米OpenAIは5月18日(現地時間)、対話AIサービス「ChatGPT」のiOSアプリ「OpenAI ChatGPT」の提供を開始した。リリース時点では米App Storeのみでの配信になっており、数週間中に他の国・地域への展開を開始する。Android用アプリの開発を進めていることも明らかにしたが、具体的なリリース日程は公表していない。
ChatGPTはユーザーが自然言語を使用してAIと対話し、質問の答えを得たり、コンテンツの作成のサポート、アイディアをふくらませるディスカッションなどに利用できる。OpenAIは、自然な形で対話できるAIを一般の人々に提供し、AIと人との関わりを通じてAI技術の恩恵を最大化することを目標にしており、「ChatGPT」アプリのリリースはその目標に向けた新たな一歩になる。
動作要件は、iPhone 8以降(iOS 16.1以上で動作)。iPadには最適化されておらず、iPadではiPhone用アプリを拡大表示する互換モードでの使用になる。
ChatGPTの基本的な機能は無料で利用できる。有料サブスクリプション「ChatGPT Plus」の加入者は、大規模言語モデルの最新版「GPT-4」による高度な対話、サービスへの優先的なアクセス、迅速な応答、新機能への早期アクセスなどをアプリでも利用可能。ただし、Web版でベータ機能としてChatGPT Plus加入者に提供されている「Web情報の検索」や「プラグイン」は、リリース時点でiOSアプリでは利用できない。
アプリにはオープンソースの音声認識システム「Whisper」が統合されており、iOSの音声入力機能とWhisperの2つの音声入力を使用できる。どちらもスマートフォンで音声を使ったスムースな会話を実現するが、iOSの音声認識が入力する前に使用する言語を指定(「日本語」「English」など)する必要があるのに対し、Whisperを使った音声入力は自動的に言語を聞き分けてくれる。
OpenAIのアカウントでログインすることで、複数のデバイスの間で対話の履歴が同期され、iOSアプリでは対話の履歴の検索が可能。他にも、特定の会話をタップして反応を再生成させたり、データをエクスポートできるなど、アプリならではの機能でChatGPTを活用できる。
昨年末に提供が始まったChatGPTが大きな話題になるとともに、モバイルデバイスやPCで同サービスを利用できるようにするアプリやブラウザ用拡張機能が続々と登場している。中にはマルウェアをインストールしたり、個人情報を盗む偽アプリが出回っている。安全性が高いAppleのApp Storeで偽アプリに遭遇する可能性は低いが、紛らわしいアプリが数多く配信されており、OpenAIはApp Storeで検索する際には「OpenAI ChatGPT official」と入力して探すように呼びかけている。