レバテックが運営するITエンジニア・クリエイター専門エージェント「 レバテックフリーランス」は、ITフリーランス200名を対象に取引先とのトラブルに関する実態調査を実施、その結果を5月11日に発表した。同調査は2023年3月13日~14日にWebアンケート調査で行われた。

  • 取引先から理不尽な要求を受けたことはあるか

まず、取引先から理不尽な要求を受けたことが「ある」と回答したITフリーランスは、全体の20.5%だった。

  • トラブル内容

具体的なトラブル内容は「業務の内容・範囲の変更(61.0%)」が最も多く、「契約期間の短縮や破棄、報酬の減額(51.2%)」「報酬の支払い遅延や未払い(31.7%)」と続く結果となった。

  • トラブルにどのように対応したか

トラブル発生時の対応方法に関しては、「取引先と直接交渉をした(34.1%)」「仲介事業者(エージェント)を介して交渉した(34.1%)」が最も多い結果となった。

一方で、全体の17.1%は「交渉せず、受け入れた」と回答し、取引先との関係を損ねることを避けるため、要求を受け入れてしまうケースも少なくないことがわかる。

  • トラブルを避けるための対策をしているか

また、トラブルを避けるための対策をしているITフリーランスは、全体の約3割に留まる結果となった。

  • トラブル回避のための対策内容

具体的な対策内容としては、「事前に業務の内容・報酬などの条件を明確に取り決める(82.0%)」という回答が最も多く、約8割の人がこのような対策をしているようだ。

  • ITフリーランスが取引先企業に求めるもの

ITフリーランスが取引先企業に求めるものの1位は、「事前に契約条件を明示すること(56.5%)」となり、ついで「遅延なく報酬を支払うこと(47.5%)」「不当な減額・返品を行わないこと(34.5%)」が続く結果となった。

今回の調査から、ITフリーランスが取引先企業に最も求めるものは「契約条件の事前の明示」であることが明らかになった。実際のトラブルの内容も「業務の内容・範囲の変更」「契約期間の短縮や破棄、報酬の減額」などがあげられ、事前に契約内容をすり合わせきれていない場合や、それを後から覆された場合にトラブルに陥っている実情が見てとれると同社は見解を示している。

また、2023年2月に閣議決定されたフリーランス保護新法案では、「報酬の金額や納期、仕事の範囲などのメール・書面での明示」を義務化する内容が盛り込まれたものの、事前に条件を明示しているにもかかわらず発注者から一方的に変更されるケースも発生しているという。IT領域においては事前の条件明示が一般的であるため、明示を義務付けるだけでは不十分だともレバテックは述べている。