「arrows」シリーズのスマートフォンで知られるFCNT株式会社(旧富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社)が民事再生法適用を申請したと、信用調査大手の帝国データバンク/東京商工リサーチが報じている。
帝国データバンクのTwitterおよび同社がYahoo!ニュースに配信した報道によれば、FCNT株式会社は同社の持ち株会社であるREINOWAホールディングス株式会社およびその子会社であるジャパン・イーエム・ソリューションズ株式会社とともに、5月30日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請したという。2022年3月期での負債総額は、FCNT株式会社が約733億6,000万円、ジャパン・イーエム・ソリューションズ株式会社が約367億9,000万円、REINOWAホールディングス株式会社が約329億5,600万円で、3社合計の単純合算では約1,431億600万円となるとしている。
『#arrows』ブランド展開の「FCNT」など3社(神奈川、兵庫)が民事再生、大手スマホメーカーでは初https://t.co/Y8NA4QPb21
— 帝国データバンク [公式] (@TDB_PR) May 30, 2023
記事を執筆している5月30日14時35分の時点で、FCNT株式会社のWebサイトにこの件に関してはなにも記載はない。
FCNT株式会社およびREINOWAホールディングス株式会社からも正式なアナウンスが出されている。
FCNT株式会社は2016年2月1日に、富士通の携帯電話事業を分社化した富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社として発足。この時点では富士通の100%子会社だったが、2018年に富士通が投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループに30%を残して株式を譲渡。同年にFCNTホールディングス株式会社が富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社を吸収合併のうえで、富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社への商号変更を行った。2021年に富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社が社名をFCNT株式会社に変更し、ポラリス・キャピタル・グループの100%子会社となって富士通グループとの資本関係を解消していた。
FCNT株式会社と同時に民事再生法の適用を申請したジャパン・イーエム・ソリューションズ株式会社は、2018年のポラリス・キャピタル・グループへの株式売却と同時に発足した、富士通周辺機株式会社の携帯端末事業を承継した会社で、携帯端末などの開発・製造を行っていた。REINOWAホールディングスはFCNT株式会社/ジャパン・イーエム・ソリューションズ株式会社を傘下におく持ち株会社。
5月30日15時15分追記
信用調査会社の東京商工リサーチも本件を報じた。東京商工リサーチは帝国データバンクが報じた3社の負債に加え、銀行借入金の保証債務328億1,400万円を含めた負債総額を2,087億3,300万円としている。