リンクトイン・ジャパンは5月16日、「仕事の価値観の変遷」に関する調査結果を発表した。調査は4月6日~10日、日本国内の18歳~65歳の就労者1,000名(性年代割付)を対象にインターネットで行われた。
これからの20年間において、AI等のテクノロジーの進化や普及によって自身の仕事に影響があるかを聞いたところ、32.9%が「影響は受けない」と回答。また、これからの20年間で変わらないと思う仕事を聞いたところ、1位「人脈を活かす仕事」(40.9%)、2位「コミュニケーション能力が必要な仕事」(39.6%)、3位「創造性を必要とする仕事」(29.1%)という結果に。
さらに、今後20年間で必要とされるスキルを聞くと、「コミュニケーションスキル」(49.8%)が最も多く、次いで「リーダーシップ・人材マネジメントスキル」(26.1%)、「問題解決力」(23.7%)が上位となった。
次に、「20年前と比べて日本の企業カルチャーに変化を感じていますか?」と聞いたところ、78.4%が「感じている」と回答。特に、「長時間労働が当たり前だという価値観が薄れてきた」(45.8%)、「ワークライフバランスを重視されるようになった」(40.4%)、「休暇を取ることが柔軟になった」(39.0%)など、生活への変化を感じている人が多いよう。
また、現在のライフワークの優先順位を聞いたところ、全体では1位「家庭」、2位「趣味」、3位「仕事」、4位「スキルアップ」となった一方、40代~60代に20年前の優先順位を聞いたところ、すべての年代で「仕事」が1位に。時代の変化によって仕事と家庭の優先順位が逆転していることが明らかに。さらに、月の残業時間について調査したところ、20年前は平均24.3時間なのに対し、現在は平均13.3時間と11時間ほど短くなっていることがわかった。
続いて、女性管理職について質問したところ、女性管理職が就いている企業に勤めている人は51.7%。一方で管理職における女性の比率は24.8%にとどまる結果に。
また、女性管理職が少ない理由を聞いたところ、1位「慣習的に、男性の方が評価されやすい(女性差別がある)から」(36.8%)、2位「妊娠や育児などを危惧して女性自身が昇進を望まないから」(33.5%)、3位「管理職は男性が担うものだと思われているから」(23.6%)が上位に。この20年間で、ライフワークバランスにおいて就労者の生活が優先されるように変化し、企業にもポジティブな影響を与えている一方で、男性が優先して評価されるという慣習が根強く残っていることがわかった。