20日のテレビ朝日系ドキュメンタリー番組『テレメンタリー2023』(テレビ朝日4:50~、地域により放送時間が異なる)では、北海道テレビ放送制作の「納骨堂破綻」を放送する。
札幌市の屋内型納骨堂「御霊堂元町」を運営する宗教法人「白鳳寺」が約3億円の負債を抱えて事実上の経営破綻に陥り、納骨堂は前代未聞の閉鎖状態となった。連日殺到する利用者への説明に追われた代表だったが、去年10月、突如音信不通となり失踪。問題が発覚してからわずか2週間あまりのことだった。番組では行方をくらました「白鳳寺」代表の足取りを追跡。取材を進めると、代表が高級車や豪邸の居住費、多額の飲食代など豪勢な私生活に納骨堂の運営資金を費やしていた疑惑が浮上した。また、この宗教法人が複数の人物を介して売り渡されていたことも判明。営利を目的とした「納骨堂ビジネス」のために、「名義貸し」のような形で宗教法人が売買される実態も浮かび上がった。
「御霊堂元町」の土地と建物は競売にかけられ、地元の不動産会社が落札した。しかし札幌市が納骨堂の継承を認めておらず、継続の見通しは立っていない。利用者のなかには、いまも遺骨を収めたままの人や、引き取った遺骨の行き場が見つからない人も多い。
都市部への人口流出で、地方では先祖代々の墓地の管理が難しくなり「墓じまい」が広がっている。都市部での納骨堂需要が高まるなか、所管する行政側のチェックが追い付いていないのが実情だ。変わりゆく供養の場を取り巻く問題点をあぶり出す。