近年ではビジネスシーンにおける連絡手段もメールやチャットツールなどが主流となっています。しかし、重要な書類などは封筒を使って送付するケースもまだまだ少なくありません。
本記事では、封筒を使って書類などを発送する際によく用いられる、三つ折りのマナーについて解説します。A4の紙の三つ折り方法や封筒への入れ方・適した封筒サイズを確認していきましょう。履歴書は三つ折りにしていいのか、三つ折りは何枚まで送れるのかなどの疑問もまとめました。
封筒に入れる、A4サイズ書類の三つ折りの方法
書類や手紙などを封筒に入れて送る際に、そのまま入れることができない場合、折って入れることになります。しかし封筒に収まっていれば折り方は何でもいいというわけではなく、一定のルール、マナーがあります。
書類の用紙にもいくつかの種類がありますが、納品書や請求書などの書類で広く使われているのがA4サイズ(210mm×297mm)です。ビジネスシーンでは、このA4サイズの紙を三つ折りにし、長形3号の封筒に入れて使うのが一般的となっています。
折り方にもルールがあり、まずは下側の約1/3を上に向かって折ります。
※なお今回は説明をわかりやすくするために、用紙の右上の角に折り目を付けています。実際には折り目を付ける必要はありません。
そして上1/3を、下に向かって重ねるように折ってください。これで、三つ折りが完成です。
このように、三つ折りにすると書類の右上の角が、右下に来る形になります。
三つ折りにしたA4サイズ書類の、封筒への入れ方
書類を三つ折りにできたら封筒に入れていきますが、和封筒と洋封筒で入れ方が異なります。
和封筒(長形3号)への入れ方
三つ折りにした書類を長形3号の和封筒に入れる際は、まず書類を左に90度傾けて、縦長の向きにします。
そして封筒を裏返しにして、縦長の向きにした書類の右上の角(わかりやすいよう折り目を付けた部分)が封筒の右上に来るように封筒に入れます。
これで封をすれば、正しい向きで書類を入れられたことになります。
洋封筒(洋型長3号)への入れ方
A4サイズの紙を洋封筒に入れる場合は、洋型長3号を使うのが一般的です。
洋封筒の場合も三つ折りの方法は同じですが、封筒に入れる際の向きが異なります。
洋封筒の場合は、三つ折りにした書類を傾ける必要はありません。
封筒を表向きにして、封筒の右下に三つ折り書類の右上の角(わかりやすいよう折り目を付けた部分)が来るよう、そのまま入れます。
※こちらも書類の右上の角がわかりやすいように折り目を入れていますが、実際はここを折る必要はありません。
洋封筒の場合は二つ折りにする場合も
なお洋封筒を使用する場合は、二つ折りにすることもあります。二つ折りの場合、折り方はとても簡単で、書類の文面が内側に来るように折るだけです。
※ここでは説明をわかりやすくするために、用紙の右下の角に折り目を付けています。実際には折り目を付ける必要はありません。
封筒に入れる際には、折り目の部分が下に来るように入れます。また封筒を表にした時に、書類の右下の角(わかりやすいよう折り目を付けた部分)が封筒の右上に来るように差し込みましょう。
招待状などは、このように洋封筒に二つ折りで入れるというケースが多いです。
書類の三つ折りにまつわるQ&A
一般的なビジネスシーンでもよく使われている三つ折りですが、場合によっては失礼にあたるケースもあります。
ここでは、三つ折りがNGとなるケースや、それ以外の折り方をすべきシーン、三つ折りにまつわる疑問について、詳しくご紹介します。
履歴書は三つ折りにしていいの?
就職活動や転職活動などに欠かせないのが履歴書です。履歴書を事前に送付する場合、送料の問題もあり三つ折りにしたくなるところですが、基本的なマナーとしては二つ折りまでとされています。
一般的な履歴書はA3サイズのため、それを二つ折りして、A4サイズが収まる角形2号や角形A4号の封筒に入れるようにするのがいいでしょう。これから就職活動や転職活動を予定しているのであれば、このサイズの封筒を用意しておくようにしてください。
また履歴書はクリアファイルなどに挟んだ上で封筒に入れると、シワや余計な折り目などがつくのを防止でき、万が一封筒が濡れてしまった場合も保護できます。
採用担当者に好印象を与えるためにも、マナーに沿った折り方や入れ方を心掛けたいものです。
ただし、二つ折りがマナーなのは正社員の場合で、パートやアルバイト募集の場合は三つ折りでも問題ないとされています。また、派遣会社や人材紹介会社などに提出する場合も、三つ折りが許容されることが多いようです。
納品書や請求書などは三つ折りにしていい? 何枚まで送れる?
ビジネスシーンで送付することが多い納品書や請求書などは、社外に送ることが多いですよね。先方から指定が無い場合は、三つ折りにしても基本的に問題ありません。この場合も用紙のサイズはA4で、封筒は長形3号が一般的です。
ただし納品書や請求書などを折る際に、相手の名前や会社名、団体名などの部分に折り目をつけるのは失礼と捉えられることがあります。また、自社の押印部分にも折り目を付けないようにする必要があります。これらの点を考えた上で、納品書や請求書などのレイアウトを考えるようにしましょう。
また納品書や請求書が複数枚にわたる場合は、すべての紙を重ねたまま三つ折りにするのが一般的です。バラバラに、それぞれ三つ折りにしてしまうと、受け取った側の開封時の手間が増えてしまうため注意してください。
そして長形3号の封筒を84円切手で郵送することができるのは、一般的に4~5枚程度までです。ただし重ねて折るため、きれいさを考えると、三つ折りにする書類は3~4枚程度に収めたいものです。
外三つ折り(Z折り)とは?
三つ折りにする場合、基本的には表面、つまり印刷面が内側に来るように折ります。しかし、印刷面が外側に来るように折るケースもあります。
具体的には、透明フィルムの窓がついた封筒を使用する場合、印刷された相手先の住所などが見えるように折る必要があります。そのため、印刷面が外側になる外三つ折り(Z折り)を用いることがあります。
折り方は、まず書類の下側約1/3を、印刷面が内側になるように折ります。そして上側1/3は、印刷面が外側になるように折ります。横から見た時にアルファベットのZの形になるのが、「Z折り」とも呼ばれる理由です。
長形40号の封筒を使う場合は三つ折り? 四つ折り?
使用する封筒が長形40号の場合、A4用紙を三つ折りにしても入らないため、四つ折りにして入れます。
しかし、長形40号の封筒は一般的に便せんやお札などを入れる目的で使用されるものであり、ビジネスシーンで書類を送るために使用されることはあまりありません。
そのため特別な理由がない限り、無理に長形40号の封筒を使う必要はありません。ビジネスシーンにおいてA4書類を折って送る際は、三つ折りにして長形3号の封筒に入れるのが主流であることを、頭に入れておきましょう。
ビジネスシーンで封筒に入れる書類や手紙を、正しく三つ折りにしよう
今回は、封筒に書類などを入れる際の三つ折りの方法について、詳しくご紹介しました。
その他にも、ビジネスシーンで封筒を使用する際にはさまざまなルールやマナーがあります。これらをしっかり守らないと相手に失礼になる、または常識がない人という印象を与えてしまう可能性があるため、正しい方法を身に付けておきましょう。