コロナ禍でおうち時間が増えたことにより、近年ではペットを迎え入れる人が増加。しかし、5月8日から、新型コロナウイルス感染症は「5類感染症」となり、オフィス勤務に戻る企業やテレワークの割合が減った企業も。愛犬家の皆さんは、オフィスに一緒に出勤できたら……と望む人も多いのではないだろうか。
海外ではペット同伴での出勤を推奨している企業も多いが、日本ではまだまだ少ない。そんな中、ペット同伴可能なシェアオフィス「EAT PLAY WORKS」では、『犬と過ごせる環境が、そこで働く人(飼い主以外も)にどのような影響を与えるのか』検証が行われた。
検証は、「EAT PLAY WORKS」運営会社のSALT FACTORY、法人向けメンタルヘルスケア事業「Mental-Fit」を運営するSEN、働きながらペットと暮らしやすい環境を作る福利厚生プラン提供やコンサルティング事業を展開するPETSPOTの3社合同で行われたもの。実際に筆者も体験させてもらったので、レポートしよう。
■「EAT PLAY WORKS」とは?
「EAT PLAY WORKS」は、「食べて」「遊んで」「仕事して」をコンセプトにデザインされた複合施設。1-2Fはレストランフロア、3-4Fはメンバーとそのゲストのみが利用できるメンバーズラウンジ、5-6Fは1名から賃貸可能な完全個室のオフィスフロアとなっている。
仕事はもちろん、読書をしたり、自分と向き合う時間を過ごしたり、自由で快適な空間を演出している。また、開放的なテラスでは定期的にイベントも行われているそう。
■犬と触れ合った前と後の変化は?
今回はドッグフレンドリーなシェアオフィス「EAT PLAY WORKS」で検証が行われたので、筆者も体験。まず、SENが展開する「Mental- Fit 疲労ストレス計機器」で「犬と触れ合う前」を測定した。自律神経の働きはやや元気、交感/副交感神経のバランスはやや緊張状態に。
測定後しばらく犬を触れ合い……30分後に再度測定へ。その結果、自律神経の働きは触れ合う前と変わらずだったが、交感/副交感神経のバランスはより緊張状態となった。
検証は、EAT PLAY WORKS 会員メンバー20名を対象に同様の流れで実施された。その結果、犬と触れ合った後、犬のいる環境で仕事をした後の自律神経のバランスが、交感神経寄りに移行する傾向が見られたという。仕事を始める前やランチ後の眠気などにより、副交感神経が有利に働いているときに、犬と触れ合うことで、交感神経の働きが高まり、脳が活性化、生産性の向上に繋がることが明らかに。
ペットと共存できる環境を整えていくことが、人間の身体的、精神的にポジティブな影響をもたらすという結果となった。
この調査結果をふまえ、「EAT PLAY WORKS」では、館内共有スペースにドッグフックの設置やPETSPOT社監修による「ペットマナーブック」の配布、ゲスト入館時の「ペットマナーチェックシート」導入といった3つのドッグフレンドリーな取り組みを実施。この取り組みは、PETSPOT社代表で、さまざまな企業内で「ペットと暮らしながら働きやすい環境作り」をサポートする、日本初の最高動物福祉責任者(CAO) 羽鳥友里恵氏によるドッグフレンドリー施策の監修のもと行われている。
ペットのアレルギーがある人や苦手な人もいるため、ペット同伴を可能にするには工夫が必要かもしれないが、多様な働き方の選択肢のひとつとして「ペット同伴出勤」が広がることに期待だ。