JR東日本とジェイアール東日本物流は、列車で荷物を輸送するサービス「はこビュン」の一環で、東北新幹線の車両3両で大量の荷物を輸送するトライアルを6月16日に実施すると発表した。
対象となる列車は、東北新幹線の臨時列車「はやぶさ72号」(新青森駅9時37分発・大宮駅12時30分着)。1~5号車は旅客列車として席を販売し、6~8号車の3両に荷物を積み込む。グリーン車と「グランクラス」、「TRAIN DESK」は営業しない。
今回、初めての取組みとして、青森県にある新幹線車両基地(盛岡新幹線車両センター青森派出所)から荷物を積み、大宮駅まで運ぶ。これにより、従来の駅ホームでの作業と比べてスペースと時間が確保できるという。鮮魚、スイーツ、生花、弁当、電子部品など約600箱を輸送する予定としている。
トライアルで検証する項目は3つ。1つ目は、新幹線車両基地や大宮駅での荷さばきについて。とくに大宮駅において、ホーム上で荷物の積み下ろしを行ってから屋上駐車場に荷物を移動して荷さばきを行うため、そのオペレーションを検証する。
2つ目は、無人搬送車「AGV」による業務の生産性向上について。車両基地での荷受け場所から新幹線車両前までの荷物搬送にAGVを試用し、人力での搬送作業を代替したことによる生産性を検証する。3つ目は、客室輸送専用台車の試用について。従来使っていた台車にブレーキ定位機能や足踏み式ストッパーを加え、台車ごと荷物の積み込み・積み下ろしができるようにした専用台車を新幹線客室への荷物積み下ろしで試用し、生産性を検証する。
新幹線車両基地を活用した多量輸送のトライアルを今年度に複数回行う予定(今回のトライアルも含む)としており、引き続き実用化に向けて取組みを進めるとしている。