ヒョンデ(韓国のHyundai Motor Company)の日本法人が開催した「Hyundai Brand Day」というイベントには、見慣れない2台の電気自動車(EV)が登場した。小型SUVタイプの「KONA Electric」(コナ エレクトリック)とセダンタイプの「IONIQ6」(アイオニック6)だ。これらのEVは日本にやってくるのか? どんなクルマなのか? 現場で確認してきた。
「コナ」は日本でも乗りやすいかも?
「KONA」(コナ)はBセグメントに属する小型SUVで、現行モデルは2世代目にあたる。海外では内燃機関搭載モデル(ガソリンで走るタイプ)も売っているそうだが、日本にはEVバージョン「KONA Electric」の導入が確定している。発売は2023年秋の予定だ。
コナのEVは前輪駆動でバッテリー容量は48.6kWhと64.8kWhから選べる。最高出力はバッテリー小が99kW、バッテリー大が150kW。最大トルクは255Nmだ。気になる航続可能距離(欧州WLTP)は「17インチホイール、ロングレンジバッテリー搭載車」で514km、「19インチホイール、ロングレンジバッテリー搭載車」で454kmとのことだから必要十分といえるのではないだろうか。
ヒョンデ日本法人のスタッフによれば、コナには内燃機関搭載モデルもあるものの、設計はEVに最適化した形で進めたそう。ガソリンモデルを作った「ついでに」EVバージョンも用意したわけではなく、あくまでEV製作を考えて作ったクルマなのだという。小さくて扱いやすそうなコナのEVは、IONIQ5よりも幅広い顧客に響きそうな1台だと思えた。
ちなみに、日本に入ってくる現行型コナはすでに発表済みのクルマであるにもかかわらず、なぜ展示車はカモフラージュを身にまとっているのかというと、この個体が日本導入に向けた検証・テストに使用しているテストカーそのものであるためだ。まだ日本では非公開の状態のクルマだし、テスト中に少し車体に傷が付いたりもしているので、今回はカモフラージュ状態のまま展示したのだという。
「IONIQ6」の日本導入は反応を見て判断
IONIQ6はEV専用プラットフォーム「E-GMP」で作ったセダンタイプのEV。見ようによってはクーペっぽくもあるスタイルはシックでなかなかカッコいい。日本でも買えるようになれば、テスラのいいライバルになりそうな気もするが……。
ヒョンデはIONIQ6を日本に持ってくることを決めているそうだが、まずは「マーケティング」目的で導入するという。このクルマを日本で展示したり、実際に乗ってもらったりしながら市場の声に耳を傾け、意見を集約したうえで日本に導入するかどうかを最終判断するそうだ。
SUVブームの日本にセダンのIONIQ6が入ってくるのかどうか、まだまだ予断を許さない状況ではあるのだが、中国のBYDは日本にEVセダン「シール」(SEAL)を導入すると発表済みだし、ヒョンデにも英断を期待したいところだ。