27日のテレビ朝日系ドキュメンタリー番組『テレメンタリー2023』(テレビ朝日4:50~、地域により放送時間が異なる)では、東日本放送制作の「戦地から被災地へ ―祈り続けた1年―」を放送する。

  • 『テレメンタリー2023』「戦地から被災地へ ―祈り続けた1年―」より=テレビ朝日提供

ウクライナ北部のチェルニーヒウ出身のホンチャロヴァ・イリナさん、63歳。ロシアのウクライナ侵攻を受け、去年4月、宮城県石巻市に住む長男を頼って87歳の母親と避難してきた。避難当初は、隣人を残して自分たちだけ避難してきたことに罪悪感を抱き、誰にも会いたくない日々が続いた。

異国の地で始まった長い避難生活。石巻市は、東日本大震災の経験を活かし、月に2度イリナさんの元を訪れ、地域の中で孤立せず自立できるよう支援を続けている。家族や周りの人に支えられ、徐々に笑顔を取り戻したイリナさん。日本語教室に通ったり、地元の祭りに参加したりするなど、日本での生活に馴染もうとしている。昨年9月には、震災遺構・門脇小学校で語り部のボランティアを始め、訪れた人に自身の体験や命の大切さを伝えている。

ウクライナで25年間教師を勤めていたイリナさんは、津波火災の被害を受けた教室を見て、戦争で破壊された故郷・ウクライナと重ね合わせる。震災と戦争、ともに多くの命が奪われたことに心を痛めるイリナさん。日本に避難して初めて迎えた3月11日をきっかけに、多くの命が失われても生き続ける強さを学んだ。石巻市の復興へと進む姿に、ウクライナの未来への希望が見えたと話す。「戦争が終わったら、私たちも同じように国を再建し、幸せに暮らせるようになることを願っています」。戦地から被災地へ。平和を祈り続けたイリナさんの1年を追った。