Indeed Japanは、「転勤に関する求人動向調査」と「転勤に対するイメージに関する調査」の結果を5月18日に発表した。「転勤に関する求人動向調査」は2018年1月1日~2023年4月30日の期間、「転勤なし」に言及している求人の割合を算出。一方、「転勤に対するイメージに関する調査」は3月24日〜4月5日の期間、20〜50代で現在の雇用形態が正社員または公務員の男女4,480名を対象にインターネットで実施した。

  • 職種別の「転勤なし」言及割合

職種別で「転勤なし」に言及する正社員求人の割合をみると、「アパレル」「スポーツ」「保健」「ドライバー」の4つが、25%以上を占める結果に。一方、言及する割合が低い下位職種は、「看護」「医療」「飲食」「保育」だった。これらはローカルな労働環境で元々転勤が少ないため、「転勤なし」を訴求する必要性や認識が相対的に薄いといえる。しかし、言及割合が年々増加していることから、人材獲得のために最近は訴求する傾向にあると、同調査は説明している。

  • 転勤に対するイメージ

正社員または公務員として勤務する人を対象に、「転勤についてのイメージ」を尋ねたところ、「どちらとも言えない」(55.9%)が最多で、良くも悪くも感じていない人が多い結果に。一方で、「良いイメージ」「やや良いイメージ」を合わせて18.2%、「悪いイメージ」「やや悪いイメージ」を合わせて25.9%との結果もあり、転勤に対するイメージは、肯定的に捉える層と否定的に捉える層が二分しているという。

  • 【年代別】転勤に対するイメージ

年代別でみると、転勤に対し良いイメージを持っている割合は「20代」(29.1%)が最も高く、次いで「30代」(18.2%)、「40代」(14.9%)、「50代」(12.5%)と続き、若い年代ほど高い傾向にある。

  • 直近の転勤前後、転勤経験者の転勤に対するイメージ

「転勤に対するイメージ」は、転勤経験の有無でも差が見られた。転勤経験のある人は転勤に対して良いイメージを持っており、中でも引っ越しを伴う転勤経験者ほど良いイメージを持っている割合が高く27.0%との結果に。また、引っ越しを伴う転勤の経験時期を見ると、2020年4月以降の転勤経験者は41.3%と、それ以前の経験者よりも良いイメージを持っている割合が高い傾向がみられた。

転勤経験者へ「転勤前と転勤後の転勤に対するイメージ」について尋ねたところ、転勤前の「良いイメージ」は 23.5%であるのに対し、転勤後は44.0% となり、20.6%増加していることが明らかに。また、「悪いイメージ」について転勤前は22.4%に対し、転勤後は17.0%となり、5.4%減少している。転勤を実際に経験すると、転勤に対する印象が好転する傾向にあるという。

  • 転勤経験者が転勤して良かったと感じたこと

転勤経験後、「転勤して良かったこと」の質問に対し、「通勤時間が減った」(21.2%)がトップで、次いで「新しい環境で気分転換できた」(20.3%)、「良い経験を積むことができた」(18.2%)と続いた。

  • 「リモート転勤」経験者の転勤に対するイメージ

  • 直近の転勤前後、「リモート転勤」経験者の転勤に対するイメージ

遠方へ転勤をした人のうち、18.6%が「リモートワークの活用により引っ越しをせずに転勤」をしていると回答。転勤に対するイメージをみると「リモート転勤」経験者の46.7%が、転勤に対して良いイメージを持っているとの結果に。また、転勤の前後における印象では、転勤前で43.5%、転勤後で55.4%と、どちらも良い印象を持っていることが判明した。

  • 正社員または公務員の企業の転勤に関する取り組みへの評価

「転勤に関する新たな制度を自社に取り入れる場合、どのように評価するか」と尋ねたところ、「同意のない転勤を撤廃する制度」の導入に対し、「良いと思う」「とても良いと思う」を合わせて61.0%が「良いと思う」と回答。また、「転居/引っ越しを伴う転勤のない人事制度」の導入に対しても、55.0%が「良いと思う」と回答し、転勤に関する取り組みを好意的に捉えていることがわかった。

  • 引越しを伴う転勤に対して求める絶対に必要な支援、あったら嬉しい支援

また、「引っ越しを伴う転勤に対して企業からどのような支援や福利厚生があると良いか」との質問に対し、トップの「引っ越し手当」(50.3%)に次いで、「転勤手当」(47.7%)と続いた。また、「あったら嬉しい支援」を尋ねると、1位「良い条件の住居」(19.1%)、2位「引っ越し手続き代行」(17.5%)、3位「転勤先を自分で選ぶ・希望を出すことができる」(16.9%)と続いた。