう、シチュエーションをきちんと理解して、正しいニュアンスが伝わるように「今しばらく」を使用しましょう。