はい、App Storeには「表示されないけど入手できるアプリ」が存在します。ほとんどのiPhoneユーザにとって、検索してヒットしたアプリは支払いの有無を考えなければ区別なくダウンロードできるものですが、検索してもヒットしない、特定のユーザしか存在を知らないアプリも存在します。
2023年5月現在、App Storeには6種類のアプリ配信方法が存在します。そのうち2種類(TestFlight、AdHoc)はテスト目的であり、ADP(Apple Developer Program)のメンバーシップ費用がかからない、公開前の厳重な審査が行われないなど手続きは一線を画しており、ここでは考慮しません。エンタープライズAppという現在では新規申請困難な種類についても除外します。
App Storeの検索でヒットしたり、お勧めやランキングに表示されるアプリは「公開App」と呼ばれます。ADPに登録した開発者がApp Storeに申請し、厳重な審査を経たうえで一般ユーザに公開されます。アプリには一意のURLが割り当てられ、誰でも検索/ダウンロードできます。
特定範囲での使用が想定されるアプリは、開発者の意向により「非公開App(カスタムApp)」とされることがあります。社内限定で使いたい業務用アプリなど一般向けではない、広く配信するのにふさわしくないアプリは、申請時に非公開を選択することが可能です。特定ユーザへの配信に適していますが、ABM(Apple Business Manager)の契約を要するなど、特別な運用/管理が必要です。
もうひとつは「非表示App」です。申請・公開までの手順は基本的に公開Appと同じですが、配布方法は「URL直指定」限定となり、App Storeで検索してもヒットしなくなります。イベント参加者限定のアプリなど、特定ユーザに使わせたい、配布範囲設定に手間がかかるため非公開App化は避けたい、という場合に利用されます。ただし、App Storeの審査にくわえて申請が必要になるため、誰でも利用できるというわけではありません。