「こちらこそありがとうございます」は日本人であれば馴染みのあるフレーズですが、ビジネスシーンなどで目上の人にも使用できる敬語なのでしょうか。今回は、「こちらこそありがとうございます」の使い方や言い換えを紹介します。

「こちらこそありがとうございます」の意味とは

  • 「こちらこそありがとうございます」の意味とは

    「こちらこそありがとうございます」の意味をご説明します。

「こちらこそありがとうございます」を使う場面は、「相手からの感謝を受けて、自分からも相手に感謝を伝えようとするとき」です。

相手の言葉への「返答」を前提として使用する表現のため、自分から先に言うと不自然です。

「こちらこそありがとうございます」はビジネスシーンで目上に使える敬語?

「こちらこそありがとうございます」は親しい間柄でも使用頻度の高い表現です。

一方で、目上の人と話す際に使用しても問題ありません。その場合は言葉の前に「〇〇していただき」等の具体的な内容を付けることで、より丁寧な表現として使用できます。

「こちらこそありがとうございます」のビジネスでの正しい使い方・例文

  • 「こちらこそありがとうございます」のビジネスでの正しい使い方・例文

    「こちらこそありがとうございます」のビジネスでの正しい使い方・例文をご紹介します。

「こちらこそありがとうございます」はビジネスシーンにおいて多く使用される言葉です。こちらの感謝の度合いが、相手からの感謝と同じ、もしくはそれ以上に大きいことを表現できます。

ここでは、「こちらこそありがとうございます」を使った例文をいくつかご紹介します。覚えておくと、ビジネスの場で相手に感謝された際に役立つでしょう。

お招きいただき、こちらこそありがとうございます

相手「本日はお越しいただきありがとうございます」

自分「お招きいただき、こちらこそありがとうございます」

相手に招待されたときに使える表現です。相手のいる場所に到着し、初めに言葉を交わす場面で使うことが想定されます。目上の人の結婚式などでも使えるでしょう。

ご助力いただき、こちらこそありがとうございます

相手「この度は〇〇を企画してくださり、ありがとうございました」

自分「ご助力いただき、こちらこそありがとうございました」

相手から手助けをしてもらったときに使える表現です。「ご助力」の他にも「お力添え」「ご協力」などの言葉も使用できます。

お忙しい中ご足労いただき、こちらこそありがとうございます

相手「本日はお時間をいただきまして、誠にありがとうございます」

自分「お忙しい中ご足労いただき、こちらこそありがとうございます」

相手が自分のもとへ訪ねてきた場面で使える表現です。「ご足労」の代わりに「ご来訪」を使うこともできるでしょう。

「こちらこそありがとうございます」の類語・言い換え表現

  • 「こちらこそありがとうございます」の類語・言い換え表現

    「こちらこそありがとうございます」の類語・言い換え表現はどのようなものがあるでしょうか。

ここでは、「こちらこそありがとうございます」の類語や言い換えを紹介します。

「むしろ感謝しております」

相手「本日はご招待いただき、ありがとうございました」

自分「とんでもございません。お足元の悪い中、お越しいただいた○○さんにむしろ感謝しております」

「むしろ」には相手に感謝された内容に対する「どちらかといえば」「いっそ」という意味が含まれています。自分の方がより感謝していると強調できます。

「感謝すべきなのはこちらです」

相手「本日はお忙しいところご参加いただきありがとうございました」

自分「滅相もございません。感謝すべきなのはこちらです」

自分の方が感謝の言葉を伝えるべきだという気持ちを伝える直接的な表現です。「こちらです」の代わりに「私の方です」と言い換えることもできます。

「~の方」という表現は誤っているので失礼だともいわれますが、この場合は失礼にはあたりません。二つ以上の物事のうち一つを指す言葉になるため正しい表現です。

「こちらこそ〇〇様に感謝しております」

相手「本日はお忙しいところご参加いただきありがとうございました」

自分「とんでもございません。こちらこそ貴重な機会をいただきました○○様に感謝しております」

「こちらこそ」を使った言い換え表現です。自分が感謝している内容とさらに相手の名前を入れることでより具体的になり、感謝の気持ちが伝わります。

「こちらこそありがとうございます」の英語表現

  • 「こちらこそありがとうございます」の英語表現

    「こちらこそありがとうございます」の英語表現を覚えましょう。

ここでは「こちらこそありがとうございます」の英語表現をご紹介します。

感謝を表す「Thank you.」に対する返答としては「You're welcome.」がよく知られていますが、他にも使える表現がいくつかあります。

今回紹介するのは覚えやすく、短いフレーズばかりです。いざというときに出てくるように練習しておくと便利です。

My pleasure

「My pleasure」は「It's my pleasure.」を略した言葉です。「pleasure」は「喜び」を意味するため、直訳すると「それは私の喜びです」という意味です。「あなたの力になれて私も嬉しい」という気持ちが込められているので、日本語の「こちらこそ」に近いニュアンスです。

Not at all

「Not at all」は文法の用法では「まったく~ない」と完全否定の意味があります。 そこから転じて「お礼を言われることは何もありません」となり「とんでもございません」に近い謙遜の表現として使用できます。

謙遜の表現であるため、ビジネスシーンで使用できます。「My pleasure.」と合わせて覚えておくと、伝えたい気持ちに応じて使い分けられます。

Likewise

「Likewise」は「同じように」の意味を持つ言葉で、ここでは「Thank you, Likewise.」の略として、親しい間柄で使えるフレーズです。

ビジネス・日常で「こちらこそありがとうございます」を適切に活用しよう

  • ビジネス・日常で「こちらこそありがとうございます」を適切に活用しよう

    ビジネス・日常で「こちらこそありがとうございます」を適切に活用しよう

「こちらこそありがとうございます」は、ポイントを押さえて正しい伝え方をすることで、相手への感謝がより伝わる表現です。

相手や場面に応じた類語も多数あります。自分に合う言い換えを覚えておくことで、表現の幅が広がります。新しい表現を覚えて、明日からぜひ使ってみてください。