NTTドコモ モバイル社会研究所は5月29日、AIサービスへの期待と不安に関する調査レポートを発表した。2月に実施した「2023年次世代ライフスタイル調査」のデータをもとにしている。

同研究所では2023年2月、全国の15~79歳男女に対するWeb調査を行い、6151件の有効回答を得た。今回発表されたレポートでは、最近注目されている「ChatGPT」や「Bard」のような、自然言語によるコミュニケーションができる対話型AIの話題にフォーカスした。

まず全体の傾向としては、2022年に行った前回の調査と比べ、不安よりも期待が大きいとする人(「期待が大きい」または「どちらかといえば期待が大きい」と回答)が約8%増え、51.5%に達し半数を超えた。

  • コミュニケーションAIへの期待と不安 2022年と2023年の比較

    コミュニケーションAIへの期待と不安 2022年と2023年の比較

回答者の職業別に抽出すると、学生は特に期待を寄せている人が多く、社会人では属性によって目立った差は見られない。反対に「不安」とした人の割合にもさほど大きな差はない。

  • コミュニケーションAIへの期待と不安 職業別の比較(n=6151)

    コミュニケーションAIへの期待と不安 職業別の比較(n=6151)

  • コミュニケーションAIへの期待と不安 2022年と2023年の比較(学生)

    コミュニケーションAIへの期待と不安 2022年と2023年の比較(学生)

年代別に見てもやはり、10代・20代は「期待が大きい」とした人が20%前後と比較的多く、30代以降では10%前後に留まっている。一方で、明確に「不安が大きい」とした回答はどの年代でも5~7%とあまり変わらず、意外にも年代別の不安感の差は少ないようにも見受けられる。

「どちらかといえば期待が大きい」または「どちらかといえば不安が大きい」と答えた中間層の割合はどの年代でも55%前後で大きなブレはなく、年代によっては3割近くが「わからない」と回答していることも含めて、大半の人は対話型AIの価値や影響を判断しかねている様子がうかがえる。

  • コミュニケーションAIへの期待と不安 年代別の比較(n=6151)

    コミュニケーションAIへの期待と不安 年代別の比較(n=6151)