加賀百万石の歴史が息づく金沢は、京都や松江と並ぶ「日本三大菓子処」のひとつ。市内では、和洋を問わず、新旧の名物菓子が絶えずしのぎを削っています。
しかも、金沢市民は菓子類への消費額が日本一という、大のスイーツ好き。金沢からお菓子の名店が生まれるのも必然なのです。
今回は、金沢駅構内で買えるお土産菓子の中から、見た目も可愛いスイーツたちをピックアップ。金沢や石川県の伝統や、お菓子への美意識が感じられますよ。
まめや金澤萬久「金かすてら 野遊びうさぎ」
まめや金澤萬久の「金かすてら」は、累計130万本以上の販売実績を誇る人気商品。厳選した卵と小麦粉を使い、卵と黄身と白身を一緒に泡立てる「共立て」法で焼き上げることにより、しっとりとした重厚感のある、きめ細かい生地に仕上がっています。
熟練した職人の技で薄い金箔を1枚1枚丁寧に貼ったかすてらは見た目も豪華。まさに、金箔の街・金沢らしいお土産と言えるでしょう。
そんな「金かすてら」にさらなる遊び心を加えたのが、型抜きかすてら。持ち運ぶ際に少し金箔がはがれてしまいましたが、3羽の「野遊びうさぎ」の切り抜き加工が入った「金かすてら 野遊びうさぎ(期間限定)」は、型抜きをすると愛らしいうさぎが出現します。
かすてら生地は驚くほど繊細でふわふわ。型抜きをするときも、失敗しないかちょっとドキドキしてしまうほどです。
お味は、はちみつ香る、しっとりふわふわ生地のプレーン味。口に運ぶと、卵とバター、はちみつが織りなす濃厚な風味が後を引きます。甘さが強めなので、コーヒーや緑茶など苦みのある飲み物と一緒にいただくのがおすすめです。
型抜きかすてらは、季節によって異なるモチーフが登場するので、時季ごとの変化も楽しめます。
まめや金澤萬久「金かすてら 野遊びうさぎ」
購入店舗:金沢駅構内 金沢百番街あんと
公式サイト:まめや金澤萬久
古都美「古都の菓(ほろほろクッキーアソート)」
ころんとした可愛い形は金沢城の石垣、色は金沢の名所、味は石川の名産をモチーフにしたクッキー。形や色彩もさることながら、醤油や味噌などクッキーにはあまり使われることのない食材を含む、6つの石川の素材が味わえるのが特徴です。
お味は、口の中いっぱいに広がる酸味と塩味が印象的な「能登梅」、豊かなお茶の香りが後を引く「加賀棒茶」、鮮やかな色彩が目を引く「能登紫いも」、醤油の香ばしさが新鮮な「金沢大野 直源醤油」、味噌とは思えない上品な酸味と甘みに驚く「金沢大野 白味噌」、力強い小豆の風味が感じられる「能登大納言」の全6種。フリーズドライ加工した食材をクッキーにまぶしているので、ひとつひとつの食材の風味と色彩がしっかりと引き出されています。
口の中でほろりと崩れていくほろほろ食感もやみつきになりそう。クッキーを通して、石川の食材の魅力が再発見できるはずです。
古都美「古都の菓」
購入店舗:金沢駅構内 金沢百番街あんと
公式サイト:古都美
菓匠 高木屋「紙ふうせん」
遊び心あふれるサプライズが詰まっているのが、菓匠 高木屋の「紙ふうせん」。一見、淡いパステルカラーのまあるい最中なのですが、振ってみると「サラサラ」あるいは「カタカタ」という音が聞こえます。
その正体は、最中の中に入った小さな四角い錦玉(和風ゼリー)。パリッとした食感の軽~い最中と、砂糖をまぶした寒天ゼリーが合わさった、新感覚の和菓子です。
9個入りは緑、ピンク、白の3色で、錦玉のお味も白ワイン、ぶどう、レモンの3種類。それぞれの味の違いが際立っていて、砂糖のシャリシャリとした食感が幸せな気持ちにさせてくれます。
菓匠 高木屋は大正14年創業の老舗で、2代目が金沢菓子名工にも選ばれた名店。中でも「紙ふうせん」は、40年前から同じレシピで作られている人気商品です。見た目といい、食感の組み合わせといい、これまでに食べたことのない和菓子なのに、40年前からあるというのは意外に感じる人もいるかもしれません。
色とりどりの紙ふうせんが作れるようにと、「紙ふうせん」の箱の中には、5色の折り紙が入っています。折り方つきなので、折り紙が久しぶりの人も、子ども時代を思い出しながら折ってみてはいかがでしょうか。
菓匠 高木屋「紙ふうせん」
購入店舗:金沢駅構内 金沢百番街あんと
公式サイト:菓匠 高木屋
素材や味はもちろん、見た目の美しさにもこだわった金沢のスイーツたち。親しい人へのプレゼントにするのはもちろんのこと、自宅用に購入して、旅の余韻に浸るティータイムを過ごすのもいいですね。