音響特機は米LOUD Audioが展開するMackieブランドの配信用デジタルミキサー「DLZ Creator」を発表した。2023年夏頃の発売で、市場想定価格は122,650円。
「DLZ Creator」はミキサーの操作方法が全く分からないこれから配信やコンテンツ制作をはじめたいと考えている初心者から、すでにプロの現場で音響機器を扱っているエンジニアまで、様々な用途で利用できるデジタルミキサー。10.1インチのタッチスクリーンを採用し、直感的な操作が行える。マイクプリアンプ部は最大80㏈の「Onyx80」を搭載。60㏈クラスのマイクプリアンプでは利用できなかったSHUREの「SM7B」のような感度の低いマイクにも対応する。
知識やレベルに応じて3種類のモードを用意。ボタン一つで瞬時に3つモードが切替えられる。「EASY MODE」は初めてミキサーを使う初心者向けモードで、音響の知識がなくとも簡単に操作できる。「ENHANCED MODE」は、EASY MODEで少し慣れたユーザーや、今まで楽器や音響機器を使い慣れたユーザー向けのモードで、3バンドGEQやエフェクトのON/OFFなどEASY MODEでは利用できなかった機能も使用できる。「PRO MODE」は名前の通り、プロフェッショナルな現場でミキサーや音響機器を使っているユーザー向けのモードで、3バンドPEQやGATE、COMP、FXなどのパラメーターも変更でき、より細かく音質を調整できる。
初期設定は本体の画面でナビゲーションしてくれ、マイク、ヘッドホンにモニタースピーカーだけ用意すれば、どの端子に何をどうやって接続するかまでも詳細に案内してくれる。ナビゲーション画面は英語のほか、日本語含め合計10か国の言語に対応する(※多言語対応は次回ファームウェアで対応予定)。ミキサーの操作で最も重要なのはINPUT GAINの設定なのだが、マイクや音源を接続すれば、適切なINPUT GAINの設定をしてくれる「Mix Agent機能」を装備。10秒程度マイクで話すだけ、接続した楽器を弾くだけで最適なINPUT GAINの設定してくれる。
ライブ配信を行う際、曲紹介や話はじめた時の音楽の音量をコントロールするのは、1人では難しいが、CH1のマイク音声が入力された場合に自動で他の音源を下げてくれるAuto Ducking機能を装備しているので、ミキシングエンジニアがなくても全体の音量の制御ができる。また、複数の話者がいる場合、マイクの音量が上がりすぎるという現象が起こる(1人増えると3㏈上がる)のだが、最大4つのマイクのレベルをコントロールできるAutoMix機能をしたことで、4名で同時に話しても、クリップしない配信が行える。また、Bluetoothで接続したスマートフォンの通話もミックス可能。スマートフォンの音声は再度、本体側から相手方に送ることはしないので、通話の音声にエコー、ハウリングが発生しない。
4つの独立したヘッドホンアンプを搭載し、個々に音量調整が可能なのはもちろん、各々にそれぞれの入力CHのバランスを調整することもできるので、レコーディングスタジオのキューボックス的な使用法にも対応。また、12ch+MAIN OUT 2ch、計14chマルチトラックレコーディングやステレオ2ミックスレコーディング、いずれにも対応する。PCでのレコーディングはもちろん、USBメモリやSDカードにもレコーディングができレコーディングのバックアップも可能だ。さらに6つのサンプリングパッドを用意し、ユーザーが用意した効果音やBGMを割り当て、瞬時に送出することができる。
主な仕様は以下の通り。
- サンプリングレート:48kHz
- 解像度:24bit
- システムディレイ:3ms以下
- 入力:TRS/TS XLRコンボ端子×4、6.3mmTRS/TSステレオ端子、3.5mmステレオ端子
- 出力:6.3mmTRS/TSメインステレオ出力端子、ステレオヘッドホン端子×4
- USBフォーマット:USB2.0 HS(480MB/秒)
- ワイヤレス:Bluetooth 5.0
- SDマルチトラック(SD Class 10またはUHS推奨):(12ch+メインミックス)/24bit/48kHz
- USBメモリーマルチトラック:(12ch+メインミックス)/24bit/48kHz
- 電源仕様:18V/1.5A
- サイズ/質量:W330×H104×D381mm/2.2㎏