ビザ・ワールドワイド・ジャパンは5月25日、日本におけるVisaのタッチ決済対応カードの発行枚数が、2023年3月末で1億枚を超えたことを発表した。
Visaのタッチ決済は、2013年5月に日本での発行を開始。発行開始10年目のタイミングで、1億枚を達成した。2019年6月末時点で 1,000万枚を超えて以降、3年9カ月で10倍になるなど、ここ最近大きく拡大している。
全国のキャッシュレスサービスを利用もしくは、利用意向がある人(20~59歳の男女 2,268名)を対象に、コロナ前後の意識の変化について、コロナ前に比べてどの程度あてはまるか尋ねたところ、「カード決済時のやり取りを避けたい」(71%)が、「手洗い・うがいの心がけ」(84%)、「3密を避ける」(73%)に次いで多かった。
Visaのタッチ決済の魅力を聞くと、「スピーディ」「おつり/サインの手間がないこと」に加え、「清潔さ」が上位に挙げられるなど、コロナ禍で求められた変化に適合した決済手段と考えられる。
実際の過去2年の取引件数を見ると、2021年3月末と2023年3月末の比較では、コンビニ、ドラッグストア、スーパーといった日常利用において、Visaのタッチ決済は大きな伸びを見せている。例えば、コンビニの場合、2年間で約10倍となり、2023年3月末時点で、約2件に1件はVisaのタッチ決済で行われている。ドラッグストア、スーパーについても、それぞれ約12倍、約5倍となっている。
また、利用している加盟店セグメントにおいても、2021年3月末時点では、日常利用(コンビニ、ドラッグストア、スーパー)がVisaのタッチ決済の全取引件数の86%を占めていたが、2023年3月末時点では、日常利用以外の加盟店セグメントが全体の31%を占めるなど、利用の幅が広がってきていることがわかる。Visa のタッチ決済の取引件数も、「ディスカウントストア」は約100倍、「家電量販店」が約38倍にまで増えている。
最近では、Visaのタッチ決済の公共交通機関での導入や発表も相次いだ。2021年3月末では、11道府県8プロジェクトであったものの、2023年4月末では、26都道府県42プロジェクトと、急速に拡大している。
全世界では、すでにVisaの対面取引の57%(2023年3月末)がタッチ決済で行われており、650以上の公共交通機関で導入済み。今後も2027年までに、タッチ決済対応カードは全世界で48%増加すると予想されている。
新型コロナウイルス感染症に関する水際対策が緩和された2022年10月以降は、インバウンド訪日旅行客数も増え、公共交通機関におけるVisaのタッチ決済の利用件数は、ここ半年で2.2倍に増加した。インバウンド訪日旅行客に行った調査では、88%が、タッチ決済の導入で公共交通機関の利便性が高まったと回答している。
また、公共交通機関でVisaのタッチ決済を利用した人は利用しなかった人と比べて、日本での月間平均利用額が高く、その差は、海外カード会員の場合は、約6割も高くなることがわかっている。