JR東日本は16日、品川開発プロジェクトで構築される街の名称を「TAKANAWA GATEWAY CITY」に決定したと発表した。KDDIを共創パートナーに迎え、街のデータ基盤を整備し、多様なデータの掛け合わせによって新たなサービスが生まれるまちづくりをめざす。

  • 「TAKANAWA GATEWAY CITY」イメージ

「TAKANAWA GATEWAY CITY」は、高輪の地の歴史を継承しつつ、人、自然、テクノロジーをつなぎ、世界で最も生命の力があふれ共創し続ける国際交流拠点「Global Gateway」として、100年先の心豊かなくらしのために実験を続けていくという。街の名称は、従来の発想にとらわれない魅力あふれる国際交流拠点「高輪」を世界の「TAKANAWA」にするため、アルファベット表記を用いるとともに、駅名称を冠することでエキマチ一体開発であることを表現した。

エキマチ一体の「53 Playable Park」というコンセプトの下、都内最大級という約4haのオープンスペースに多様な公園を設ける計画としている。うち約2.7haは植物の緑に彩られるパノラミックな景観を形成し、周辺の水系・地形・植生を取り込み、日本の四季の豊かさが感じられるとともに、環境保全に取り組む舞台とする。

工事中に発見された鉄道遺構「高輪築堤」は、特徴的な風景である第7橋梁部や、公園部の築堤を現地で保存して見学できるようにし、かつての築堤ライン上は現地で発掘された築石を活用した外構計画とし、歴史を感じる空間を創出する。

  • 高輪ゲートウェイ駅イメージ

  • 高輪ゲートウェイ駅イメージ

  • ビオトープのイメージ

サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)が融合する社会「Society 5.0」の実現をめざす実験場として、多様なパートナーとともに街全体を構築。「複合棟 I North」に、企業の新規事業部門等が中心となるインキュベーション施設や、おもに環境・食・ヘルスケア分野の社会課題解決に取り組む環境生命科学ラボ(仮称)を設けるほか、3D都市モデルを活用したエリアマネジメントなどにも取り組む。

「複合棟 I North」のメインテナントには、分散型まちづくり「空間自在プロジェクト」に向けた基本合意書を締結したKDDIを迎える。街の設備が持つデータを収集・分析するデータ基盤である「都市OS」の整備、街から取得したデータをもとに仮想空間の中でシミュレーションを可能にする「デジタルツイン」の導入により、多様なデータを掛け合わせたサービス創出や事業検証が可能になる実験場をともに創造するとのこと。

  • 「複合棟 I North」28・29階のボタニカル・ルーフトップのイメージ

JR東日本グループが取り組む環境長期目標「ゼロカーボン・チャレンジ 2050」の先導プロジェクトとして、省エネ・創エネ・エネルギーマネジメントのしくみを実装。再生可能エネルギー証書の活用により、使用する電力を実質再生可能エネルギー由来とし、CO2排出量「実質ゼロ」を実現する。

「TAKANAWA GATEWAY CITY」は、「複合棟 I (North・South)」と高輪ゲートウェイ駅周辺エリアが2025年3月に開業。その他の「複合棟 II」「文化創造棟」「住宅棟」および各棟周辺エリアが2025年度中に開業する予定となっている。