JR四国は22日、特急「しおかぜ」「いしづち」で運行している特急形電車8000系を今年度から順次リニューアルすると発表した。客席へのコンセント設置やトイレの洋式化を行うとともに、JR四国では初という車いすフリースペースを設けた車両となる。
エクステリアデザインは、車両コンセプト「瀬戸の疾風」を進化させ、より特急らしいスピード感とスマートさを感じてもらえるようにリニューアル。カラーリングは、流線形の先頭形状から流れるオレンジのラインを車両全体にあしらい、8両の長い編成を際立たせるデザインとしている。
オレンジ色は瀬戸内の温暖な気候や愛媛の柑橘を表し、窓下ラインのグリーンは香川のオリーブをイメージ。このカラーリングは、同じく特急「しおかぜ」「いしづち」で運用している特急形電車8600系と共通の配色となっており、岡山駅・高松駅から松山方面に向かう特急列車の色彩を明確化する。
座席設備として、コンセントをグリーン席と指定席の各座席、自由席の壁側に設置。グリーン席は電動リクライニングとフットレスト、読書灯を備えたハイグレードな座席とする。車いすフリースペースは、車いす利用者がグループで快適に乗車できるスペースとして5号車に設置。リニューアル後はすべてのトイレを洋式トイレとし、現行の和式トイレは洋式トイレに改良する。
照明はLED間接照明にリニューアルし、天井面だけでなく頭上の荷物面も照射して室内全体が明るく開放的に感じられる演出も。座席のモケットデザインについて、グリーン席は「四国の芳醇なめぐみ」、指定席と自由席は光きらめく「柑橘」と「瀬戸内の海」をモチーフとし、治線の豊かで穏やかな自然を表現するという。
リニューアル車両は、2023年12月にS編成(おもに「いしづち」で使用される3両編成)、2024年8月にL編成(おもに「しおかぜ」で使用される5両編成)が1編成ずつ運行開始。定期検査での多度津工場への入場に合わせ、1年間に2~3編成の工事を行い、2027年度にすべての工事完了を予定している。