女優で声優の平野綾が22日、都内で行われたミュージカル『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』の公開稽古および取材会に出席。自ら追加稽古を提案したことを明かした。
同作は19世紀半ば、アメリカ北部で女性の権利を求めて労働運動を率いた実在の女性サラ・バグリーと、ハリエット・ファーリーの活動を基にしたミュージカル。全米ベストセラーとなった作家ルーシー・ラーコムの回想記『A New England Girlhood (=ニューイングランドでの少女時代)』の時代に、劣悪な工場の環境の中で働かされていたサラとハリエット、そして仲間の女性達が自身の尊厳と労働環境の向上を求め、理想をぶつけ合いながらもペンと団結力を武器に闘い、世の中を動かしていく姿を描く。
アメリカ・ブロードウェイで活躍する新進気鋭の作曲家コンビクレイトン・アイロンズ&ショーン・マホニーによって作られたパワフルでソウルフルなロックサウンド満載の原案をもとに、日本で活躍する板垣恭一氏をはじめとする豪華クリエイティブチームが集結し、日米クリエイターの共作というかたちで2019年に上演された本作。女性たちの闘いと連帯の物語が大きな話題となり、2019年読売演劇大賞優秀作品賞を受賞し、今回約4年の時を経て再上演が決定した。
取材会には、平野のほか主演の柚希礼音をはじめ、ソニン、実咲凜音、清水くるみ、演出家の板垣氏が参加。登壇者の中で唯一再演からの参加となった平野は、「ものすごいプレッシャーありました……」と出演が決定した当時を振り返り、「もともと初演のときの素晴らしい土台があったからこその再演なので、そこをすごく大事にリスペクトしつつ、新作のような感覚で一緒に作らさせてもらってます」と意気込んだ。
また、稽古中に印象的だったエピソードを聞かれると、平野は「M3:『機械のように』という楽曲はこの作品でまず最初にインパクトを残さなきゃいけない大事な曲」と前置きをしつつ、「この曲は振り付けもフォーメーションもすごく難しいので、これはチームワークが大事だなと思って、『1日1M3やりませんか?』と提案させていただいて……」と明かす。
この話を聞いた清水から「あれ? ニンニン先輩(ソニン)は?」と水を向けられると、ソニンは「私出てません! 出てないんですけど、ハリエットも同じ工場で働いているということで、今、M3を絶賛覚え中です……今日までに覚えられたらよかったんですけど、千穐楽までには!」と練習中であることを告白。すると、清水から「初日までにがんばりましょう! 今日から! 今日からがんばりましょう!」とスパルタ発言で追い打ちをかけられ、ソニンは「がんばります……」とか細い声で返事をし、笑いを誘っていた。
同舞台は、6月5日~6月13日に東京国際フォーラム ホールC、6月24日~6月25日に福岡・キャナルシティ劇場、6月29日~7月2日に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて上演される。