ヤマト運輸、アサヒグループジャパン、西濃運輸、NEXT Logistics Japanの4社は、水素を燃料とする燃料電池大型トラック(FC大型トラック)の走行実証を開始する。車両はトヨタ自動車と日野自動車の共同開発。FC大型トラックの走行は日本初となる。
航続可能距離は600km!
近年は温室効果ガス排出量削減などの取り組みが進んでおり、サステナブルな物流の必要性が高まっている。
ヤマト運輸によると、国内商用車全体の温室効果ガス排出量は全体の約7割を大型トラックが占めている。特に幹線輸送に使われる大型トラックは、十分な航続距離と積載量、短時間での燃料供給が求められるため、エネルギー密度の高い水素を燃料とする燃料電池システムが有効だといわれているそうだ。
今回の実証にはトヨタ自動車と日野自動車が共同で開発したFC大型トラックを使用する。各社が実際の輸送業務に使用することで、水素燃料活用の可能性と実用性の検証を行う。 主な検証内容は「実稼働におけるドライバーにとっての使い勝手」と「水素ステーションでの充填時間を含む運行管理」。車両開発側では「燃料電池システムおよび電動システム全般の作動検証」「環境や走り方の違いによる水素消費変化の把握と水素ステーションでの給水素情報の取得」「ドライバビリティ(車両の運転操作性)や使い勝手全般に関する情報の取得」を行う。
使用するFC大型トラックは日野自動車の「プロフィア」がベースで、航続可能距離は約600km。水素を燃料とし、走行中に温室効果ガスを排出しない環境に配慮した車両となっているという。トヨタのFC技術を応用し、大型トラックに最適化したFCスタック2基と、大量の水素を貯蔵可能とする新開発の大型高圧水素タンク6本を搭載する。仕組みとしては、貯蔵した水素と大気中の酸素をFCスタックに取り込むことで発電し、その電気でモーターを駆動させることで車両が稼働する。