口の悪い人といると、心理的負担が高くなってしまいます。それでも、職場や身近な人の場合、嫌でも接しないといけないときもあるのではないでしょうか。また、自分がつい口が悪くなってしまうことに悩んでいる人もいるでしょう。
本記事では口が悪い人について、詳しい特徴やその心理、上手な付き合い方を紹介します。自分の口の悪さが心配な人のために、直し方もまとめました。
口が悪い人とは
まずは口が悪い人とはどういう人のことなのか、簡単に見ていきましょう。
そもそも「口が悪い」の意味とは
「口が悪い」とは、遠慮や加減をすることなく、人や物事をけなす話し方をする様子や、言葉遣いが荒い様子、話の内容が悪質であることなどを意味します。
そのため、相手を傷つけたり、不快感を与えたりしてしまいます。
たとえ発言した本人に悪意がなくとも、自分が思ったことについて歯に衣(きぬ)着せぬ物言いをすると、周囲からは「口が悪い」と思われてしまうのです。
口が悪い人ってどんな人?
口が悪い人には、言い方がきついタイプや使う言葉自体が汚いタイプ、人の悪口ばかりを言うタイプなどさまざまな人がいます。
ストレスがたまってイライラしていたり、自分を大きく強く見せたいと思っていたりなど、さまざまな要因が考えられます。口が悪いという自覚がなく、人を傷つけていることに気付いていない人もいます。
また、ただ単に相手に心を開いているからこそ、オブラートに包まずストレートな物言いをしているケースもあるでしょう。
いずれにしても、結局は相手を傷つけ、不快な気分にしていることは変わりません。
口が悪い人の特徴
ここからは、口が悪い人によくある特徴を紹介します。特徴を知って相手を理解すれば、対応策のヒントが見つかるかもしれません。自分への被害を極力減らすためにも、相手を正しく理解しましょう。
すぐに感情的になる
口が悪い人には、感情の起伏が激しく、コントロールが苦手なタイプが多くいます。
すぐに感情的になる人は、知らず知らずのうちに相手が傷つくような言葉を平気で使ってしまいます。感情のコントロールができず、「これを言ったら相手は傷つくかな?」と考えてから言動をするのが苦手だからです。
そのため、けんかや言い争いになると、いつも以上に言葉遣いが汚くなります。ため込んでいた感情を、何も考えずストレートに相手に浴びせ、思うがままに発言してしまいます。
気が強くプライドが高い
気が強くてプライドが高いことは、口が悪い人の特徴の一つです。
常日頃から人を見下し、マウントを取りたがります。自分が最も上でないと気が済まない性質で、負けず嫌いな面もあるでしょう。
このような人は、相手に威圧的な態度を取る傾向にあります。そのため、物言いが直接的で、相手を責めるような口調になりがちです。
飲食店の店員などに対し横柄な態度を取ったり、強く命令したりすることもあります。
見栄を張っている
見栄を張る人は、自分を本来の自分よりも良く見せようとします。このような人は、本当は気が小さく、ちっぽけな自分が周囲にバレないように、または見下されないようにと必死なケースがほとんどです。
虚構の自分がバレないように、強い口調や言葉遣いで相手を威圧し、虚勢を張っています。
なおこのような人は見栄を張るためにうそをつくこともあるため、付き合う際は信じすぎないようにしましょう。
人の揚げ足を取る、重箱の隅をつつくのが好き
口が悪い人の多くは、人の揚げ足を取ったり、重箱の隅をつついたりすることを好みます。
つまり、人のちょっとした言い間違いや言葉尻のニュアンスを取り立ててからかったり、小さな失敗を目ざとく見つけて口うるさく指摘したりするのです。
会話をしていても、他人の意見に対する批判や不平不満ばかりを話すため、周囲も暗い気分になることが多いでしょう。
なお、自分のキャラ設定として、あえて毒舌キャラを演じている場合もあります。相手の言動をイジったり、けなしたりすることで笑いを取ろうとしますが、信頼関係がない相手からは、ただの口が悪い人、性悪な人としか思われていないケースがほとんどです。
他人に責任転嫁する
無責任で他人に責任転嫁をよくすることも、口が悪い人に多く見られる特徴です。自分の非をなかなか認めず、いつも自分が正しいと思っています。
たとえ自分がミスや事故、問題を起こしたとしても、自分は一切悪くないと考え、他人が全て悪であると思い込んでしまいます。
そして、相手に責任をなすりつけるため、「お前のせいでこんなことになった、どうしてくれるんだ!」などと詰め寄り、威圧的な態度や口調で押し切ろうとするのです。
言動が非常識だったり、周囲に気を遣えなかったりする
口が悪い人の多くは、乱暴な言葉遣いをしたり、TPOに合わせた振る舞いができなかったり、礼儀をわきまえなかったりという特徴を持ちます。
そのため、周囲から失礼な人という印象を持たれていることも多いです。
また、人の気持ちを理解するのが苦手だったり、自分本位な考えだったりするため、周囲に気を遣うことをしません。
元々の性格は優しいけれど雑である
口が悪い人の中には、元の性格は優しくとも、何に対しても大ざっぱすぎるせいで口が悪くなってしまうという人もいます。
細かいことは気にならず、また計画性もないため思いつきで行動するタイプです。
そのため、相手の立場に立って考えることが少なく、思ったことをオブラートに包まずにそのまま口にしてしまいます。他人への扱いも雑で、相手を傷つけてしまうことがあります。この場合、本人に悪意はありません。
口が悪くなるときの心理
次に、なぜ口が悪くなってしまうのか、よくある心理を紹介します。
常にイライラしている
口が悪い人は、イライラした気持ちであることが多いでしょう。
いらついた感情があると、相手を思いやることは難しくなります。また感情の起伏が激しくなり、感情や言動をコントロールできない状態に陥りがちです。
自分自身の問題や、周りの環境など、悩み事が多くストレスを抱えている可能性があります。このようなときは、自分のことで手一杯です。相手を思いやる心の余裕はとてもありません。
ストレスをうまく発散できず、どんどんストレスがたまることとなり、余計に口の悪さが加速する結果となるのです。
自分の意見が絶対だと考えている
自分の意見が絶対だという心理状態のときは、反対されたときや共感が得られないときに口が悪くなりがちです。自分の意見を押し通そうと、攻撃的で高圧的な態度になるのです。
自分以外の意見を受け入れられず、自分の考えと少しでも違う箇所があれば、他者の意見に対しても口調が強くなります。
隠し事があってバレたくない
相手に詮索されたくない話題や避けたい話題が出ると、バレたくないという心理が働き、わざと汚い口調で場面を回避していることも考えられます。
もし会話中に、急に相手の口が悪くなったと感じたら、それ以上の詮索は控えたほうがいいでしょう。無理に聞き出そうとしても、相手がストレスを感じ、より口調が荒くなります。
口が悪いことをかっこいい、面白いと考えている
毒舌キャラや、口の悪さがかっこいい、面白いと勘違いしている心理パターンも考えられます。
テレビなどを見ていると、毒舌キャラの芸能人や著名人が、人や物事の弱点をズバリと指摘して笑いを誘い、スッキリする場面が多くあります。そのような場面に憧れ、自分でも毒舌キャラを演じたいと考えているのかもしれません。
そのため、相手に対して批判的な話や、高圧的な言動をしているのでしょう。周りから面白い人だと一目置かれたい心理が隠れています。
何も考えていない
口が悪い人の心理として、実は何も考えていない、何とも思っていないというケースもあります。
このような場合、本人にまったく悪気はなく、思ったことを、ただ伝えているだけだと思っているでしょう。
口の悪さは、生活環境や育った環境に依存することもあります。そのため、口の悪い家族がいると、それが当然だと思い込み、知らず知らずのうちに癖が移っていることもあるでしょう。
環境が原因の場合は、自分自身では口の悪さを自覚していません。他人から指摘されて初めて気付くケースがほとんどです。
口が悪い人への対処法・上手な付き合い方
ここからは、口の悪い人とどのように付き合えばいいかを解説します。
行動に移すことがなかなか難しい場合は、自身の考え方を少し変えるだけでもストレスを軽減できる可能性があります。ぜひ参考にしてみてください。
可能な限り関わらない
口が悪い人に傷つけられないためには、できるだけその人と距離を置きましょう。
極力関わらないようにすることで、相手に話し掛けられることも少なくなります。自分の心は自分で守りましょう。
言葉を聞き流す
口が悪い人の言葉は、聞き流すようにしましょう。全て真に受けると、自分自身にストレスがかかり、精神の健康を害してしまう可能性があります。
相手からネガティブな話題や悪口などが出たら、自然と話をそらしましょう。「この人は口が悪い人だ」と、理解して割り切ることがポイントです。
また、口が悪い人との会話で同調や愛想笑いをすることは得策ではありません。その場を離れたり、話をそらしたりして対処しましょう。
相手が何を思っているか考える
悪口は、言われた方がそう思ったら悪口です。とはいえ、言った方に悪意はなく、ただ適切な表現に必要な単語や言い方を知らないだけの場合もあります。
悪口をそのまま受け取るとストレスがかかります。相手がなぜその言葉を発したか考えてみましょう。もしも悪意がないと分かれば、真正面から受け取る場合よりもストレスが軽減されるでしょう。
相手の勢いに押されない
口の悪い人は、気が強くはっきりとものを言いがちです。そのため、こちらがおどおどした口調や態度だと、相手に押されてしまいます。時には、真正面からこちらの気持ちを伝えてもいいでしょう。
前述したように、口が悪い人は、必ずしも悪意からその言葉を発しているわけではありません。相手の発言によって傷ついたのであれば「今のはちょっと言い過ぎじゃない?」「今の言い方は傷ついたな」などと伝えることで、相手も自身の言動を振り返ることができます。それをきっかけに、相手の口調を改められる可能性があります。
相手に対応する際は冷静に
口の悪い人と対峙(たいじ)しなければならないときがきても、こちらは冷静に対応しましょう。
ひどいことを言われると言い返したくなることは人の性です。ただし、ここで相手につられて同じ熱量で言い返してしまうと、相手との関係性はそこで壊れてしまいます。また、相手がヒートアップしてさらにひどいことを言ってくる可能性もあります。
もしこちらも怒りが我慢できなくなりそうなのであれば、会話を中断することも対処法の一つです。口論に発展する前に、一歩引いて、日を改めて話してみるといいでしょう。
ストレスの発散方法を見つける
口の悪い人と付き合っていると、ストレスがたまってしまいます。そこで、自分なりのストレス発散の方法を見つけましょう。
ただしこの方法は一時しのぎで、根本的な解決策ではありません。もしその相手と今後も付き合いを続けなければいけないようであれば、相手の言うことを聞き流すコツを身に付ける、口の悪い人本人を改心させるなど、ストレスの根源をなくすことが必要です。
周囲を味方にする
一人でストレスを抱え込むことは、精神衛生上よくありません。周囲の信頼できる人と気持ちを共有し、心のモヤモヤを吐き出してみましょう。
傷ついた、つらかったという感情を共有することで、相手から共感を得られ、心の負担を軽減できる可能性があります。
ただし、いくら口が悪いからと言って、その人を批判するような陰口は避けましょう。
口が悪いのが上司や同僚などの場合は、しかるべき人に相談する
口が悪い相手が、会社の上司や同僚である場合は、上司のさらに上の立場の人や、人事部などに相談してみましょう。
職場における口が悪い人は、立場に甘えて言葉選びを怠っていたり、思いやりを持たなくなっていたりするケースが多々あります。会社であれば、そういった態度をハラスメントとして罰してもらうことができる場合もあります。
また、一緒に仕事する機会を減らしてもらう、席を離してもらう、異動を検討してもらうなど、組織としての対応を取ってもらえる可能性があります。
職場は多くの時間を過ごす場所です。その環境の平和を保つことは、良い人生を送るために非常に重要なことです。我慢せずに周囲に頼ってみましょう。
口が悪いのが彼氏・彼女や友達の場合は、自分から注意する
もし身近で仲の良い人が口の悪い人であるならば、思い切って、自分から一度指摘するのもいいでしょう。
長く付き合っている相手であれば、口調のせいで関係が悪化して縁が切れてしまうことはとても悲しいことです。相手やお互いのことを思って真摯な姿勢で話せば、相手もきっと真剣に向き合ってくれるでしょう。
ただし、指摘によって相手が機嫌を悪くする可能性はゼロではありません。そのため、こちらの口調が強くならないように気を付ける、また相手を責めるのではなく、自分が傷ついた、こう感じたということを話すようにするといいでしょう。
なお、深い信頼関係が築けていない相手であれば無理に指摘せず、距離を置いたり受け流したりすることでやり過ごすのも一つの手です。
自分の口の悪さを直す方法
本記事をここまで読んだ方の中には「この特徴、私に当てはまるな」と思った方もいるでしょう。
もしそう感じたならば、今から紹介する方法を試してみてください。口の悪さを改善する助けになるかもしれません。
口の悪さを自覚する
これは口の悪さを改善するために、最も重要なステップです。自覚がなければ、何を直さないといけないのかが分かりません。もしあなたが今「私って口が悪いのかも」と思っているならば、既に一歩踏み出せているということです。
また、周囲からの指摘がきっかけで自覚に至るケースも多いでしょう。
もしあなたが「口が悪い」と指摘を受けた場合、それは幸せなことです。指摘してくれた相手を、決して憎く思ったり恨んだりしないようにしましょう。
人に注意をすることは嫌な役回りです。その人はあなたの今後を考え、嫌われ役を買って出てくれたのです。指摘を真摯に受け止め、改善に努めましょう。
正しい言葉遣いを学習する
口が悪い人は、語彙力不足が理由で、よく聞いて耳に残った強い言葉を使用しているケースが考えられます。
このような場合、新聞や本を読み、語彙力を高めることで改善できる可能性があります。クッション言葉や、正しい敬語などを調べるのもいいでしょう。
語彙力を増やすことで、失礼になることを避け、場面に応じた正しい言葉を話せるようになるでしょう。
クッション言葉とは? 場面別の一覧や役立つシーン、例文、注意点を紹介
感情をコントロールする
語彙力不足の他にも、感情のコントロール方法を学ぶことも効果的です。
口が悪い人は、感情が抑えきれないためにそれがそのまま言葉に表れてしまう傾向があります。何か不快なことがあっても、それに言動が支配されないように訓練することをおすすめします。
気持ちが高ぶったら、言葉を発する前に、ひとまず深呼吸をしてみましょう。
口が悪いと、男性・女性問わずデメリットが多い! 言い方を改善しよう
口が悪い人が周りにいると、たとえその発言が自分に向いていなくても、聞いているだけで不快な気分になってしまいます。
逆もまたしかりで、自分の何気ない一言が、相手や周囲を不快にさせている可能性があります。
誰が聞いても不快にならない言葉遣いを心掛けるとともに、もしも周りに口が悪い人がいたら、今回紹介した対処法を試してみてください。