人間誰しも、思い通りにならないことにぶつかったり、イライラしたりしてしまうこともあるでしょう。

本記事では、思い通りにならずイライラするシーンとその心理状況や、対処方法を紹介します。思い通りにならなくてすぐ怒る人への対応の仕方もまとめました。

  • 思い通りにならないときはどうするか

    自分が「思い通りにならない」と思うときの対処法や、相手が「思い通りにならない」と怒っているときにどう対応すべきかを紹介します

「思い通りにならない」とストレスを感じる場面や心理状況

思い通りにならない状況では、誰もがストレスを感じるものです。この章では、思い通りにならなくてストレスを感じてしまう、代表的な場面について紹介します。それぞれの心理状況も併せて解説します。

計画通りに物事が進まなかったとき

計画通りに物事が進まないときには、ストレスがたまりやすいといえるでしょう。

例えば見積もりが甘かったり、勘違いが原因で余計な工程が発生したりした場合などが当てはまります。

せっかく作った見積もりや計画した工程が無駄になってしまったり、スケジュールに余裕がなくなって焦りが出てきたりすることなどから、思い通りにならないことにストレスを感じてしまいます。

自分ではコントロールできない出来事が発生したとき

自分ではコントロールできない出来事が発生したときにも、ストレスがたまりやすい傾向にあります。

自分ではコントロールできない出来事とは、例えば「自分の担当外のところでトラブルが発生して影響を受けた」「取引先のミスや製品の不具合」などが挙げられます。

自分が関与できないところでの出来事はどうすることもできず、ストレスを感じてしまうでしょう。

場合によってはストレスだけではなく、自分ではコントロールできない出来事に対して、やり場のない怒りを感じるということも考えられます。

理解者がいないと感じたとき

思い通りにならないことがあったとき、自分の理解者がいない場合は、さらに大きくストレスを感じてしまうでしょう。

何か悩み事があっても、誰かに話したり相談したりすると気持ちが楽になるものです。

しかし信頼できる相手がおらず、相談ができない状況では、ストレスを発散できずにため込みすぎてしまいます。

また相談できる人がいないと、プランをブラッシュアップしてもらえず、自分の視野だけで進めることになるので、壁にぶつかるとこも多くなるでしょう。

今の自分が不自由な状態であるとき

今の自分が不自由な状態であると感じたときにも、思い通りにならないと感じ、ストレスを抱きやすいといえます。

日々の生活で「これをやりたい」「ここに行きたい」など、夢や希望と呼べる感情も出てくるでしょう。しかし仕事に追われていたり時間やお金がなかったりなど不自由な状態であることから、やりたいことが見つかってもなかなか実行できないという場合もあります。

不自由な状態にいることで、やりたいことを満足にできずにフラストレーションがたまり、ストレスを感じてしまうのです。

物事を自己中心的に考えているとき

物事を自己中心的に考えているときも、思い通りにならないと感じ、ストレスがたまりやすいです。自己中心的な思考だと視野が狭くなり、不満を感じやすくなってしまうためです。

他人と活動をしている以上、必ずしも自分の思い通りになるとは限りません。場合によっては、自分の希望を通すことがほとんどできない環境もあるでしょう。そのようなとき、多くの人は「そういうものだ」「仕方ない」と我慢できるものですが、自己中心的な考え方をしている人はそれができず、強いストレスを感じてしまうのです。

思い通りにならなくてイライラしてしまうときの対処法

  • 思い通りにならないときの対処方法

物事が思い通りにならないと感じ、ストレスを抱いてしまうときは、心に余裕がない状態になっているものです。

この章では、思い通りにならないと思ってしまったときの解決方法について解説します。

自分一人の時間を作る

思い通りにならないことにいら立ち、心に余裕が感じられないなら、自分一人の時間を作るようにしましょう。自分一人の時間を作り、自分を見つめ直すことで、自分がなぜ今のような気持ちに陥っているのかを分析できるはずです。

仕事が忙しいとなかなか自分の時間を作ることが難しいという方もいるでしょう。丸一日自分一人の時間を作るのが無理なら、30分でも、10分でも構いません。短い時間でも落ち着ける場所で、自分だけと向き合う時間を作りましょう。

なぜうまくいかないのか、理由をじっくり考える

なぜうまくいかないのか、思い通りにならないのかという悩みに対して、理由をじっくりと考えるという対処法もあります。なぜうまくいかないのかという理由を前向きに考えることで、思わぬ発見がある可能性があります。

思い通りにならないことに対するストレスは、原因が曖昧であることも少なくありません。原因をじっくりと考察し、違う視点から物事を見て、その原因を解決するための方法を考えてみましょう。

一度立ち止まって深呼吸をする

思い通りにならないとイライラしているときは、深呼吸をするという対処法もおすすめです。深呼吸をすることでリラックスしやすくなるためです。

思い通りにならないとき、周囲の人にいら立ちをぶつけてしまったという苦い経験をしたことがある方もいるでしょう。感情に任せて相手に恨みつらみを投げつけたところで、より悪い状態になるだけです。

困難に直面した時こそ、一度立ち止まって、深呼吸をしてみましょう。深呼吸をすることでイライラが収まって相手と冷静に話すことができ、解決策を導きやすくなるはずです。

深呼吸をすることは、気持ちを落ち着かせる以外に、体にも良い効果があります。イライラしたときは深呼吸をして、いったん心と体を整えることを心掛けましょう。

友人・理解者に相談する

思い通りにならなくて不安や悩みを感じているときは、友人や理解者など、信頼できる相手に相談するという対処法もおすすめです。信頼する相手に話を聞いてもらうことで、心が整理されて軽くなるはずです。

さらに、話を聞いてもらうだけではなくアドバイスをもらうことで、問題解決へのヒントが見つかるかもしれません。

責任感を手放してみる

思い通りにならないことに対してイライラする原因は、責任感が強過ぎることに起因している可能性があります。特に自分が上司や先輩の立場であるとき、「自分がしっかりしなければ」と自らを追い込んだり、プライドからなかなか周りに甘えられなかったり、または部下には任せられないと考えてしまったりしていないでしょうか。

そんなときは、いったん責任感を手放してみるという対処法もあります。

トラブルが起きた際は一人で解決しようとするよりも、周りの人に相談したりアドバイスを求めたりすることで、解決の糸口がつかめることもあります。トラブルの際は気負いすぎず、たまには誰かに頼ってみることもおすすめです。

マイナス思考から「乗り越えれば成長できる」と視点を変えてみる

困難に直面したとき、イライラしたり萎縮したりしてしまうのではなく、「これを乗り越えれば成長できる」と視点を変えてみるのも一つの手です。

困難な場面に直面した際、マイナスな考え方になってしまう人は少なくありません。しかし物事をマイナスに考えすぎると、いい解決策が思い浮かばなかったり、さらに気持ちがネガティブになったりするなど、状態が悪化する原因にもなります。

困難を乗り越えることは、能力的・精神的な成長につながります。自分の成長を信じて、困難なときこそ視点を変えて前向きなマインドを持ちましょう。

意識を別のことに向ける

目の前の困難を見つめ続けるとストレスがたまってしまうため、いったん意識を別のことに向けるということも、思い通りにならないことでストレス過多になる事態を避ける方法の一つです。

困難なことに直面すると、そのことを度々思い返しては不安になったり、休みの日でもトラブルが頭から離れず一日中憂鬱(ゆううつ)な気分で過ごしてしまったりすることもあるでしょう。すぐには解決しないと分かっているトラブルにずっと目を向けていても、さらにストレスがたまるばかりです。

困難に向き合うことは大切ですが、時にはうまくいっていることや趣味、待ち望んでいる予定に意識を向けて、息抜きをすることも大切です。

運動や食事などでリフレッシュする

思い通りにならなくてストレスがたまっていると感じたら、運動や食事でリフレッシュをするという対処法もあります。

大きなストレスを受け続けると、心身ともにダメージが生じ、体に不調が起きたり精神的に不安定になったりするなど、さまざまな悪影響が生じてしまいます。

ストレスがたまっていくのを放置したままでは、さらにイライラして新たなストレスの原因になるだけです。そのため、適度にリフレッシュして、ストレスを発散することが重要です。

イライラしやすくなったと感じたら、ウォーキングといった軽い有酸素運動やストレッチ、和やかな雰囲気の中でのおいしい食事などでリフレッシュを図りましょう。

心に余裕を持ち、現状を楽しむ

思い通りにならないことが生じたり、予期せぬトラブルが発生したりすると、思い通りにならないことに対するイライラやトラブルに対する焦りから、自然と心に余裕がなくなります。

しかし心に余裕がなくなると、さらにイライラしたり、冷静な判断ができなくなってトラブルの解決に多くの時間を要してしまったりすることもあるでしょう。

状況を悪化させないためにも、思い通りにならないときこそ、心に常に余裕を持つことを意識しましょう。

また、現状を楽しむことも大切です。想定外の状況を新たな経験と捉え、前向きに楽しむ意識を持ちましょう。

音楽を聴いたり歌ったりして心をリセットする

ストレスを解消するための代表的な方法として、音楽を聴くことが挙げられます。

自分の気持ちに合った音楽を聴いて気持ちを代弁してもらうと、抑え込んでいた感情が発散され、ストレス解消につながるといわれています。

また、人はストレスを感じると呼吸が浅くなるものですが、カラオケなどで大声で歌って腹式呼吸をすることにより、ストレス解消効果が期待できます。

断捨離や掃除をする

断捨離や掃除をすることも、イライラ解消につながるでしょう。

断捨離や掃除をする際は、その行為に集中できるため、自然と無心になれ、イライラを忘れられるものです。また、拭き掃除などの反復運動は、ストレス解消に効果があるといわれています。

さらに、部屋や職場のデスクなどがきれいになることで、気分もすっきりし、達成感や満足感が得られてポジティブな気分になれるのです。

思い通りにならないと怒る人への対応の仕方

  • 思い通りにならないと怒る人への対応方法

自分が思い通りにならないことに対してイライラするように、周囲にも思い通りにならないことに対してイライラする人がいるでしょう。そして自分の中でイライラしているだけではなく、怒りをあらわにする厄介な人もいます。

ここでは、思い通りにならないからと怒る面倒な人にどのように接すればいいのか、対処法を紹介します。

相手から一歩引いて接する

自分の思い通りに物事を運べず、イライラしている相手からは、一歩引いて冷静に接しましょう。そうすることで、相手がどのような内容に対してなぜ怒っているのかを分析できるためです。

こちらも相手に合わせていては、お互いにヒートアップしてしまって余計なストレスを受けてしまいますし、問題の本質を見失ってしまいます。

また相手の怒りを上手に受け流したり、物理的に距離を取ったりすることも有効です。怒り続けるにはエネルギーが必要です。怒りのエネルギーが尽きることを待って、落ち着いてから対応するといいでしょう。

実力の差を見せつける

実力の差を見せつけるという方法もあります。相手がイライラしていることを隠さないのは、相手がこちらを下に見ている可能性があるためです。

相手よりも自分の方が実力が高いことを見せつければ、相手は突っかかりにくくなり、イライラしても当たってくることが少なくなるはずです。

相手の言う通りにやらせてみる

一度、相手の言う通りにやらせてみるという対処法もあります。これは、相手の言う通りにやらせることで、自分の限界を知ってもらうという方法です。

相手が思い通りにならないことにイライラしているときは、まずは事態を落ち着かせるために真剣に話を聞きましょう。その上で、あえて相手が言う通りにやらせてみるといいでしょう。

相手が自ら考えたプランを実行してうまくいかなければ、相手も自分の限界に気付き、協力関係を築こうと思うはずです。

人生とは思い通りにならないもの! 落ち込む前に、対処法を身に付けよう

人間誰しも、全てが思い通りにはなりません。時には思い通りにならないことに、イライラするときもあるでしょう。そんなときはリフレッシュし、視点を変えて前向きなマインドを作る努力をしましょう。

また、思い通りにならないと怒る人相手には一歩引いたり、いったん相手の言う通りにやらせてみたりするという対処法があります。適切な対応を取ることで、こちらが受けるストレスを最小限に抑えましょう。