上司と良好な関係を築くためには、お礼などのコミュニケーションをしっかり取ることが大切です。しかし、お礼メールを書こうとしても、「いつ送ればいいのか」「悪印象を与えない書き方は?」などと考え始めるとなかなかメールが送れず、タイミングを逃してしまうこともありますよね。
この記事では、上司へのお礼メールを送る際のポイントと例文を紹介します。上司へのお礼メールの送り方を知り、適切なタイミングで上司にお礼を伝えられるようになりましょう。
上司へお礼メールを送るべきタイミング
上司へのお礼メールは、自分が上司に「感謝したい」と思ったときに送るものです。しかし、礼儀として上司にお礼メールを送るべきタイミングも存在します。
以下で紹介しますので、「どんなときにお礼メールを送るべきなのだろう」と迷ったときには参考にしてみてください。
助けてもらったとき
仕事の内容に対するアドバイスや書類の添削をしてもらったとき、面談をしてもらったときなど、「上司が自分を助けてくれたとき」にはお礼を伝えるとベスト。
自分に時間を取ってくれたことのお礼と、もらったアドバイスを今後の業務にどう活かしていくのかを盛り込んだメールを作成しましょう。
取引先同行
上司が取引先に同行してくれたときも、時間を取って自分の指導をしてくれたことへのお礼をいうべきタイミングです。もらったアドバイスに対する感謝だけでなく、取引先でのどのような上司の姿勢が参考になったかや、それを踏まえて自分が取引先とどのように付き合っていくつもりかを伝えられるメールにすると、今後の方針確認にもなります。
食事や懇親会の後
上司と食事にでかけたときや、懇親会などの後も上司にお礼を伝えましょう。特にごちそうしてもらったときや、上司がおすすめする店に連れて行ってもらったときなどはそのことについて感謝の言葉が必要です。
お店の料理や雰囲気についての感想、またその日の会話の内容などをメールに書き、印象的で楽しい時間を過ごせたことを伝えましょう。自分の今後の抱負・意気込みも絡めて伝えられるとよりよい心象を与えられるはずです。
プロジェクトなどが完了したとき
企画やプロジェクトなどが一段落したときも、お世話になった上司にお礼を伝えるよい機会です。
プロジェクト中に上司が活躍した出来事や上司のアドバイスによって自分が助かった場面など、印象的な出来事をメールに入れるとより感謝の気持ちが伝わります。自分がプロジェクトによってどう成長したのかを伝えられると、上司にとっても嬉しい報告となるでしょう。
お祝いをもらったとき
出産祝いや結婚祝いのお祝いやプレゼントなどをもらったときにも、上司にメールを送りましょう。特に出産祝いのときには直接上司に会うことが難しいことも多いため、まずメールでお礼をし、お返しの品を送付します。その後職場に顔を見せに行く際に改めてお礼をすると丁寧です。
異動・昇進のとき
上司あるいは自分が異動・昇進するときにも、これまで一緒に働き、自分を育ててくれたことへのお礼を伝えましょう。上司が異動する際には「上司の異動報告メールに対する返信」となるため問題ありませんが、自分が異動する場合はできれば口頭でお礼を伝えた方がよいとされている点にも注意が必要です。
上司の異動・昇進の場合は「異動先・昇進先での活躍を祈る言葉」、自分のときは「異動先での意気込み」や「上司の指導や推薦に対する感謝」を入れましょう。どちらも、一緒に働いたときに印象的だったエピソードを入れると自分らしさが伝わります。
上司へお礼メールを送る際の例文
上司にお礼メールを送りたいと思ったら、以下に紹介する例文を参考にしてみるとよいでしょう。
締めの文はこれを使おう
上司にお礼メールを送る場合は、以下のような締めを使いましょう。
- 今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
- 引き続き何卒よろしくお願いいたします。
- まずはメールにてお礼申し上げます。
助けてもらったとき
《アドバイスのお礼》
件名:企画についてのアドバイスのお礼
〇〇マネージャー
お疲れさまです、〇〇です。
ご多忙の中、昨日は私の企画書についてフィードバックをしていただき、ありがとうございました。お陰様で無事企画が採用され、プロジェクトの開始が決定しました。
「比較する数値データを入れることで説得力が増す」というお話、大変参考になりました。今後は企画書だけでなく、報告書や提案書にも活かしていきます。
今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
取引先同行
件名:取引先同行のお礼
〇〇課長 お疲れさまです。〇〇です。
本日は〇〇への営業にご同行いただき、誠にありがとうございます。
担当者の性格に合わせたアプローチ方法や提案の方法など、大変勉強になりました。今回ご指摘いただいた「自信がなさそうに見える点」や「会話の主導権を取られっぱなしになってしまう点」について、次回の訪問までに改善いたします。
今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
食事や懇親会の後
件名:会食のお礼
〇〇課長
お疲れさまです、〇〇です。
昨日は貴重なお時間を割いていただきありがとうございました。
お陰様で、おいしい料理と楽しい時間を過ごせました。
〇〇課長の仕事に対する熱意のお話がとても印象的でした。
私も少しのことでは挫けず、取引先にアプローチして参ります。
本来であれば直接お伺いしてお礼するべき所ですが、本日は休みをいただいているためまずはメールにてお礼申し上げます。
今後とも、何卒よろしくお願いいたします。
プロジェクトなどが完了したとき
件名:プロジェクト完了のお礼
〇〇部長
お疲れさまです、〇〇です。
部長にお力添えいただいた「〇〇プロジェクト」が無事終了いたしました。
部長のおかげで、チームメンバーの皆と綿密に連携しながらプロジェクトを完遂することができました。
取引先との温度差に戸惑っていた私にアドバイスをくれたことを、今でも思い出します。あのアドバイスのおかげで、取引先とも信頼関係を築きつつ協力しあえるようになりました。
今回のプロジェクトを成功させられたのは、〇〇部長のおかげです。本当にありがとうございました。
引き続き、何卒よろしくお願いいたします。
お祝いをもらったとき
件名:出産祝いのお礼
〇〇部長
お疲れさまです、〇〇です。
この度は出産に際し、結構なお品をいただきましてありがとうございました。
かわいらしく春にぴったりの服で、今から娘に着させる日が楽しみです。
子どもには△△(子どもの名前)と名付けました。
お陰様で母子ともに健康に過ごしております。
ささやかではありますが、後日心ばかりの品をお送りいたします。よろしければご笑納ください。
略儀ではありますが、まずはメールにて御礼申し上げます。
育休中は皆様にご迷惑をおかけしてしまい大変申し訳ありません。
また一緒に働ける日を楽しみにしています。
異動・昇進のとき
《上司が異動するとき》
〇〇部長
お疲れさまです、〇〇です。
〇〇へのご栄転、おめでとうございます。
これまで5年間、大変お世話になりました。
営業への姿勢や部下とのコミュニケーションのとり方など、仕事に悩んでいたときに相談に乗っていただいたことを覚えています。
お陰様で、チームで円滑に仕事を進めることができました。
〇〇部長がいなくなってしまうのは大変に寂しいですが、教えていただいたことを忘れずにこれらも精進していきます。
〇〇部長の新天地でのご活躍を心よりお祈りいたします。
お体に気をつけてお過ごしください。
《自分が昇進するとき》
件名:昇進のご報告
〇〇部長 お疲れさまです、〇〇です。
この度は、課長職への昇進のお話をいただき、誠にありがとうございます。
これもひとえに、ときに優しく、ときに厳しく私を指導してくださった〇〇部長のおかげです。心より感謝申し上げます。
これからもその期待に応えられるよう、会社に貢献できるよう努めて参ります。
引き続きご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。
上司へお礼メールを送る際に注意すること
忙しい上司にお礼メールを送るときには、「わかりやすい件名にする」「すぐにメールを送る」など押さえておきたいポイントがあります。上司にストレスや手間をかけさせず、スマートにお礼を伝えられるよう確認しておきましょう。
件名はわかりやすく
お礼メールの件名をわかりやすく書くことで、何についての感謝を伝えるメールなのかがメールを開封しなくてもわかるようにしましょう。「昨日のお礼」や「ありがとうございます」ではなく、「昨日の会食のお礼」などにすると、一見して用件がわかるため、いちいちメールを開封して内容を確認する手間が省けます。具体的な件名にすることで、見落としの可能性も減ります。
送信は1日以内に
お礼を伝えるのは、「何かをしてもらってすぐ」のタイミングがベスト。間が空いてからメールを送ると上司も「何だったっけ」となってしまいますし、「今頃いってくるなんて」とかえって心象を悪くしてしまいかねません。
基本的に、お礼はイベントがあった「その日中」に送るのがマナー。ただし、食事をごちそうになった場合などメールを送るのが就業時間後になってしまう場合は、次の日の午前中までに送ります。丁寧なお礼メールを送ることも大切ですが、スピード感を失わないようにしましょう。
何に対してのお礼なのかを簡潔に
感謝の気持ちが強いとお礼の言葉を長々と書いてしまいがちですが、あまり長いメールは何を伝えたいのかわかりづらくなってしまいます。長いメールは読むのにも、返信の作成にも長い時間がかかってしまうため、上司の負担にもなってしまいます。「何に対してのお礼なのか」と「感謝の気持ち」を簡潔に、かつ具体的に書くようにしましょう。
定型文にしない
お礼メールの例文などをそのままコピー&ペーストせず、状況に合わせて自分の言葉や具体的なエピソードを盛り込むようにしましょう。定型文のままお礼メールを送ってしまうと何に対しての感謝なのかが伝わりづらいだけでなく、「社交辞令としてとりあえず送ってきただけなのでは? 」と思われかねません。お礼の心を上司にしっかりと伝えるためにも、毎回お礼メールの内容は変えるようにしましょう。
「取り急ぎ」はつけない
「取り急ぎ」とは「十分ではありませんが急ぎで」という意味の言葉。目上の人に対するお礼メールにはふさわしい言葉ではありません。「急いでいることを理由に適当なメールを送っている」と思われてしまう恐れがあります。
お礼メールはたしかに急いで送らなければなりませんが、「取り急ぎ」は使わないようにしましょう。丁寧にお礼をしたい場合は「取り急ぎ」の代わりに「まずはお礼申し上げます」や「略儀ながらメールにてお礼申し上げます」を使い、後で上司に直接お礼の言葉を伝えましょう。
返信の返信はケースバイケース
上司へのお礼メールに対して返信が来た場合、基本的にそれに対しての返信をする必要はありません。メールのやり取りが何回も続くと、余計な手間を上司にかけさせてしまうことになります。上司からの確認事項や返信を要するような質問が含まれていない場合は、そこでやり取りをストップしてしまっても問題ありません。
もし気になるという場合は「お忙しいと思いますので、このメールへの返信には及びません」などの一文を添えて返信するとよいでしょう。
メールではなくチャットでもよい
社内の連絡でチャットを利用している場合は、メールではなくチャットで上司にお礼を送るのもおすすめ。メールだとメールボックスの表示を埋めてしまう上に、チャットよりも返信を書くのに手間と時間がかかってしまうからです。リアクションなどを活用すれば「返信の返信」に頭を悩ませる必要もありません。
チャットでお礼を送る場合も、文面の基本はメールと同じです。宛名や署名を省き、簡潔に感謝の気持ちだけを書くようにしましょう。
上司にお礼メールを送って感謝の気持ちを伝えよう
上司にお礼のメールを送る際は「すぐに」「要件を明確にして」送付することが大切です。形式的な内容にするのではなく、そのときの自分の気持ちなどを具体的に伝えることで本当に感謝していることを伝えられます。上司にお礼の気持ちをスマートに伝え、円滑に業務を進められるようにしましょう!